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ヨガを教えることの魅力


ヨガ講師の私が、ヨガの魅力について語っても何も面白くないだろう。それはたとえば、知らないアイドルについて熱く語るオタクのようだし、知らないワインの良さを永遠と語る金持ちみたいなもんで。興味のない人に、好きなものの魅力を伝えるっていうのは、そんなに簡単なことではない。物の良さを伝える時、win-winであってこそ会話成立なんじゃないかとすら私は思う。だから今までこのエッセイという場で「ヨガ」を語ることは、殆どしてこなかったんだけど。

自分の「職業」なのにねってことで。今日は「ヨガ」をテーマにしようと思い立ったのだ。まぁ、その理由にはもっと本音があって
単純に「ヨガ」の人気が下がってきているから。
というのも、世間では「ピラティス」が流行り、「筋膜リリース」が流行り、ヨガの影はじわじわ薄まりつつあり。人間は、飽きの早い生き物だから仕方ないにせよ「ヨガ業界の衰退」そんな気配を感じた私は、寂しさに触れたのだ。恐怖や焦りよりも、遥かにそれは「寂しさ」だった。はじめの話と矛盾しちゃうけどね。
やっぱり自分が愛するものの良さは広まって欲しいし、なくならないで欲しい。感動を共感し合えた時にこそ絆は深まる物だしね。あわよくばあなたの未来にも、リビングにヨガマットが置いてあるくらいになったらいいなと、私は思う訳です。
ということで、「ヨガの魅力」を語るところですが、あえて私目線で。

ヨガを教えること」の魅力を解くことにします。

まぁ単純に「ヨガ」のことが知りたければ、本を読んでもらったほうがいいし、実際にYouTubeを見てやってみるっていうのがいいよ。ただ私達大人の腰って、想像以上に重たいからね。ひとまず、あなたの腰が軽くなるように話を始めます。


まず。誰もが思う世間の「ヨガ」に対するイメージは、こんなもんかと思う。

ヘルシー&ビューティー&ポジティブ

総合して意識高い系?ただ、ヨガ講師も人間なんだ。好き嫌いがあって、得意不得意がある、ハマるとかハマらないとかがある。つまり、私たちヨガ講師には「」があるのだ。それは例えば

やる気の「赤」
知識の「青」
美しさの「ピンク」
癒しの「みどり」
神秘の「クリア」
病の「黒」みたいなこと。

そして、生徒さん達もそれぞれ。「悩み」という「」を持ってくるのだ。それはたとえば

痩せたい!の「赤」
上手くなりたい!の「青」
キレイになりたい!の「ピンク」
休みたい。の「みどり」
リスペクトの「クリア」
変わりたい。の「黒」

かもしれない。たとえばね。
ここで、先生と生徒の色が「相性」と言うもの。需要と供給。マッチかミスマッチかに値するのだろう。

それなら。私のヨガカラーは圧倒的に「黒」なんだ。そして、私のスタジオを訪れる生徒さんの多くは「黒」を持ち歩いてくる。痛みや、不安や、心の病を私のところへ持ってきて、私にだけ「黒」を見せていくのだ。それも、普段は絶対に誰にも見せない、心の奥の奥の方からだよ。ヨガを終えた後にだけ、ほぐれた体の奥から出てくるそれは、私の「黒」と混ざり合ってじきに変化を見せるのだ。そしてみんな、「白」になる。心からの笑顔を置いて帰る。 



私はそんな奇跡を見ることが、好きなんだ。

初めて私の元を訪れる際に、怯えた姿をしている方は少なくない。それは私にではなく、世間に対して。社会や人間に怯えているのだ。
絶望してる。
ただ。信じられないけど。みんなちゃんと見違えような笑顔を見せ、卒業していく。その瞬間。その奇跡がきっと、「ヨガを教えること」の魅力なんだ。ポーズだけじゃない。生徒さんのこころが変化して。颯爽と暮らしに戻っていくこと。私との出会いで、暮らしが豊かになっていくこと。それが私のやりがいということなのだろう。


それから、時には私と違う色を持つ方も来る。私はキャラじゃないから、ダイエットのヨガは教えていないし、モデルのようにスタイル抜群でもない。そういった役目を全うしてる、かっこいいインストラクターは他にちゃんといるよ。私じゃないだろう。全てはその講師の「色」なんだ。

ただ、余談だけど。
どの講師も目指すところは同じなんだ。

最後は「白」を目指しているのだと思う。どの講師も言ってくれるだろう。あなたの「存在」は、かけがえのないものだって。ただの「自分」こそ、最高の宝物。そう気づくための修行が、ヨガなんだ。



おわりに。

これからも私は、同じ「色」に共鳴して、なにか得るものを感じ、なにか与えたいと思うのだろう。「色」が違えば合わさることはないのかもしれない。けど、ぜひ自分に合う、ぴったりの「色」を求めて欲しい。重なった時、人は生きる希望を見つけ、安心するものだから。

心の奥を見せあえる人は、多くない。そして
人間は、強くない。本当は弱い生き物だから。
希望は多い方がいいと、私は思う。


あなたにも、いつか。
ぴったりの「ヨガ」が見つかりますように。

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