”あなたに伝えたいことがある。”

営業兼スーパバイザーの石川です。今回選んだ本は、梅田悟司さんの『「言葉にできる」は武器になる。』です。

この本を本屋で手に取ったのは、本の題名に惹かれたのもありますが、筆者の理工学専攻でコピライターになったという経歴を見て、ご本人に興味をもったからでした。

著者について
梅田 悟司
電通コピーライター・コンセプター
1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。レコード会社を立ち上げた後、電通入社。
国内外の広告賞・マーケティング賞をはじめ、3度のグッドデザイン賞や官公庁長官表彰などを受ける。CM総合研究所が選出するコピーライタートップ10に2014、15年と2年連続で選出。
最近の主な話題作は、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を支える人を支えたい。」、タウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」がある。また、2016年4月からオンエアされたTBS『日曜劇場99.9』ではコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、ますます活動領域を広げている。著書に『企画者は3度たくらむ』ほか。❝
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
梅田/悟司
株式会社電通コピーライター、コンセプター。1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。在学中にSTAR STARTS RECORDSを起業した後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。広告制作の傍ら、産学共同プロジェクトの立ち上げ、新製品開発、アーティストへの楽曲提供など幅広く活動。カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外30以上の賞を受ける。横浜市立大学国際都市学系客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

この業界で、特にコピーライターの肩書の方と仕事をしている人は想像がつくと思いますが、コピーライターの仕事は、言葉を紡ぐことに長けた、クリエイティブセンスのある人だけが、なれるわけではありません。最終的にアウトプットとして言葉には落ちますが、むしろその言葉に行きつく過程が大事で、課題に対する整理力がまず無いと、生み出される言葉のアウトプットが変わります。営業がすべき整理を完全に超えて、アウトプットを出してくるので、営業の整理力の弱さを痛感させられ、また、生み出される発想や言葉は、本当に美しく、楽しく、また感動をもらいます。そんなコピーライターは、どうやって、そのアウトプットを生み出しているのか、そのHowTo本が、この本です。(今回は要約の体裁にすると、HowTo本なので、本の非買活動になってしまうと思われ、感想文寄りな紹介に留めます。)

言葉にするために。

ぱっと見、タイトル、筆者のコピーライターという肩書から推測すると、言葉の作り方、言葉の生み出し方の、人に伝わる“言葉”の作り方(敢えてわかりやすい表現にすると、表面的な)を解説してくれてる本だと思うでしょう。ですが、そんな薄い話ではなく、前半(以下の1&2章)は、コンサルティング業界入社1年目の必読書となるMECEをよりわかりやすく、かみ砕いています。(正直入社1年目に、この本に出会っていればよかったと思いました。)

1章 内なる言葉と向き合う
2章 正しく考えを深める「思考サイクル」
3章 プロが行う「言葉にするプロセス」

Tipsを少し紹介すると

・プレゼンなどの伝え方などはギミックであって、それよりもなによりも、まずは“内なる言葉と向き合う”ことが大事。
・かわいい、ヤバイといった多くの感情を省略して伝えられる言葉は、心の琴線を鈍らせてまう。語彙力を増やして、説明すること。
・内なる言葉に、幅と奥行きを持たせることが、よく考えることの正体である。=解像度をあげる。

最期にあげた、この解像度をあげるですが、普通の本なら、幅と奥行きの例をあげて、解像度を上げる程度の説明で終わると思うのですが、この本では、しっかりステップと例とで説明してくれているのです。わかりやすいし、実践的。(ここでは説明しません。読んでいただきたい。)

前半の締めくくりは、言葉の重みがもつのは、どれだけ考え抜いたか、が、必死さ、切実さ、本心である、というあくまで表面的なものではないという話でした。

あなたに伝えたいことがある。

後半では、言葉の紡ぎ方を丁寧に解説してくれます。正直こういった言葉のブラッシュアップを、自分がしたことがなかったのが理由と思うのですが、読み進めるうちに、自分の言葉のつなぐ方法ではない、慣れない思考にもどかしく、使ってこなかった脳を動かしているんだろうなとさえ感じます。一度読んだだけではものにできないので、前半同様、この本を片手に、何度も繰り返し自分のモノにしていかないといけないだろうなと思います。コピーライターでなくても、プレゼンでのパワーワードや、様々な場面で役に立つと思われます。まさに、武器です。

タイトルにした、あなたに伝えたいことがある。、は、後半の話のTipsなんです。これも、ぜひ読んでみて、理解してもらえたらと思います。

仕事の整理術、人生の整理術にもつながるだろうヒントが、この本にはちりばめられており、さっそく実践しようと思います。忙しさにかまけて、先延ばしにしたら、やる時はきっとこない。まさにそれなんですよね。

ぜひ、読んでみてください!