見出し画像

逃げ恥に見る自尊感情ギャップ問題の和解

先週、特別編の再放送が終わって、
TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」
また、ちょっと話題になっていましたね。

僕にしては珍しく、
社会現象に乗っかって、
大ハマリしたドラマシリーズ。

当時は恋ダンスを練習して、
原作コミックも全巻揃えたほど(笑)
僕の自分史年表に刻まれるドラマ。

そして、いま観ても、
やっぱりダントツに面白い!

ちょっと観るだけのつもりが、
TVerアプリで、全話観てしまった。
しばらくは無料視聴できそうですよ。


一番好きなところは、
もちろん、圧倒的ムズキュン感なのですが、、、
それは、まぁ、お見苦しいでしょうから(笑)
自分だけで堪能するとして、ここでは語らずに、
それ以外の好きなところを語ります。

よくできたラブコメ、だけではないです。
主人公みくりさんは、いちおう臨床心理士という設定で、心理社会的視点が盛りだくさん。

日常場面でのハッとする台詞が切り取られて、
契約結婚ならありかも?、労働としての家事とは?、人から求められる居場所とは?、雇用契約と公私混同とは、ハラスメントと信頼とは、本音の自己開示とは、などなど、数え上げたらきりがない、

そんな濃厚なテーマを、かるーく、
コメディータッチにさらっと俯瞰して描かれている感じがいい。

その場面だけで、いくつも小論文が書けそうな
多層的なテーマが背後に流れているのが見え隠れして、
知的好奇心を刺激されて、ワクワクが広がるのです。


そんな盛りだくさんの中で、ムズキュンの次に好きなテーマは、
自尊感情の高低差にまつわるドラマです。

みくりさんと平匡(ひらまさ)さんとの自尊感情の高低差抗争が、
メインに描かれているのですが、

それ以外にも特に好きな場面は、
恋愛について自尊感情が格別に低い、プロの独身、平匡さんと、
モテモテで自尊感情がめちゃ高い、イケメン風見さんとが、
ぶつかるシーン。

平匡さんと風見さん

奥手で積極的になれない平匡さんは、
クールな風見さんに嫉妬して、「僕はあなたとは違うんです!」
と、逆ギレして、風見さんを傷つけてしまいます。

風見さんは、学生の時から、こんな風に、
自尊心の低い人が自爆して、関係を拒絶されるという、
傷つきの再体験がフラッシュバックして、

僕が何をしたんだ、何ができたんだ、
という未完了感情があることを、
平匡さんに聴こえるように、
さり気なく告白します。


僕は、意気地なしで、弱気で、不器用で、控えめで、
自己否定する平匡さんの方に一方的に感情移入して、
平匡さん、がんばれー、と思っていたのですが、

そうなんだ、

弱さ、自己否定、遠慮、抑圧、被害者意識が、
どれほど周囲の人を傷つけ、攻撃しているのか、

自分側の感情ばっかりに圧倒されていて、
相手の気持ちなんて、なんも考えてなかったな、と、
視座が反転して、ハッと、させられるのです。

多くの人が、遠慮、謙虚、謙遜が、
日本的な美意識だ、という価値観ではないでしょうか。

それが独りよがりな自己否定になって、
周りを見えなくして、
知らずに相手の気持ちを踏みにじっていることがあるかもしれませんよね。

そして、自尊心っていうのは、誰もがうつろい、いつでも瞬時に逆転しうるもの。
お互い気をつけよう、自己否定。
お互い分かち合おう、自己否定。

逃げ恥談義は、語りだしたら、
とまりませんので、今日はこれくらいで~。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?