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どうなる米CPI?焦点は7月利上げ!|株・為替相場分析(2023年6月13日)

本日の動画ver.はこちらです。

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米CPIの結果によって7月の利上げが変わりうる

今夜は金融政策3会合の前哨戦、米CPIの発表を21:30に控えています。このCPIの結果によっては、アメリカの利上げ織り込みが十分に変わりうるので注意です。

具体的には、今月の6月会合の結果よりも7月会合の織り込みを重視していきます。6月はFRB当局者がブラックアウト期間(金融政策に関して発言ができない期間)に入っているため、本日のCPIの結果がとんでもなく上振れでもしない限り、6月は利上げ停止の公算が大きいです

しかし、7月の会合まではまだまだ日があるため、本日のCPIやこれから発表されるインフレ指標によっては十分織り込みが変わる可能性があります。例えば、本日発表の米CPIが予想を遥かに超えて上振れするようだと、FRBは利上げ停止よりもインフレ退治のために利上げを続行する圧力に押されるため、投資家の間では「7月だけでなく8月も利上げするのでは?」という思惑が流れ、一気に株安・ドル高方向に動くというわけです。

7月の織り込み状況は以下となっており、利上げの確率(525-550)が58.5%となっています。CPIの発表によってこの数値がダイナミックに変わると思います。

出典:CNN

実際には予想通りのCPIが発表されるとは思いますが、もし予想値とかけ離れた数値が発表された場合の大きなトレンド転換には注意です。

米株は買われすぎに注意

さて、CPIの結果はともかくとして、米株は「強い買われすぎ」のサインを発しています。Fear & Greed IndexはExtreame Greed(強い強欲)を示しており、米株には短期的に強い過熱感がみられます。

時系列の推移を見てみると、現時点の79という数値に達したとき、マーケットはこの辺りで撃ち落とされて調整を迫られてきました。したがって、今回も現地点からグングンと上昇していくのではなく、基本的には大きめの調整があると見込んだ方が良さそうです。

そして、そのきっかけになるのが本日発表の米CPIや、FOMCだと考えられます。相場というのは往々にして、ファンダメンタルがチャートを形作るのではなく、チャートがファンダメンタルに合わせるように推移していくような動きを見せます。つまり、米CPIやFOMCのタイミングに合わせて、チャート上ではちょうど重要なラインをブレイクしたり、あるいは反発したりするわけです。

今回も明らかに買われすぎのサインは出ているので、このまま上値を追いかけるようなトレードは(短期的には)危険だと言えます。

日経平均は続伸、3万3000円を突破

さて、我らが日本の日経平均は本日3万3000円を突破し、33年ぶりの高値となりました(この表現はいつまで続くのでしょうか笑)。

短期的にここまで上昇している背景は、何度もお伝えしているように「他のマーケットの株式に比べて割安に放置されてきた」「ドル建てではまだ最高値を更新していない」「日本株が上昇しているから日本株を買う、という投資家のモメンタム」などが挙げられます。

しかし、今日のBloombergの記事では、以下のような要因もあるとのことです。

出典:Bloomberg

つまりは、最近話題になっている「賃上げ」を伴った物価上昇だからこそ、日本の経済は従来のデフレとは異なり、持続的に成長していくことが可能というロジックです。実際に、今年は今までにない賃上げムードが醸成されており、岸田政府からもなんとかしてこの好機を逃すまいといった雰囲気が感じられます。本当にデフレ脱却ならば、アベノミクス相場を彷彿とされる大相場になることは間違い無いです。

しかし、私は「賃上げに伴う物価上昇」が持続するかどうか、という問いに対して懐疑的です。確かに今までとは違う賃上げムードは感じますが、地政学リスクや原材料の高騰、コロナの影響によって続いている物価上昇に追いつくほど、賃金が引き上げられているわけでは無いからです。

夕方のニュースを見ていると、一般人が「モノの値段は上がるけど、給料は上がらない」と答えているのはよく見ます。もちろんメディアの切り取り方はあるでしょうが、私も実感として周りの給料が大きく上がっているという印象はないです。

私も日本人としてこのまま賃金が上がってくれれば良いとは考えていますが、現在の日本株の上昇はアメリカや欧州のマーケットと比べて割安に放置されてきたのが日本株、というくらいの理由でしかなく、持続的な株高に繋がると判断するには時期尚早であるように感じます。

イギリスではインフレが根強い

さて、本日発表されたイギリスの雇用統計では結果がまちまちだったものの、平均賃金上昇率が予想よりも強く、ポンド円は上昇しています。

出典:investing.com

最近の指標に対する反応として、インフレ指標では賃金関係の指標が重視される傾向にあります。今回のイギリスの雇用統計でも、失業保険申請件数や失業率は低下したものの、平均賃金(+雇用者数)が上振れしたことにより、強いポンド高となっています。

これはイギリスだけではなくアメリカの市場にも当てはまるため、今後雇用統計をウォッチする際には、まず賃金関係の指標から見ることをお勧めします。

今後のイギリスマーケットの展望ですが、残された利上げ回数を考えると、基本的にはドル<ユーロ<ポンドの関係が短中期的に成り立つと考えられるので、ドル円やユーロ円を取引していくというよりは、ポンド円を買って行ったほうが投資効率が高くなると考えています。

具体的な戦略としては、ドル円を売ってポンド円を買う、というようないわゆるロングショート戦略を行うと比較的リスクを抑えながら投資効率を稼げるのかと思います。このあたりの戦略については、また別の記事で詳しくお話ししたいと思います。

テクニカル分析は米CPI発表後に更新します

この後米CPIが発表されるため、テクニカル分析はその後の記事で更新します!お楽しみに。

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