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【世代ってなんだろう?】私たちはシニア?それともミドル?

人材業界で20年近くコンサルティングに従事するベテランコンサルタントが実際に人材ビジネスの中で見てきた、人々、特に理系人材の働き方、企業の雇用への意識変化について、また、今感じていることについてざっくばらんにフリートークでお伝えする企画!

べテランコンサルタントのよもやま話
~理系専門人材業界の舞台裏からお届けします~

トークするのは、転職を支援する紹介事業部の斎藤と、複業を支援するLINK事業部の髙本。

過去分はマガジンでまとめています↓

今回のトークテーマは世代ってなんだろう?です。

そもそも世代とは?

「世代」という言葉についてWikipediaでは、

世代名は特定の年代を一括りにした呼称であり、出生、就学、就職などの時期の社会情勢や、出生時期の節目(元号や世紀など)によって区切られることが多い。

Wikipedia

と書かれています。
団塊世代、バブル世代、ゆとり世代など時代の社会背景に合わせた呼称などですね。

最近では1990年代中盤以降に生まれた世代を「Z世代」と呼んだりします。1960年代中盤~1980年頃生まれが「X世代」その後の1980年頃~1990年代中盤生まれが「Y世代(ミレニアル世代)」と呼ばれ、それに続く世代という意味でZ世代、ジェネレーションZと呼ばれているようです。この辺りは出生年でカテゴライズされているので、自分の属する世代がわかりやすいです。

また、人材ビジネスにおいては、「U-29の転職」「ミドルクラスの転職サイト」「シニア人材の転職支援」といったように、第二新卒、若手、ミドル、シニア、など世代ごとのカテゴライズをよく見かけますが、それぞれ何歳から何歳までを指すのかという明確な定義はありません。

「U-29」 はわかりやすいですが、実際にはそれぞれの転職サイトやエージェントがターゲットとして定めているユーザー層がありますので、それらをイメージしやすい言葉を用いているにすぎず、会社間によって同じ「ミドル」でも、その範囲には多少のズレが生じると思います。

さて、今回なぜこの「世代」がトークトピックになったかというと、私たちRD LINKは企業に在籍している方だけでなく、退職されたセカンドキャリアの方の“働く”も支援しています。

その時に常に話題に出るのが「セカンドキャリアの方はシニアなのか?」議論。(ここでのセカンドキャリアは企業で役職定年や定年退職を迎える55歳前後以降の方を指しています)

そもそも、シニアとは何歳からなのだ?ということで調べてみると、 日本老年学会が、65~74歳は「准高齢者」、75~89歳は「高齢者」、90歳以上は「超高齢者」という区分を設けており、一般的にビジネスの世界では、60歳以上を「シニア」とひとくくりにしている印象です。

そうすると55歳~60歳が多い役職定年者の方々はミドルで、60歳以上の定年退職者はシニアということになるのでしょうか・・・。今回はそんな「世代」のくくりについて、2人が持論を展開しています。

どこまでが同世代!?

斎藤:今回は世代についてということだけど、まずシニアという言葉ってそんなにイメージ悪いかな?シニアコンサルタントという表現もあるし、どちらかというとハイグレードな印象もあるように思うんだけど。

高本:
感じ方には男女差があるような気もします。

斎藤:男女差?

高本:そうですね。少なくとも私はあまり言われたくないですね(笑)

斎藤:そうなんだね。私はあまりネガティブな印象はないんだよね。

高本:シニアという言葉もそうなのですが、自分は何世代なのかって難しくないですか。一体、どこからどこまでが同世代なのか・・・。例えば55歳で役職定年を迎える方が、自社で60歳の先輩を見て同世代と思うかどうかというと、人それぞれだと思うんですよね。
一般的なくくりでいうと55歳も60歳も同世代っぽいですが、個人的には、「あの人みたいになりたいな」とか「ちょっとあの人みたいにはなりたくないな・・・」と思いながら、少し先の姿として60歳の先輩を見る人が多いように感じています。
その方にとっては5歳年上の先輩を自分と同世代とは思っていない気がします。5歳違うと一つ上の世代、もっと言うなら1歳年上でも自分と同じ世代とは思っていないんじゃないかなと思います。

斎藤:わかる!!50代の方の転職支援をする中で、ほとんどの方が60代以降も働きたいという気持ちを持ってる。今は法令上で「60代以降は嘱託社員で65歳まで、双方合意の元1年更新で継続可」ということが定められてるんだけど、実際に自社の先輩を見た時に、60歳で辞めちゃったり継続雇用されてないという現実に不安を感じて、54歳・55歳のタイミングで、60歳以降の雇用が確実なところに移りたいという転職相談を受けるケースがすごく多い。つまり55歳前後の方にとって、60歳はもう一つ上の次のステージとして見ているんだと思う。

高本: 私がよくご相談を受けるのは、55歳と58歳ですね。役職定年間近と定年退職間近の方々。その年齢の方は、それこそ今後のことを考えていらっしゃいますね。今の会社に残ろうかな、それとも転職しようかな、自分で起業しようかなとか、本当にいろいろ考えて悩んでいます。バイトしようかなという方もいらっしゃいます。

斎藤:企業に勤めている55歳の方の場合、少なくともその先5年間は一応雇用の約束はされているわけだよね。そこから、場合によっては雇用を継続できるかもしれないし、継続できないかもしれないということなんだけど、その55歳というタイミングで60歳以降の安定を求めるというのがとても興味深い。

高本:そう考えると、やっぱり55歳の方は5歳上の60歳の先輩を同世代としては見てないですよね。LINK事業部には20代から50代のメンバーがいて、28歳と32歳のジェネレーションギャップの話が出たりしますが、私にとっては正直どちらもほぼ一緒で大差なしです(笑)でも本人たちには大きな違いを感じることがあるのでしょうね。同じように、50代の方々も60代はあくまでも一つ上の世代の先輩なんでしょうね。

斎藤:50代60代の皆さんをシニアとして一括りにすることで大枠は分かりやすいかもしれないけど、ちょっと乱暴かもしれないね。本当は皆さんもっと細やかな違いがあるんだろうね。

置かれた環境によっても世代感覚は変わる

髙本:私の場合、複業で自社以外のメンバーとも仕事をしているので、私の感覚ではなんとなく自分の年齢とプラマイ5歳ぐらいが、同世代な感じです。今でいうアラフォー、アラフィフ、アラ還っていうんですかね(笑)
例えばアラ還っていうのは55~65歳前後かなというイメージで見ています。一方で不思議なもので、プラマイ5歳の差を同世代と感じていても、同じ会社で同じようにキャリアを積んでいる人に限っては10歳以上年下のメンバーでもこっち側、「大人チーム」かなと思っちゃう。
だから世代のくくりや捉え方というもの、きっとその環境によって違うんだろうなと思います。

斎藤:さっきの55歳は60歳の先輩を次の世代だと思っているという話と、今の環境の話で思ったんだけど、私はもうすぐ50歳という年齢なんだけど、実は60代はそんなに遠い存在じゃないと思っているんだよね。
その理由って、友達が少ないというのもあって、私の中の社会的なフィールドって会社しかなくて、その会社の中では自分はどちらかというと社歴も年齢もかなり上に位置するんだよね。自分の子供みたいな年齢のメンバーがいて、自分より若い人しかいないじゃん(笑)だから自分自身はシニアのイメージ。

高本:まぁうちの会社は特にそうですね(笑)

斎藤:そう。たださっきも言ったように、シニアという言葉に対してネガティブな印象は特にないんだよね。だから自分の所属する環境の中での立ち位置によって、シニアと感じたりミドルと感じたり、場合によってはまだ若手ということもあるかもしれないよね。でもなぜか皆世代を2つに分けたがるよね(笑)この人は向こうの人、この人はこっち側の人みたいな感じがあるんでしょ。

高本:川があるんですよね。知らないうちに流れてますよね、世代の川が(笑)

斎藤:しかも向こうとこっちの二つしか岸がないの(笑)若手かミドルか、ミドルかシニアか。

高本:本当ですね。なぜなんですかね。改めて考えると若手とミドルの中間層とかもあっていいですよね。

斎藤:そうだと思うんだけど。2つというのが分かりやすいのかもね。

高木:キャリアとしては10年以上積んでいる30代後半ぐらいから40代前半ぐらいの方達って、自分は若手なの?ベテランなの?どっちなの?っていうのあるかもしれませんよね。
ベンチャー企業のように若い方が多い環境にいれば、キャリアとしては先輩になって仕事もノリにノッていると思いますし、もう自分はベテランで上の方になったなと思いそうです。一方で皆が定年まで40年働く世界の中で、30代後半でまだ10年そこそこのキャリアですとなったら、あなたはベテランではないですよねということになりそうですね。

斎藤:そういう40代前後の方の思考って話題にのぼりづらいというか、若手でもないしシニアとも言えない層。ミドル向けの転職支援もあるにはあるけど、ミドルっていうのがすごく抽象的で曖昧なカテゴリーだから、語られないことが多いのかなと思う。年齢的にはミドルなんだろうけど、キャリア的に若手になったり、ベテランになったり。

20代の経営者もいれば、40代で後輩がいない人もいる時代

髙本:うちの会社の場合、ここ数年中途採用で20代もどんどん入ってきているので、40代のメンバーは結構ベテランという印象なんですが、40代の知人の会社は新卒採用をしていなくて、プロパーでは自分が一番下で、可愛がられてもいるけど役職も無いし雑用も回ってくると言っています。40代ぐらいの方って会社によって扱われ方も全然違うんじゃないかなと思います。

斎藤:昔はすごく分かりやすかったんだよ。多分年齢とともにポジションも上がっていくし、役職も付いてくるっていう感じで。

高本:係長、課長とかですね。

斎藤:そう。だから自分の立ち位置が分かりやすかったんだよね。

髙本:今はすごく分かりにくいなって思います。ミドル向けの転職支援なども、我々人材会社はある程度年齢を区切ってPRしたほうがやりやすいのでそういう風に訴求しているけれど、本当は別にそこじゃない気もします。なんていうか、、誰がミドルですか?みたいな(笑)

斎藤:「自分はミドルです」って言える人はいないよね。

高本:言わないですね。20代の方は「若手ポテンシャルです」と自分で言う方もいますが、30代や40代の方が「自分ミドル」ですってあまり無いですもんね。「ベテランです」も敢えて言わないし。それが若手かシニアかの2つしかないとおかしいですよね。

斎藤:自分、今度ミドルアピールをしてみようかな。急にミドル(笑)

高本:世代カテゴライズっておもしろいですね。昔は階段が本当に10段位あって、それを登ったらようやく経営陣になれるというコースだったのが、今は階段2、3段上がると経営陣になっちゃうという環境も増えていると思います。

斎藤:そういう環境では年齢とか役職ではないよね。年齢だけで見ると30代後半はミドルかもしれないけど、当社でも10年近く働いていてマネージャーもやっている30代後半のメンバーはもうベテランでいいんじゃないかと思う。

髙本:面白いですね!私の感覚ですが、昔は会社に20年、30年の勤務している50代、40代の方と話すのはすごく緊張していましたね。部長にこんな事聞いていいんだろうか。それこそトイレの場所とか聞けない(笑)。
でも今は40、50代でも若手からすると先輩だとは思ってるかもしれないけど、すごく怖くて緊張する存在ではなくなっている気がしています。これは時代の変化なのか・・・。はたまた私自身の話なのか・・・。

斎藤:自分たちの威厳がないのか、若手が気にしてないのか(笑)

高本:本当、単純にZ世代が全く気にしていないのか、逆に我々世代が今まで締め付けられて嫌だなと思ってきたから、自分はそういう上司になりたくない!と思って若手のところまで降りてきているのか。それを見て真ん中の30代の方たちは若手Z世代の下と、シニアY世代の上の両方を見ていてどう思ってるんだろう、どうなりたいんだろうと思ったりします(笑)

斎藤:なんか本当に、世代というのはこれまで年齢ベースでカテゴライズされてきたけど、今の環境ではかなりその境目が曖昧になってきているよね。前回話したSNSだって、すごく使いこなしているシニアの方もいるしね。って、シニアって良くないんだっけ(笑)!?あー、難しい。

髙本:今回は年齢とキャリアの話が混在してしまいましたが、もう少し深く話してみたいですね。飲みの席などで!

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