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ジャムを自分で作ってみたら、豊かさを味わうことが出来た。ー手作りの提案ー

ついに緊急事態宣言も出され、世の中はさらに自粛の方向へ。なんだかだんだんと、息苦しさが増しているなと感じます。

僕自身は、元々一人で過ごす時間も長く、それほど大きく生活は変化していませんが、「誰かと過ごしていなくちゃなんだか不安。」「外で遊びたい。」という人にとっては、本当にしんどい時間が続いているのだろうなと思います。

でもそんなときだからこそ、あえて今までやってこなかったようなことを試してみませんか?という提案です。

この数週間、僕は様々なものを手作りしてみることにハマっています。
スーパーで買えばすぐに済むものでも、あえて手間暇かけて、自分の手で一から作ってみる。そんな経験は、今までにない豊かさを味あわせてくれるかもしれません。

今回はそんな「手作り」にまつわる、体験記のような、レシピのような文章を書いてみました。

「#おうち時間を工夫で楽しく」
こちらのお題に合わせて、誰かにとっての「おうち時間」を楽しくさせる工夫の一つになれば幸いです。


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先日初めてジャムを手作りしてみた。
使った果実はキウイ。
1年ほど前に果実酒を作ってみた際に用いたキウイを、ずっと漬けたままにしていたので、何かに利用出来ないかと調べてみた。すると、ジャムにすればアルコールも飛び、おいしくいただくことが出来ると書いてあったので、早速試してみた。

まずはキッチンの下に眠らせたままでいるキウイ酒の瓶を取り出す。漬けてから1年以上が経過するというのに、未だにお酒は残っている。「作ってみること」に満足してしまい、なかなか飲まずにいたら、いつのまにかこんなにも時がたってしまった。果たしてこれはまだ飲めるのだろうかと半信半疑でいる。

瓶の中には大量のキウイと少々のレモンが所狭しとお酒の中に浸かっている。瓶の蓋を開け、まずはお玉でそれらの果実を取り出す。アルコールに浸かっているから大丈夫と思いつつも、腐ってやしないかとやや恐る恐る引っ張り上げたところ、思っていた以上にまだ硬さも残っていて驚いた。

ジャム作りに取り掛かる前にまずはアルコールを飛ばす工程が必要らしい。取り出した果実をお鍋に入れ、たっぷりの水を注ぎ、沸騰させ、30分ほど弱火で煮る。特に見守る必要もなく、待っている間は暇なので、読書にふける。時間だけは忘れないように、スマホのアラームをかけておいた。

ー30分後ー

グツグツと泡が吹き出す鍋の中。果実は崩れることなく、表面からは少し泡を吹き出していた。アルコールが抜けていっているのだろうか?
一度火を止め、果実をザルに上げる。蒸気がもうもうと立ち込める。
次はこの果実を、ボウルに張った水に漬けて冷やす。時間はまたもや30分。要領は先程と同じ、アラームをかけ、読書に戻る。

ー30分後ー

十分に水に浸ったキウイとレモン。これらをまずは別々の皿に分けておこうと思い、手をボウルに入れると、水だったものがぬるめのお湯になっていた。果実にこもった熱がじんわりと水の中に広がっていくのを想像すると、なんだか不思議な気分になった。目には見えないけど、そこには確かに何らかの動きや流れがあった。

ここまでがアルコールを抜く作業。準備は完了した。
「さあ、ジャムを作り始めるぞ!」とやる気に満ち溢れ、服の袖をまくりあげたのもつかの間、スマホのレシピには次のような文章が書いてあった。

”煮詰める前に、果物に砂糖をふりかけて放置します”

「まだ待つんかい!!」
思わず突っ込んでしまった。どうやら煮詰める前に脱水させる必要があるらしい。なかなかジャムを作り始めるところまでいかず、時間がかかっているけれど、これこそが手作りならではの楽しみだと思った。結果がほしいだけならスーパーで購入すればいいだけの話。その作る過程、プロセスを楽しみたくてやっている。手間がかかる分、幸せに浸れる時間も長い。

砂糖の分量は、果実の50%の重さ。キウイだけを皿に分けて、秤に乗せると、290gの表記。つまり砂糖の量は145gが必要。これを実際に入れてみるとなかなかな量で、やはりかなりの砂糖を使うのだなと感じた。
お皿の中には、キウイと、山盛りになった砂糖。これだけを見ると、いかにも体に悪そうだけれど、これからジャムに変わるんだと思ったら少し心がワクワクした。レモンも同じように砂糖をまぶし、水分が出るのを待つ。

ー1時間後ー

ここまで来るのに既に2時間以上が経過している。ジャム作りを始めるまでは、煮詰めるのに時間がかかるというイメージだったけれど、実際にはその下ごしらえのほうが時間がかかる。今回はアルコールを抜く作業があったため、通常よりは時間がかかっているのだろうとは思うが、一から作る場合でも、皮を剥く作業などがあるため、結局の所下ごしらえには時間がかかる。

砂糖をまぶし、放置したキウイとレモンからは、水を注ぎ入れたのかと錯覚してしまいそうなぐらいに、たっぷりの水分が染み出していた。
ようやく全ての準備が完了したため、鍋に移す。まずはキウイから、「果実・砂糖・染み出した水分」これら全てを鍋の中に放り込んだ。
使った鍋はステンレス素材のもの。本当はホーローの鍋の方がジャム作りには適しているそうなのだが、あいにく家にはなかった。ちなみに、アルミ製のものは、果実の成分と化学反応が起きてしまうため、避けたほうが良いらしい。

ここからは簡単。あとは火を点けて、温めながら中身をかき混ぜていけばいい。はじめは中火ぐらい。すぐにグツグツと沸騰しだすので、弱火に変えて、焦げないように混ぜていく。グルグルと木べらでかき混ぜながら、ときおり果実をギュッギュッと押しつぶしていく。はじめのうちはなかなか固まらないように見え、やや不安にもなったけれど、10分ほどたったあたりから徐々に固まり始めた。液体だったものがだんだんと固まっていく様子は見ていて楽しい。「ああ、本当に自分は今、ジャムを作っているんだな」と、ここに来てようやく感動が訪れ始めた。
しかし、完成するイメージが湧いてきたところで、次はいつ火を止めるべきなのかがわからない。「これはどこまで煮詰めるべきなの!?煮詰め過ぎたらどうなるの!?」と焦る。するとある一定のラインを超えると、本当に急激に固まり始めた。これはまずいと思い、急いで最後の処理として、レモン汁を加える。その後30秒ほどで火を止め、アツアツのうちに、用意していた保存便に移していった。

「出来た…。」
最後まで作り切ることが出来たということへの安心感から、ほっと、ため息を一つ吐く。木べらに張り付いたジャムのかけらを手に取り、ひとなめすると、甘くほのかにキウイの香りが鼻を通り抜けた。

「ちゃんとジャムになってる。」

達成感と驚きを含んだ言葉がつい口からこぼれ出た。
少し煮詰めすぎてしまったので、固くなってしまってないかと不安にもなったけれど、それは一度冷やして明日食べてみるまでのお楽しみだった。
もちろん、続けてレモンも煮詰めて、ジャムにした。
それぞれ完成したジャムを瓶に詰め、記念写真を撮る。

これまでの23年の人生の中で、初めてジャムを手作りした。
スーパーで購入すればほんの1分。
手作りすれば、3時間ほど。
それでも、時間では測れない、確かな満足感がそこにはあった。


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【記念の一枚】

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ここまで読んでくださりありがとうございました。

こちらのジャム作りは以下のサイトを参考にしました。

ちなみに、果実酒作りもとても楽しいのでおすすめです。ぜひやってみてください。


ではでは。


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