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【日記文学】虹がかかる夏の1日

これでもまだ夏じゃないって?本気でそう言ってんのかよ。と突っ込みたくなるほど暑い一日だった。7/16、日曜日。今日の群馬はまだ梅雨だったが、そんなの知らんって。外は38.1度?車の中に乗り込んだら45度だった。空気で火傷しそうだったし、フロントガラスにはこれでもかってくらい凛々しい入道雲。パキッとした青と白、山々の緑。これを夏と言わずになんと呼ぶの?もういいだろアマタツ!と。私の脳内がアマタツに叫び、勝手に夏が来たことにしたんだ。
ということで三連休の中日であったが、夏の暑さ厳しく遠出する気にはならず。子供とテキトーに過ごした。いや、正しくはテキトーをモットーに過ごした。スケジュールは、朝8:30のプールから始まり→かき氷→そうめん→プール→かき氷→図書館→プール→かき氷みたいな感じで、やっぱり夏じゃないとは言わせないぜ。という1日だったと思う。まぁ、そんな偉そうなことを言いつつ。私と言えば、ひたすらに夏が苦手で有名なので。
旦那さんに子守を任せて、クーラーを効かせた部屋にて、洗濯物を畳んだり、そうめんを食ったり、エッセイを書いたり、冷やしたチョコパイを摘んだり。つまりは、ラクをしていたってわけですね。プールに入ったのは3回とも旦那でございましたね。そうして涼しいリビングから、薄いカーテン越し。キャーキャー遊び回る息子と旦那さんを見ていたのが私で。思ったのだ。あぁ、そういえばこれまでだって一度も。夏=陽キャとして過ごすことがない人生を送ってきたなぁと。
それは自宅のプールどころか、泳がずに自撮りする為の女が揃う、あの「ナイトプール」でさえ現れない。海もよくわかんない。祭りだって行きたいと思ったことがない。花火とかも興味ない。ビアガーデンも遠慮したい。もう、夏といえばクーラーの効いた部屋で、末端冷え性を発症し優しく毛布を被るくらいでいいってば。それが育児が始まってからと言うものの、毎年夏バテしてどんどん痩せていくから、今年こそ早めの切り上げをお願いしたい。なんて、そう言うわけで。結局ハナシが戻ってきて今日のような「おうちプール傍観者」が、限界ってな訳でした。まぁ、ここまで長めの言い訳だよ。暑さにぶつくさ文句を言ったところで、事態は変わらず。夏だからって、私は何者でもないんですよね。リビングからふたりを眺めながら、そんなことをぼんやり。やたらゆっくり進む時計。


そんなこんなで、夏嫌いの私が15時ごろだったかな。しぶしぶ重い腰を上げてベランダに繰り出し、しぶしぶ洗濯物を干そうと。ベランダにおいてあったサンダルを穿いたらそこは灼熱となっていて、気付かぬまま足を通した私は秒で足裏を火傷して「アツい!」と叫びました。これはあかん。ツライぞと。しぶしぶ、そこらへんにあった靴下を履いてもう一度チャレンジ。いざベランダへと今度は靴下越しにサンダルを履いて。それでも先ほどのダメージなのか?足裏のヒリヒリを感じて、ちょっと夏を恨みました。これを書いている今も、地味に痛いっす足の裏。更には火傷までおってせっかく干した洗濯物が、夕立の土砂降りで見事やられまして。これは一日ラクして過ごした私へ、神様からのお仕置きだったのか?図書館に行っている間わずか30分なのに。土砂降りかよクッソ。と神にファっキュー。


ただそんな夕方のことですよ。
ブツクサ行っている夏嫌いこと私に、何かを諭すよう。ベランダから見上げた空には大きな虹が現れたんです。それを見た私、なんか夏に圧倒されてしまって。久しぶりの虹はこんな強かったっけ?って。
その虹には美しさよりも、儚さよりも、力強さがあって。土砂降りが降ったあとのアスファルトの湿気と、まだ昼間の暑さ残る空気と、太陽が山の向こうに落ちてオレンジに光る西の空と、グラデーションになる雲。それから息子。5歳になった息子のレイは、私の隣に立ち「初めての虹」を見つけて、キラキラしている瞳。焼けた小麦色の肌、プールで少し濡れたままの髪。その全部が掛け合って、見惚れてしまったんだ。その瞬間、夏っていいなって全身で思ったのが母でした。

それから息子は隣で「明日もプールをしたい」と言っていましたし、続けて「今日は、パパしか優しくなかったよね!ママ優しくなかったよね」と。母は、図星も食らいました。寝る前のお布団では「レイくん、暑いのめっちゃヤダだけど。夏が好きになりましたー。」って言ってて。そんな息子を見て、やっぱり夏っていいなってちょっと思ったのが母です。

誰にでも平等に来る夏。
私、陽キャにはなりきれないけど。明日はプールに入ってみようかななんて。夏ってもっと楽しいんだよって、息子に教えたい。夏って、こんなもんじゃないんだって。母、今年は頑張りたい。今日はそんなところです。

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