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空飛ぶタイヤを読んで

池井戸潤さんの小説『空飛ぶタイヤ』を読み終わったので、その感想を書きます。上下巻ありましたが、引き込まれる内容で一気に読み終わりました。
上は話の大筋を理解するために時間がかかりましたが、下巻は本当にあっという間。面白かったです。

話は運送会社に巻き起こったある事件を元に、敵対する大手企業と中小企業の社長が繰り広げる攻防が中心です。

冒頭はいきいなり運送会社の運転するトラックのタイヤが外れて母子死傷事件がおきるという衝撃なはじまりですが、そこから展開されるストーリーが紆余曲折あり、大逆転あり、感動あり、と見どころ満載。

また、中小企業の社長ならではの泥臭い働き方を信念を貫く生き方、諦めそうになるけれど、社員や家族たちに励まされながら、戦い続ける姿勢は、とても励まされます。

池井戸潤さんの作品は基本的に銀行が絡み、融資の話が必ず出てきます。
この『空飛ぶタイヤ』も例外ではありません。敵役の大手銀行と弱小の中小企業という構図がいじめっ子といじめられっ子という構図を作っており、思わず応援したくなります。

実際に、最後はどんでん返しが待っているのですが、色々な人間模様がリアルで、これがフィクションとは思えないような展開でした。

実際、企業の汚い部分や銀行の世界ではこんなことがあるんだろうな、と思いを馳せながら読みました。

追いつめられながらも、社員や仲間、そして家族、いろいろな人たちの思いを背に、闘い続け、逆転勝利をものにした主人公は、本当にこんな人が現実にいたら、好きになるだろうな、という人物像。

私自身も仕事やプライベートでいろいろと抱えている時期でもあったので、胸に迫るものがあった小説でした。

また機会があれば読んでみてください。

参考になりましたら。

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