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事件は診察室で起きてるんじゃない、睡眠中に起きているんだ

強い意志の力で、進歩するものでもない

時代は便利になってYouTubeやオンラインサロンで、
新しいことを学ぶことが圧倒的に簡単になって、
なんでもわかって、楽しいのです。

いっぱい情報を入れて、知的好奇心は満たされて、
テンション上がって、なんかすごい学んだ気になって、
賢くなった気になっています、、、が!

ふと気がついてみると、なんか自分~、
相変わらず、なんの進歩もないじゃないかぁー、、
と、ちょっと悲しくなることがあります。

自分がなにか分かった気になっているのは、
実は一時的なドーパミン的な高揚感であって、

必要な情報は、必要な分だけ学習され、
キャパオーバーしてる情報は勝手に忘れるので、
あまり学びとして身についていないのだとしたら。

いくら興味を持って、強い意思で先を急いでも、
人の学びと進歩のペースは、
一足飛びに進むものではないのかもしれない。

人の学習力や知恵の発達には限界があるのか、
別の法則みたいなものが、働いているのか?
そのガキを握っている要素は、なんだろう。

もしかしたら、それが睡眠の働きかもしれない。
そう思うと、なんか、色々と辻褄があうし、
腑に落ちるのです。

睡眠中の脳のすごい働き

自分が変われないのも、変われる時も、
こころの傷が癒えるのも、悩みが解決するのも、
それをしてくれているのは、自分の意識ではなくて、
睡眠の仕事の方なのではないか、と思えてきました。

最近の画像研究や動物研究の進歩で、
昼間に受け取った情報は、睡眠中の働きで取捨選択され、
長期記憶に学習されていくという仮説が、
実際に脳部位や機能が特定され、どんどん解明されているといいます。

精神療法やサイコセラピーが効果を発揮し、
脳の情報処理を働かせてくれているのも、
実は診察室の場面ではなく、
夜間の睡眠中に行われていることではなかろうか。

意識して自分を変えようと思っている者ほど、変化が起こりにくいという、
パールズの言う変容の逆説的理論も、森田正馬の言うとらわれの理論も、

覚醒意識ばかり活性化し、睡眠中の脳の学習機能が
おろそかになってしまうためだと考えたら、納得がいく。

衝撃的な出来事に合って傷ついたこころも、
健康な状態では、時間が立つにつれ、
過去の出来事として、古い記憶に色あせていく。

つまり、時間が解決する。

それは、良質な睡眠サイクルを重ねることによって、
神経回路の刈り込みが起こり、体験は再評価され、
また前向きな意欲を取り戻すための情報処理装置が、
人の睡眠には備わっているからだ、とも言えると思う。

寝ている間にも脳はちゃんと働いていて、
こころの傷となっている記憶や感情は洗い流し、
前に進むために必要な情報に書き換えて学習してくれるのではないか、

そう思うと、睡眠の働きって、
ほんとにすごいとおもいませんか!

夢と心理療法の関係

REM睡眠中に見ていると言われる夢は、
未消化となっていた感情と記憶を、
神経ネットワーク上に再体験させて、

なんとかもう一度つなぎ合わせて、
脳が適応的に情報処理をしようとした際の、
断片的な映像イメージであるかもしれません。

ユング派の分析心理学で行われる伝統的な夢分析は、
意識の上には置いておけなかった未消化な体験を、
夢の中で再演された物語として読み解き、

覚醒意識からこぼれ落ちていた感覚体験を、
もう一度ひろって、つなぎ合わせ、
個人の歴史へと再統合されるのを補助する
サイコセラピー、ということができると思います。

そして、シャピロの革新的なトラウマ治療、EMDRの発見。
EMDRは、左右の素早い眼球運動を使って、右脳と左脳を交互刺激し、
REM睡眠中の夢を処理する脳のしくみを活性していると言われます。

記憶の情報処理が起きやすい状態にして、
外傷記憶のイメージや認知、感情、身体感覚情報をつなぎ合わせ、
記憶情報の脱感作と適応的な再処理を促進しているという仮説。

古くからの臨床的知見と、脳科学研究が、
つながってくるような気がします。

睡眠中の脳のすごい働き

睡眠の治癒力を高めるには

自分を変えたり、問題を解決するための現場は、
日中の頑張りや、診察室で起きているのではなく、
睡眠中に起きてるんだとしたら。

じゃあ、どうしたらいいんだ?
何もせずに寝てろってこと?!
そもそも、考え過ぎて眠れんのじゃー!

と、なる人もいるかも知れません。

それ。
それです。

それが、覚醒時の処理モードが、活性化し過ぎて、
睡眠時の処理モードがうまく使えていない時の自分、
かもしれないということに、
まずは気が付いてみるのはどうでしょう。

このような過覚醒の状態だと、
どうしたらといいかと問題思考にハマり、
焦るばかりで、ぐるぐる思考になってしまします。

睡眠中の処理の残骸が、夢だとしたら、
覚醒時での情報処理がオーバーフローしたものが、
ぐるぐる思考(反芻思考)や、
白昼夢(侵入想起による再体験)かもしれない。

物思いにふけって、時間が立つのを忘れ、
フリーズしてた~、どっか行ってた~、って時、
夢の中にいるのと同じようなもの。

ぐるぐる思考の状態では、なんの解決にもならず、
不毛な時間が過ぎていくだけなのは、
自分でもどこかわかっている、、
ハッと、夢から覚める必要があるのです。

けれど、不思議なことに、またハマっていて、
自分の力では、思考を止めれない。
止めようとしても、止めようとする意識が
覚醒モードを高ぶらせ、過覚醒になるから。。

ぐるぐる思考をゆるめるには

なので、
あ、また、ぐるぐる思考になってた、
いま自分、過覚醒の脳の状態だな、
と自分で自分を振り返ることから、
練習してみるのがよいかもしれません。

ぐるぐる思考って、なかなか止まらない、
どうにかしたいけど、どうにもならない、

でも、ほんとうにいい加減、この思考は、もうやめたい!
でも、やっぱり自分ではどうすることもできーん、、!

そこまで行き着くと、また別のことが見えてくるかもしれません。
いったん降参しきってしまうことが、むしろ突破口になる。

ほんとに必要なのは、睡眠だったり、酸素だったり、水分だったり、温かさだったり、栄養だったり、お風呂だったり、運動だったり、笑いだったり、、、するかもしれませんよ。

それでも、どうにも湧いてくる思考が止まらない時は、、
書き出しておいて、後で誰か安心できる人に、
聞いてもらうこともおすすめです。

それは、解決しようと過覚醒になって、
次から次に情報をインプットするのではなく、
アウトプットに反転してみることになりますので、
脳のモードはいつのまにか、切り替わっています。

いやー、偉そうに言っていますが、
ほんとに、僕自身も、ぐるぐる思考に白昼夢、、、

やめられないとまらない~♪、なんですよね(^^;
そんな時は、僕も誰かに聞いてもらうようにしていますよ。
そしてnoteにアウトプットしてみたりしています。

身近に話せる人が思いつかない場合には、
お話を聞いてもらえる公的機関や民間機関を、
頼って見るのも良いと思います。


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