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苦手(バス旅行編)


私には4歳の息子がいる。名前はレイ。

今日は保育園の親子行事。バス旅行でした。コロナ渦に入園した我が子なので、一緒に参加する園行事は今回が初めて。見知らぬ土地へ向かう息子との旅が、まぁまぁ不安でもあり、なんとなく楽しみでもあり。ひとまず、慣れない「早朝お弁当作り」のプレッシャーであまり眠れなかったのが私です。そんな母とは裏腹、テンションぶち上げの息子でした。そして、そんなぶち上げの息子とは裏腹、降水確率100パーセントの空だったわけで案の定、朝から土砂降り。ただ、レイのテンションはお構いなしで、母としてはほっとしました。「こんな大雨でも息子と楽しみたいなぁ」なんて。そんな純なキモチを連れて行ったんですけど。

まぁ、まず、園に着いてみたら予想を遥かに超えた園児達のテンション。序盤からクライマックスだった訳です。行きのバスにおいては、男子チームの席。
「程度の浅い、えらいこっちゃ」くらいでした。行き先は群馬サファリパークという動物園だったのだけど、もうすでにバス車内、よっぽど(動物園)という感じでした。
私は騒がしいところとか、世間話とか、あまり上手く乗り切れないタイプなので(というかとても苦手なので)ちょっと、意識的に窓の外を眺めたりして、母親として不自然な感じは否めなかったです。途中、先生から始まり、1人ずつ回されるマイクパフォーマンス。自己紹介とか、親からの一言とか、ママの趣味みたいなものを話す時間があったんですけど、気が気じゃなかったですね。しっかり緊張できました。バス旅行ってアレですね。社交性を試される「親子行事」なんですね。頑張りましたよ。母でした。

と、そんなボヤキはおいておいて
高速や休憩を含め移動時間は1時間半といったところ。着く頃には、園児達の雰囲気。
割ともう、お腹いっぱいでした。

そこからいざ、ショータイムの動物園。だが
4歳のテンションっていうのは非常に分かりやすく。知らない動物が続いたり、窓から見えずらかったり、遠くの方で地味。かつ、やる気のない動物なんかが続くとダレる訳です。息子に限っては「カピバラ、どう!?」と聞くと「臭い」しか返ってこなかったです。雨で億劫だったのか、母達の足取りもやや重くなり、動物達も後ろ向き。なんとなくお尻が見えると、はしゃぐのは4歳だけでした。その辺、母は何にも面白くなかったですね。

そんな中レイに、ヒットしたのは「獏」
それはなんかちょっと分かる。あの黒白の姿で奇妙に伸びる鼻のフォルム。そそられるのはなんか分かる。
ただ、結局、彼がお土産に買ったのは獏ではなく、ホワイトタイガーのぬいぐるみだったんです。「一番欲しいのはどれ?」と聞いてから、20分決められないのが息子でした。普段から察しの良すぎる彼はきっと、周りの友達の選んだ物を見て、母の顔色を見て、自分の欲しいものを定めることに、心も頭もいっぱいいっぱい。嬉しくも、決めることが苦手なんでしょうね。そんな彼の様子に、時間ギリギリまで待った母。そうして優柔不断な彼が、やっとの思いで選び抜いたのが、ホワイトタイガーでした。「良いの選んだね!」と、息子と喜んだのも束の間。買って1分後に事件。

水溜まりに落としました。悲鳴。良い塩梅で足に泥がついて、リアルなホワイトタイガーの出来上がりだった瞬間は、忘れません。

そんな浮き沈みもあって
息子が喜んだり、ガッカリしたり、つまらなくなってハナクソほじったり、友とはしゃぎハイタッチしたり、見知らぬパパと会話をしたり。母は、母なりに震える声でマイクパフォーマンスをしたり。人生ではこんな日のことを「親と子の成長」と呼ぶのだろう。



「苦手」から産まれる感動が、
ちゃんとあるね。
「苦手」ってきっと、
自分が格好悪いから苦手なんだけど。

頑張った自分は素敵だった。
それでええやん。グッナイ。

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