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【60代の働き方変化を語る<後編>】印象に残っている69歳の転職と61歳の複業

人材業界で20年近くコンサルティングに従事するベテランコンサルタントが実際に人材ビジネスの中で見てきた、人々、特に理系人材の働き方、企業の雇用への意識変化について、また、今感じていることについてざっくばらんにフリートークでお伝えする企画!

ベテランコンサルタントのよもやま話
~理系専門人材業界の舞台裏からお届けします~

トークするのは
転職を支援する紹介事業部の斎藤と、複業を支援するLINK事業部の髙本。

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今回トークテーマは特に大きな変化を感じている60代の方々の働き方について!3回に分けて「前編 <人材側>」「中編< 企業側>」「後編< 印象に残っている複業・セカンドキャリア・転職事例>」の3本立てでお届けします。今回は3回目「後編< 印象に残っている複業・転職事例>」です!

前回までの話(前編・中編)

新たな感動と可能性を見た69歳の転職

髙本:ぜひここからはお互い複業と転職の別事業部のコンサルタントとして印象に残っている事例についてお話しできたらと思うんですが、斎藤さんはどんな事例がありますか?

斎藤:やはり69歳の方の決定は感動したかな。募集先の企業が年齢にこだわらないと言っていたので、それであればと50代、60代の方も含めてスカウトを始めたんだけど、正直スカウトするタイミングではその方がどんなキャラクターなのか、どんな考え方の持ち主かわからないじゃない。

例えば「自分はこれだけのスキルと実績を持っているからそんな安い年収では行きません」という方もいると思うけど、そこは話してみないと分からない。そうしたら、その69歳の方は非常に素晴らしい人格者だった。

歳を重ねて、やっぱり正社員ではなかなか受け入れられないということを理解しつつも、自分は元気だしまだまだ貢献できると思っている方というのは、人間ができている人が多い気がする。本当に謙虚な人が増えている。私みたいな若輩者も立てていただいて、感謝もしてくれるんだよね。

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髙本:そこは本当の意味で大人なんですよね。やっぱりスキルだけじゃ駄目なんですよね。

斎藤:この69歳の方のケースでいくと、その企業で正社員としての採用というのは難しかったのは仕方ないけど、契約社員採用でも有期雇用で更新はあるもののほぼ無期限ですという感じで働ける限りという永年契約ぐらいのイメージだったので、そうやって求められる側としてはやっぱり嬉しいだろうなと思いますよね。

髙本:60代の方はやっぱりチャンスが少なくなるじゃないですか。時代は変わってきたという話は散々したけど、チャンスがある母数としてはやっぱり少ない。それがなかなか労働市場に受け入れられなかった中で受け入れられたというのは、彼らにしてみるとものすごく嬉しいというか、新卒と一緒ですよね、「就職決まった!」みたいな(笑)そういう印象を受けます。

RD LINKでもご支援している時に、求められる場所があってとても喜んでいらっしゃるなというのをこっちが実感する。今の会社が嫌だからどこか行きたいという姿勢とは違って、まだ働ける環境を与えていただけるなら頑張っちゃおう!という雰囲気を素直に感じる。私としてもすごくありがたいですし、嬉しいですよね。

斎藤:年齢の高い方はスキルの高い方も多い一方で自分の経験や過去にこだわってしまうし、新しい環境に行くのにプライドが邪魔をしてしまったりするけど、だいぶ状況やマインドが変わってきたと思う。最初の方にも話したけど、ポジションや外からの見え方にこだわる人が減ってきたというか。

69歳の方でもこうしてしっかり求められて、採用されて、ご本人も非常に喜んでいただけたというのは、私の長いコンサル人生の中にまた新しい感動や可能性をくれたなという気がする。複業ではどんな感じ?

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転職活動では撃沈でも複業ではモテモテの61歳

髙本:私の方では61歳の方の事例ですね。もともとは斎藤さんがいる紹介事業部の転職案件にエントリーがあったんですよ。そこで正社員の案件は募集要件とのマッチングが難しく、RD LINKのほうから業務委託の働き方をご提案しました。私の方からRD LINKにスカウトですよね。それで「まぁ一度お話を聞いてみます」とおっしゃっていただきました。

この方は「話聞いてみます、から人生変わっちゃった(笑)」とよくおっしゃるんですが、家庭の事情で一度は離職したけど何か仕事はしたい、転職活動をしたけど全然受からない、RDサポートもRD LINKもよく知らないからとりあえず、じゃあ話を聞いてみてもいいですよと面談をさせていただきました。

だからもともと業務委託で働きたいとか独立してみようといった意識は全くなく、普通にただ仕事したいなぁ。何かご縁ないかなぁという感じでした

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斎藤:そんな感じでも今は複業で働けているってこと?

髙本:今RD LINKから複数の企業で稼働いただいているのですが、いつも新しいことを学ばせてもらってすごく面白いとおっしゃるんですよね。こんな働き方があるんだな、期待されていると感じるから貢献したくなると。

1度稼動していただいたら人柄も素晴らしいし能力も高い。当然評価が高いので、今やっているA社の仕事もひとつやったら、これもできませんか?と次の話に繋がり仕事が入ってくる。実際にそのような状況になって初めてその方自身、1社に属さない働き方があるんだなと感じられています。その方はRD LINKに拾ってもらったとおっしゃるんですが、こういう働き方を知らなかった、選択肢を知らなかったと。

斎藤:確かに自分たちは人材業界にいるからアンテナがあるけど、ずっと1社で特に研究開発などの分野で仕事に没頭していたら、そもそも退職後に業務委託で働こうとは思わないかもしれないよね。

髙本:50歳の時に会社で定年教育を受けたそうなんです。セミナーというか。その時は自分が部長職で最も忙しい時期で、家もまだ子供の手がかかって大変だし、そんな時に60代70代のことを考えろと言われても考えられなかった、全然リアルじゃなかったと話されていました。

でも今考えると、その時から先々の生き方を考えることを始めていればもっと良かったかもしれないとおっしゃいたのは印象深かったです。5年前にこういう事例って話せたと思いますか?

斎藤:いや、話せない。とても申し訳ないけど5年前は、求職者の色々な経験スキルや年収などの条件とかある中で、年齢が高いというだけでどうしても判断基準が厳しくなっていたよね。こんな時代になるとは思わなかったね。

髙本:以前斎藤さんと一緒に60代をメインで担当して転職支援をしていた時に、皆さんもう全然求人が無いし、悲壮感というか、とにかく就職したいみたいな感じでいらっしゃっていましたよね。

私自身も、キャリア支援で貢献できていないし、求人がなかなか無いという頭だったんだけど、コロナ禍なのか何かわからないけど、RD LINKの事業を始めてから明らかに私の中でまだ60代の方々が働けるところあるなと思うようになりました。

斎藤:確かに明らかに就業ピラミッドの変化はあるだろうね。

髙本:ちなみに斎藤さんが転職をご支援した60代の方々は、それまで皆さんまだ現役で働かれていたんですか?

斎藤:さっき話した 69歳の方は契約でプロジェクトベースの仕事はやっていたね。62歳の方は離職していたかな。ただ皆さん1社でずっと働いていたというよりは、長期で勤めていた会社から転職してその後数社を渡り歩いていたりと、やっぱりずっと働きたいという意欲がすごく強い方たちなんだろうとは思う。

年収400万円を許容できるか!?

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髙本:60代の方が転職される時に、年収が400万、500万に下がるというのはネックにならないですか?

斎藤:うん、特にならないね。やっぱり間に数社挟んだ経験があるから色々理解されている。大手1社のご経験で年収1500万ですという方が急に年収600万になりますというのはなかなか受け入れがたいかもしれないけど、皆さんその前に契約社員とかを経験しているからね。

年収というのはそれまで所属していた企業内での評価であり、転職でそのままスライドは基本的には難しいじゃない。ベテランであるほど現職と転職での年収幅が広がってしまうから、いきなり理解しろと言っても難しいと思うんだよね。ある程度転職活動をやって、年齢で苦戦して、年収条件で苦戦して、というのをやってこないとわからないと思うんだよね。

髙本:「年収が下がっても特に気にしないよ」とおっしゃるのは、理系専門職だからという理由もあるような気もしませんか。研究開発とか専門的なことを積み重ねてきてプロの職人になってきているからこそ、培ってきたものを使っていきたいという気持ちがあるのが理系の特徴かもしれない。

理系専門職の方が仕事を探す時に「部長職をやりたいんです!」とは言わないかもしれない。まぁ最近は職種に限らずそういう方は減ったとは思いますが(笑)

斎藤:理系の方は自分が自信のあることが分かりやすいというのもあるよね。営業職の方だと、営業力というのは抽象的でなかなか形として分かりにくいんだけど、理系の方だと専門の知識とか蓄積されたスキルが目に見える形であるよね。だからそれを活かして働くということが、わかりやすく繋がる。

髙本:確かに。営業力などは時代が変わると変わりますよね。それこそ今だとオンラインだったり営業スタイルも変わる。昔は飛び込みセールスが当たり前でしたし(笑)。そう考えると理系専門職の方は普遍的なスキルで、生化学などのベースの知識は変わらないですよね。もちろん新しい技術は出てきているけど。

化石になる60代か脱皮できる60代か

斎藤:まぁ研究開発分野の専門知識やスキルが欲しい企業はいっぱいあるよね。転職でも研究開発分野の転職はなかなか良しとされてこなかったし、人材が外に出てこなかったから企業側も活用の機会が無かっただけで、働ける場が広がればそりゃ求められるよね。

髙本:中堅企業やベンチャーはみんなベンチマークの企業があるじゃないですか。私たちRD LINKも今事業拡大したいフェーズなので、同業のベテランの方が定年したら是非来てくださいと個人的に思っています(笑)企業からよく聞くのは、今までの経験で何をしてきたか、特に“失敗”してきた経験を持っている人に来てほしいというところが多いですね。

ただそれが先生じゃダメで、40年前のままだとその知識古くない?となる(笑)40年の経験プラス今の進化を持っている人材はニーズがあります。進化させて脱皮していると言うか、昔の知識や経験も持っていて今の知見も持っている人は強い。

斎藤:転職でも複業でも事例を見直すと、やっぱり好奇心や探求心があって自分をアップデートしていける方という点が共通だね。あと先生じゃない、ということだね。経験を活かすと言っても教えるだけじゃなく、自分も学んで新しいものを提供できる方は年齢問わず働き続けられる時代になってきたよね。ここから更にどんな風になっていくんだろうね。

髙本:斎藤さんとトークして改めて時代の変化を感じました。私たちもベテランの域に入ってきているので、求められる強い人材にならなきゃ(笑)次回のトークもまたよろしくお願いします!

おまけ:トークの舞台裏です↓↓

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▽トークライブ<3/10(木)12時開催>▽
キャリアに年齢レッテルなんてナンセンス!
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