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ある若者を通して見せてくれる私たちのこと

不登校、引きこもり、
アパシー、ニート、、

何やら聞こえの悪い呼ばれ方で、
無気力に見える現代若者、

どういうご縁か、
心療内科に通っている人もいます。

そんな若者のお話を聞いていて、

なるほどなーーー!

と、妙に共感したことがあったので、
ちょっとシェアしたくなりました。

最初、心療内科に相談になる場合は、
引きこもりや不登校の当の本人ではなくて、
ほぼ100%、親さんが困って、焦燥状態になって、
相談に来られるケースが、ほとんどです。

いやいや、本人が一番、困ってるんですー!
と、言って連れてこられたりしますが、

たまに当の本人がきてくれる子は、
ほんとに優しくて、
困っている親や先生のために、

しょーがないな、まぁそういうことにするか、
という感じの、なんとも言えない表情で、
診察室にちょこんとしていますね。

でも、ご家族の心境もよくわかります。

まだまだ、若くてピチピチの肌と、
柔らかくてなんでも吸収できる大脳と、
有り余るエネルギーも利用可能な身体機能、
膨大な時間や、喜びを体験できるハイスペックを、
ふんだんに持て余しているにもかかわらずーー、

それを使わない。

というのは、

そばにいているだけで、
ムズムズ、ムカムカっと
むしょーーーに、落ち着かないものです。

特に、周りが前向きに頑張って、
忙しくしていればしているほどそうで、
これは比例しています。

病院で、幸か不幸か、
何か「病気」が見つかれば、
薬物療法や医学的治療のノウハウで、
助けになることもあるのですが、

多くの場合は、
疾患として取り除く、という原因結果論的発想で、
解決できる実体はみつからないことが多いのです。

何か取り除ける具体的な実体がないのに、
めちゃくちゃ苦しいというのが、
こころの苦悩ですね。

親も先生もお医者さんも、
ああでもない、こうでもないと空回りして、
あたふたと悩むばかり。。

まぁ、そのへんの話は長くなるので、
前置きはこれくらいにして。


で、その若者のお話を聞いていて、
なるほどなー、と思ったというのは、

自分がしなくても、
してくれるからしない。

本当に必要な時は、めんどくさくても自分で動くけど、
たいてい待っていたら解決するから、
何もする必要がない。

という考え方です。

これ、僕もすごくわかるなー、
確かに、そうだよな、と思ったのです。

僕も自分から手をあげなくて済むのなら、
絶対、手を挙げたくないタイプです。

教室でも、道端のゴミでも、町内会でも、
人権問題でも、政治活動でも、
誰かがなんかやってくれるのを待って、
それを眺めて、おこぼれに預かっています。

手をあげて矢面に立ってくれた人は、
ほんとにありがたい存在のはずなのですが、
感謝どころか、時には、
評価したり、文句を言ったりしてしまいます。

自分は手を出さず、偉そうなことを言って、
全く、恥ずかしいですよね。

そして、
おんなじなんだなー、
と思っていると、僕たちも、

大きな可能性や能力が有り余っているにも関わらず、
そのスペックを発揮させずに持て余して、
くすぶっている存在ではないか、と、

ハッと、するのです。

見せてくれる問題は、ほんとに、
自分の課題をうつし出す鏡のようですね。


ん、待てよ、

でも、こうやって、
誰かがなんとかしてくれるだろー♪

って、気楽にできる自分って、
恥ずかしい存在なのか?

まだまだ自分で、
問題を映し出しているようです。

そうやって、場にゆだねて、
じっと待てるということは、、

何かに守られて、
安心させてもらえている時だな、
とも思えてきました。

自力で下手な悪あがきをするのではなく、
何か大きなものに委ねる心境、
お釈迦さまがたどり着いたみたいな?

世界に身を任せてゆだねる、
平和への絶対的信頼、

人がこころのうちに持っている、
基本的安心感の発露。

そんな子は、
親や学校や先生や世界を信頼で感じ、
すごく大きな安心安全に包まれて、

なにか成し得ることで測られる価値ではない、
人、本来の命の意味を体現しているのかもしれない。

衣食住の満ち足りた現代で、
生きる意欲とは何か、わからなくなって、
頑張ることで誤魔化すしかできない僕たちは、

そんな新しい人たちの完全さを、
やっぱり受け入れることができずにいて、
恐れているは、私たちの方ではなかろうか。。。


ふーーー、、

この子たちって、
すごいものを見せてくれている。
自然に敬意が湧いてきたのです。


主体性がない、
何もしようとしない、
興味も意欲もないのか、

と、大人たちが嘆く若者たちは、
ほんとは、
僕たちそのものの姿を照らし出し、
おかしくなってしまった僕たちの世の中で、

真っ向から異議申し立てをしている、
めちゃくちゃ根性の入った存在だったりする、
のかもしれない、、

大人はすぐそうやって、
勝手なストーリーをつけたがるから、ヤなんだ、
とまた、叱られそうですね(笑)

そんな、勝手な妄想をしたりして、
相変わらず、退屈しない毎日なのでした。



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