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コロナ禍以降の体育会系学生の就職についての一考察と、アスリート就職支援「1.5キャリア」について


はじめに

私がGMとしてチーム運営に関わるアメリカンフットボールクラブ「ブルザイズ」は、2022年から、同じ品川駅港南口エリアを拠点とする株式会社品川カルチャークラブ(以下、品川CC)と連携し、「地域総合スポーツクラブ」として活動を加速させています。

サッカー、3x3バスケ、チア、アメリカンフットボールという4つの異なるスポーツが融合したこのクラブに参加することで、これまで知らなかったこと、気づかなかったこと、課題を様々な経験を通して学ぶことができ、非常に勉強になっています。

その取り組みの一つとして、就職・転職で悩んでいるアスリートを全力で応援する就職支援「1.5キャリア」があります。この活動を通じて、私なりに考えたことをまとめました。

コロナ禍が大学アメリカンフットボール部員数減少に与えた影響

私たちアメリカンフットボール界の状況を題材に考察してみます。

2020年初頭、世界を襲ったコロナウイルス感染症(COVID-19)は、大学スポーツ界にも大きな影響を与えました。2020年4月に入学した大学生は入学式や授業への参加が制限され、大学生活のスタートが阻害されました。

新入生にとって、入学式からGW前は授業選択と並行して大学生活を費やす部活・サークルを選ぶ重要な時期です。各部活・サークルにとっても、この時期の勧誘活動は組織運営に大きく影響するため、多くのリソースを投入して獲得に取り組みます。

しかし、2020年は対面での勧誘活動が全くできませんでした。特にアメリカンフットボールは、ルールの説明、実際の練習参加による体験会、怪我等のリスクへの説明、授業との両立等、1年生が入部するまでに多くの確認事項があります。ZOOM等のカンファレンスツールを使って会話しても、十分な勧誘活動はできなかったと考えられます。

これが、以下の図のような状況を生み出していると考えられます。

アメリカンフットボールは、攻守それぞれ11ポジション、合計22ポジション(キッカー、パンターを含む)が存在し、各ポジションに専門特化するスポーツです。

東西の1部のトップ大学では、各ポジションに対して1学年毎に1名部員を確保できる傾向があります。つまり、4学年で約90名の選手がいることになります。しかし、これほど恵まれた人数を確保できるのは稀で、コロナ前でも2部・3部校ではほぼあり得ず、実際は1学年11人いれば良い方という状況でした。44名いれば、各ポジションにスターター(レギュラー)1名と控え1名の布陣を組むことができます。

しかし、コロナ禍の影響により、2020年は十分な勧誘活動ができず、1学年の選手獲得が例年の半分程度というチームも多かったようです。44人の部員を有する対戦相手が、戦術的にも、疲労回復のためにも各控え選手と交代できる一方、攻守両方出場し続けなければならないチームは、戦術的な対応が難しく、疲労困憊となります。

結果的に試合に勝てなくなり、面白さを感じられなくなります。さらに、人数が少ないと疲労度が高くなり、怪我をしていてもチームのために出場し続けなければならないという状況に陥り、辛さばかりが目立つようになります。勝てないチームは新入生にとって魅力がなく、翌年以降も入部人数が減少していきます。

このような傾向を受けて、2・3部では元々40人強いたチームが、現在部員数20人程度まで減少しているケースがあると認識しています。

就職活動と部活動の両立を迫られる4年生

このような状況は、本来春から夏休み前にかけて就職活動を行う4年生にも影響を与えます。先ほどの図を例に説明すると、コロナ発生後20人程度にまで部員が減少したチームでは、4年生が就職活動で完全に抜けてしまうと1年生を加えても15人程度しかいなくなります。試合どころか練習もまともにできない状況に陥ります。結果、4年生は就職活動期間中も、かなりの時間、部活動にも時間を費やすことになります。

このような状況下では、4年生以下のような問題に直面する可能性があります。

就職活動への時間が足らない: 本来1学期の間または夏休み前まで就職活動に時間を割きたいが、部活動にも出るため、十分な時間が取れない。エントリーシート対策が進まない、面談対策ができない、OBに話を聞く時間が足らない。
内定取得の遅れ: 上記のような理由により、内定取得が遅れる。
希望企業への就職の難しさ: 希望企業から内定を得られず、とりあえず内定をもらった企業に入社する学生もいる。
入社後の不満足: 希望企業ではない会社に入社したため、入社後に不満を感じる。モヤモヤしたまま働き、転職先を探す。

また内定した企業に入社後も以下のような問題に直面する可能性があります。

入社後の不満足: 希望企業ではない会社に入社したため、入社後に不満を感じる。モヤモヤしたまま働く。
転職活動での苦戦:転職活動の困難: 社会人経験が浅いため、転職活動においても情報不足やノウハウ不足に悩む。
キャリアの不満足: 大学4年間をチームのために費やしながら、社会人生活において満足を得られない体育会系アスリートが一定数存在する。

新卒時同様、転職でも「こんなはずではなかった。」ということが起こりうるのです。

アメフト&体育会系4年生・転職希望者のために私たちができること

こうしたコロナ禍以降のアメリカンフットボール部員および体育会学生、さらには転職希望者のために、品川CCでは、
「アスリート就職支援1.5キャリア」powered by SHINAGAWACC
と銘打ち、就職・転職で悩んでいるアスリートを全力で応援しています。
具体的なスキームは下記図の通りです。

1.5キャリア HPより引用

HPには品川CCのサッカー、3x3の選手のキャリア形成についての動画が多数事例紹介されています。今後はこれにアメリカンフットボール関係者、およびそれ以外の体育会系学生、ビジネスパーソンの事例も加えていけるよう取り組んでいきたいと思います。

「アスリート就職支援1.5キャリア」の強みは、下記の通りです

アスリートの強みを理解している:1.5キャリアのスタッフは、アスリートの強みや特性を理解しており、個々のニーズに合わせたサポートを提供できます。
豊富なネットワーク:1.5キャリアは、アスリートの強みを活かせる企業とのネットワークを持ち、適切なマッチングを実現します。
個別相談:キャリアプランニングや面接対策など、就職・転職活動に必要な相談に対応します。
内定・入社までのサポート:内定から入社までの準備もサポートします。

品川CCの 1.5キャリアは、アスリートが自分らしいキャリアを築くための支援を積極的に行っています。もしこのキャリア支援にご関心がございましたら、一度お気軽にコンタクトください!


ブルザイズ選手・スタッフも様々な企業でビジネスとアメフトの両立に取り組んでいます

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