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精神科看護師に必要な〝意外〟なスキル

始業開始30分後には
救急車に乗っていた
精神科看護師の玲です。

今日は精神科に必要な
意外〟なスキルについて
話していきます。

今日は医療の現場での話ですので
医療者以外の方は物語として
読んでいただけると嬉しいです😌


なぜ私が精神科病院での勤務を開始して
30分後には救急車に乗っていたのか。

この答えが
タイトルの答えになります。
今日は結論を後半に述べます😎

ここから先の
個人情報っぽいのは
ほぼフィクションですので
あしからず。



始業開始して
まずは夜勤者からの
患者さんの情報を引き継ぐ。


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ある患者さんが今朝、荷物を持ったときに
背中を痛めたらしく
気分もよくないから
ベッドに横になっていた。
血圧を測ると120台だったり
時間を空けて別のスタッフが測ると80台。
血糖値は問題ない。
また前のスタッフが測り直すと110台と安定しない。
眠気も強くご飯も食べなかった。
少し右手がだるいとのこと。


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この申し送りを聞いて
すごく嫌な予感がしたので
申し送りの途中で
その患者さんの元へ行き
身体初見を確認。

すると血圧は
右腕で測ると90台
左腕で測ると130台

右手の動きが悪く力も弱い。
胸背部痛がある。
意識混濁。

すぐに当直医に報告。

そしてバタバタ救急車を呼んだ結果
始業開始30分後には救急車に
その患者さんと同乗して
近くの総合病院へ救急搬送した。

診断は
胸部大動脈解離

そのまま転院して
治療開始となる。

一歩間違えれば
ちょっとした体調不良で片付けられて
様子観察になりそうだったと考えると
ゾッとしました。

医療者以外にはピンとこないでしょうが
大動脈解離は地雷の病気みたいなもんで
脳梗塞や心臓由来の病気と間違われたり
見落としがよくあって
しかも致命傷になる病気の一つです。

血圧は測る腕によって左右差が出たりします。
右腕への血流が弱まったりするからなんですが
スタッフによって血圧を
右腕で測ったり
左腕で測るので
測る人が違うと血圧の値が
全然異なったりする特徴があります。

急な血圧上昇で大動脈解離を起こすことがあるので
重いものを持ち上げた瞬間に
血圧が急上昇して
血管が裂けることがあります。

そして背部痛も大動脈解離の
有名な症状の一つで
脳への血流も少なくなると
意識障害も生じる。

私はそういう症例を何十例と
関わらせて頂いたので
察しがつくことがあるのですが

精神科病院というのは
土日はレントゲンやCTなどの
検査が休みなので
なおさら看護師の観察力と
推察する力が必要になるなーと
改めて思い知らされました。
(いわゆるフィジカルアセスメント力ですね)

なので精神科はメンタルについてはもちろん
救急外来のスタッフばりの
身体の異変に気がつける
観察力、推察力が案外必要になるなーと
改めて思い、今日の結論となります。

当たり前と言えば当たり前なんですけど
たまにある身体的な急変に気がつける力が
精神科看護師にも必要だというお話でした😌

サポートしていただけると相当喜びます😭