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その症状、無意識さんからのメッセージかもしれませんよ

久しぶりに、
僕の体験としての診察室ストーリーを、
シェアさせてもらいましょう。
僕の仮想の物語だと思ってください。

昨日の診察室に来られた方、
この方は、長年のうつで、
様々な抗うつ剤による治療にも関わらず、
なかなか良くならないということで、
数年前にRここへ、転院されてきました。

お子さんが3人いて、パートのお仕事もされ、
主婦もされ、頑張っているのですが、
身体がほとんどいうことを聞いてくれない。

朝なんとか起きて、朝の家事は、なんとかするけど、
子どもさんご主人を送り出すと、もう、強い倦怠感でダウンし、
バタンキューで長時間スリープモードへ。

うつ病の睡眠障害では、不眠がほぼ必発ですが、
若い人や、非定型に、過眠症状で出る人もいる。
お仕事も、体調によってお休みすることばかり。

でも、持ち前の愛嬌みたいなものがあって、
いい人をひきつけ、ご家族や職場の助けに恵まれる才があるようですが、
自分では、迷惑かける自分、できない自分を責めて、
ぐるぐると自己否定、自己嫌悪ばかり考えてしまう。

お話を聞いていると、家事やお仕事の時間配分や、
優先順位がかなりおかしくて、
何事にもおっちょこちょいで、やり直しをしたり、
別のことをしていたりして、効率がめちゃくちゃ悪く、

どうも、子供の頃からADHD的な体質があって、
周りと同じようにできない自分に、
自己肯定感や自己効力感が落ちて、
それが続くうちに、セロトニン調整機能がダウンし、
うつ状態に陥っているように、僕には思えました。

治療には積極的で、
さまざまなタイプの治療薬を頑張ってみたいということで、
ありとあらゆる向精神薬やADHD治療薬はもちろん、
さまざまな漢方薬、ビタミン、鉄剤、オメガ3、、、
ありとあらゆる可能性を試みていきましたが、
やっぱり、いまいち反応性が乏しい。

タスク管理を工夫したり、家族の協力を得たり、
栄養療法やサプリを試みたり、
生活や習慣を点検し、工夫はないかと、
一緒に作戦会議をしてきましたが、

なんせ、その作戦自体を、忘れてしまう(笑)
というか、そもそも、、、
通院日を忘れているし!(笑)

帰ってからすぐに予約日をカレンダーに書く、
アプリやリマインダーを使う、
わかりやすい来院日を設定する、
とか、そこから作戦会議をするような感じ。

体調不良で動けず、来れない日も多いので、
予約どおりに来れる時のほうが珍しく、
予約どおりに来れただけで、
いつも喜んでいたのでした。

それでもちゃんと、何年か通院を継続されているうちに、
徐々にそんな自分も責めなくなっていて、
必要以上にうつにならなくはなってきました。

ほんと、通院精神療法セッションとは、
一回一回は短い時間だし、特別なことをするわけじゃなくても、
お稽古事やフィットネストレーニングと、似ていて、
続けていくことで、ご自身を振り返り、姿勢が変わってきたり、
ご自身の回復力が調整されていくもののように思います。


さてさて、前置きが長くなりましたが、
ここからが本題。

昨日はその人、またまた予約日を大幅に遅れて、
久しぶりに来院されたのです。

最近やっぱり不調が続いていて、
眠気と怠さがとんでもなく強くて、
昼も夜も、ずーっと寝ていて、家事や用事ができず、
なのに、あれもしなきゃ、これもしなきゃ、ばかり、
頭の中は忙しく、ぐるぐる自分責めが始まってしまうようです。

僕の治療の選択肢も出し尽くしているし、
なにかできるわけでもないのに、
わざわざ頑張って来てくださったのが嬉しく、
また一緒に、日々の点検と作戦を考える時間にしました。

この日は、たまたま別の予約キャンセルもあって、
少し時間が取れそうだったので、
ふと思いついて、プチ退行催眠ワークをしてみることを、
思いつきました。

とにかく眠くて怠い、
その症状さんの起源、
それは無意識的に、
自分の救いになるように働いてくれた、
そんな設定をしたかもしれない、最初の記憶。

症状の感覚にフォーカスして、
時計の針をぐーるぐる、逆回転。
それを最初に感じた年齢で、
時計の針は、自然に止まります。

もっと、もっと、前です、
記憶を思い出すのではなく、
なんか浮かんでくる場面、、

時計の針が止まったようです。

(何歳ですか?)

・・・5歳・・

(どんな様子ですか?)

・・遊んでいます。
・・・走り回って。
すごく元気。。
・・疲れたら寝ます。
寝るのがすごく好き。

(あれ? 大抵は辛かった場面が出るけどな。。
 元気に走り回っている場面が出るのが、
 この人らしいww)

(思う存分、遊んで、走って、寝て、おもいっきり十分、満足させてあげたら教えて下さい)

詳細は省略しますが、トランス空間の中で、
社会的役割を担う前の、本来の器質で生きる自分を、
おもいっきり満足させる体験をされたようで、
診察室に戻ったときには、
目がイキイキされていました。

どんな体験でしたか? と、聞いてみると、

すごく満足した、充実した感じです。
そう言えば、好きなこと、してないな、
と、なんか、いまふと、思いました。

何が好きなことか、
わからないけど、、
ネイルに行って気分変えたりは、
するんですけどね、、

世間の好きじゃなくて、
子どもの自分の好き、は?

あ、寝ることが、もともと好き!
走り回って、遊んで、疲れたら寝る。

無意識さんは、あれもしなきゃこれもしなきゃ、を止めて、本当に自分の好きなこと、したいことをしてもらうように、助けてくれてる?

あー、たしかに、すごく寝るけど、
それじゃダメだって、罪悪感がありました。
好きなことしてたんですね。

もっと、子どもの自分を満足させるよう、
思う存分、寝てみます(笑)

と、楽しそうに、診察室を後にされたのでした。

いやー、なんか、感動しましたね。
その過眠と強制終了の症状、実はほんとは一番したかった、好きなことだったなんて、気が付かれたのです。

僕がそんなふうに誘導できるわけではないです。
念の為、行っておきますが、これを読んで、私も催眠してください、と言われても、できませんからね(笑)

この方だけの、体験と気づき。
その後、症状は良くなるのか良くないのか、
僕にはわかりませんし、
また、なんやかんや続いていくのだと思います。
そうやって、なんやかんやで、
一緒にやっていく感じの日々なのでした (^^)




















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