見出し画像

地方でのエンジニア採用においてオススメの地域

前回の記事では、地方エンジニアの採用事情について書いてきました。本記事では、どの地域でエンジニアの採用に注力すべきか私のオススメを書いていきます。

《ライタープロフィール》
株式会社リビルド
代表取締役 鈴木孝之

2013年に東京のITベンチャー企業にシステムエンジニアとして新卒入社。
その後、株式会社フルスピードに転職。大規模な広告配信サービスの管理画面開発を担当し、サーバサイドからフロントエンドまで幅広い開発に従事。
また、社内では新卒研修も担当し、新人育成や指導に携わる。
2017年11月に沖縄で株式会社Re:Buildを創業。2019年にプロダクトマネージャーとしてリファラルでエンジニアをマッチングする「Tadoru」の開発に従事。また、シードラウンドで約3000万円の資金調達。

1.地方エンジニアの採用事情の振り返り

まず、前回の記事で書いた内容を振り返っていきます。詳細は割愛しますが、下記の層をターゲットにして、採用をすると良いという話を書きました。私のオススメとしては、実務未経験者、中途(第二新卒)、やりがい重視の中途エンジニアの層が良いと思います。下記の分類で言うと、①、②、④が良いと思っています。

1.1 どの層を狙うべきか?

地方で採用のターゲットになり得る層は下記です。

  • エンジニアの分類、オススメ度(5段階評価)
    ①地方在住の新卒(大卒理系学部、高専卒、プログラミング経験者)
    ⭐️⭐️⭐️⭐️
    ②地方在住IT企業ジュニア層のエンジニア(第二新卒)
    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    ③地方在住のIT企業ミドル〜ベテラン層のエンジニア(20代後半〜30代)
    ⭐️⭐️⭐️
    ④県外在住のIT企業ミドル〜ベテラン層のエンジニア(20代後半〜30代)※UIターン狙い
    ⭐️⭐️⭐️⭐️
    ⑤地方在住のIT企業ベテラン層のエンジニア(40代)
    ⭐️
    ⑥県外在住のIT企業ベテラン層のエンジニア(40代)※UIターン狙い
    ⭐️⭐️
    ⑦地方在住のフリーランスエンジニア(移住者)
    ⭐️⭐️
    ⑧地方在住のフリーランスエンジニア(地方出身)
    ⭐️⭐️⭐️

2.おすすめの地方進出先

仮に1で書いた①、②、④の採用ターゲット層を狙う場合、下記のポイントで地方拠点を選ぶと良いと考えています。

2.1 地方拠点の選定ポイント5つ

①IT系・理系の学校が多い地域
②レガシー技術を使っているSIerや下請けIT企業が多い地域
③地元愛が強い人が多い地域
※地元愛が強くないと、そもそもその地域に定着しにくいと考えているためです。
④エンジニア向けの勉強会が多い地域
※向上心が高いエンジニアが集まっている地域であれば、人の流動性が高いと考えたため。
⑤移住先として人気の地域

上記の観点からオススメの地域を地域をピックアップしました。もちろん、私が把握できていない地域もあるとは思うのですが、上記のポイントを満たせている地域であればそこも有力な地域と言えると思います。

2.2 地方でエンジニア採用するにあたってオススメの地域3選

  1. 沖縄県

  2. 北海道(特に札幌)

  3. 島根県(特に松江)

それでは、それぞれについて説明していきます。
事前情報としては、高専が多い地域や移住先として人気の地域は狙い目になると思います。

全国の高専
https://www.kosen-k.go.jp/nationwide/allkosen/all_kosen_linkmap.html
マイナビニュース:移住してみたい地域ランキング
https://news.mynavi.jp/article/20200818-1232917/

※学校数の参考:スタディサプリ進路検索
https://shingakunet.com/
※求人数の参考:Green
https://www.green-japan.com/
※高専数の参考:国立高等専門学校機構
https://www.kosen-k.go.jp/nationwide/allkosen/all_kosen_linkmap.html

2.2.1.沖縄県

5つのポイントを元に評価(5段階)すると下記になります。
①IT系・理系の学校が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
②レガシー技術を使っているSIerや下請けIT企業が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️
③地元愛が強い人が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
④エンジニア向けの勉強会が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️
⑤移住先として人気の地域(1位)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる大学・短期大学(短大)の数
3件
■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる専門学校の数
9件
■高専の数
1件
■エンジニア(ソフトウェア/システム)の求人数
501件
■過去5年間で開催された勉強会の数
889件

これらの評価をした理由について説明していきます。
沖縄県は沖縄高専や琉球大学、沖縄国際大学などの理系もしくはプログラミングを学べる学校が多い印象です。また、これらの学校出身の方々は優秀な方が多く、弊社でも活躍してくれています。
また、沖縄県はレガシーな技術を使っているIT企業も多い印象で、そこからの転職なども期待できるでしょう。
勉強会に関しては、過去5年間で開催された数は889件であり、地方の中では比較的多い印象です。(connpass参照)
移住先としても人気です。

2.2.2.北海道(特に札幌)

①IT系・理系の学校が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
②レガシー技術を使っているSIerや下請けIT企業が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️
③地元愛が強い人が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
④エンジニア向けの勉強会が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
⑤移住先として人気の地域(2位)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる大学・短期大学(短大)の数
16件
■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる専門学校の数
18件
■高専の数
4件
■エンジニア(ソフトウェア/システム)の求人数
716件
■過去5年間で開催された勉強会の数
1100件

connpassでの過去5年間で開催された勉強会の検索結果(北海道)
https://connpass.com/search/?q=&start_from=2019%2F03%2F20&start_to=2024%2F03%2F20&prefectures=hokkaido&selectItem=hokkaido&sort=

これらの評価をした理由について説明していきます。
北海道は高専が4つあり、北海道大学などの理系もしくはプログラミングを学べる学校が多い印象です。
また、エンジニアの求人数も多く、その中でもまだまだレガシーな技術を使っているIT企業も多い印象で、そこからの転職なども期待できるでしょう。
勉強会に関しては、過去5年間で開催された数は1100件であり、地方の中では多い印象です。(connpass参照)
移住先としても人気です。

2.2.3.島根県(特に松江)
①IT系・理系の学校が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️
②レガシー技術を使っているSIerや下請けIT企業が多い地域
⭐️⭐️⭐️
③地元愛が強い人が多い地域
⭐️⭐️⭐️
④エンジニア向けの勉強会が多い地域
⭐️⭐️⭐️⭐️
⑤移住先として人気の地域(31位)
⭐️⭐️
■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる大学・短期大学(短大)の数
1件
■ゲーム・コンピュータ・Web職を目指せる専門学校の数
2件
■高専の数
1件
■エンジニア(ソフトウェア/システム)の求人数
439件
■過去5年間で開催された勉強会の数
160件

これらの評価をした理由について説明していきます。
島根県はそこまで、プログラミングが学べる学校数は少ない印象ですが、
エンジニアの求人数はそこそこ多いです。
勉強会の数もそこまで多くないものの、島根県はRubyが生まれた街であり、Rubyエンジニアの採用をするにあたって、オススメの地域としてピックアップさせて頂いています。

私も一度、松江市が主催する移住視察ツアーに参加させて頂いた事があるのですが、現地ではRubyのコミュニティが盛り上がっている印象で熱量を感じました。
例えば、昨年はRubyWorld Conferenceという大規模なRubyのカンファレンスも開催されています。
ただ、移住先としてはあまり人気は高くないので、採用するにあたっては現地での採用に注力した方が良さそうです。

connpassでの過去5年間で開催された勉強会の検索結果(島根)
https://connpass.com/search/?q=&start_from=2019%2F03%2F20&start_to=2024%2F03%2F20&prefectures=shimane&selectItem=shimane&sort=

まとめ

地方で採用するターゲット層のエンジニアを決めて、戦略を練り、適切な地域での採用に注力しましょう。地方でもエンジニアの採用難易度は上がっており、闇雲に地方拠点を出すだけでは採用は困難です。
また、地方でもベテラン層は超売り手なので、地方に拠点を出しただけでは採用が難しく工夫が必要です。

スタートアップの初期プロダクト開発をお考えへの方へ

株式会社リビルドはスタートアップの初期プロダクト開発を得意としています。プロトタイプ作成からリリース、デザインから開発を、一気通貫して受託することができるので、クライアント様のコミュニケーションコストを最小限にすることができます。
また資金調達を行った経験からビジネス面のご相談を受けることも可能です。

オンラインでの無料相談も随時受け付けておりますので、ぜひお問い合わせください。

https://re-build.company/contact/create


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?