魂の灯 -81- #ppslgr
騎士の黒刃は今やおのが身の丈を超える長身となり、刀身はゆらめく炎めいて波打ち蠢動す!盾を手放し両手でもって剣を構える暗黒存在!
「良いのかよ、盾捨てちまって」
「必要ない。君を倒すためには」
「そうかよッ!」
暗黒騎士が首をかしげる、今まで頭部があった空間を貫いたるはワイヤー、そして先端にはクナイ!縄鏢である!切り払われるワイヤークナイだが、二の手、三の手と次なるクナイが光線のごとく打ち込まれる!暗黒騎士の防御を越えて装甲を打つ流星!暗黒装甲に波紋が起きる!
「この程度……っ!」
剣山密度からなる縄鏢雨に対し、暗黒騎士は受けるままに前へ踏み込み、鋭利が機体を貫くのもいとわず進む!振り上げられる一刀!
「チィッ!」
曲芸めいて舞う数多のワイヤーを掌底から切り離せば、忍者は真っ向から手刀一迅、両手剣の一撃と打ち合う!構わず切り落とさんとする騎士!しかして、剣の軌跡が止まる、止まった!暗器、トラノツメが掌底よりいでてはその鋭い爪でもって刃を受け止めたのだ!
「密着距離は危険よ!距離を取って!」
「わかってる!」
「させないとも!」
受け流し距離を取ろうとする忍者に対し、暗黒騎士の身から腕が生える。太い腕、細い腕、筋肉質、皮と骨、それらの腕が一斉に忍者の身に食らいついた!天高く振り上げられる暗黒騎士の一刀!
「これで終わりだ!」
「クッソ!」
だが、赤い火線が忍者を捉える暗黒腕をことごとく撃ち貫く!弾痕刻んでちぎれ翔ぶ腕、腕、腕!与えられたチャンスを殺すことなくバク転から間合いを取る!忍者の前に降り来るのは……暗緑曲面装甲の三頭身ロボである!迫りくる暗黒腕を槍でもって貫き、切り裂き、叩き落とす!
「Yo、またせたな」
「イシカワ!遅かったじゃん!」
「デケェ怪鳥相手にご機嫌にさせてもらったからよ。だーがそっちが逝く前で良かったぜ。せっかくの隠し玉が台無しになるとこだ」
「隠し玉?ソウルアバターが一騎増えた所で、僕の敵にはならない」
「そうでもないぜ坊っちゃん」
今まで暗色だった忍者ロボと三頭身飛空艇ロボの装甲面が反転し、金色の輝きを放ち初める。それは暗雲立ち込め、昏い色彩に染まっていた東京湾を照らす黄金の輝きだ。
「ただ二人並んだだけなら二対一だが」
「オレ達が揃えば天をも照らす!」
「いくぜ」
「オウ!」
『コラボレーション・アクティブ!合体!』
宣言と共にイシカワの機体が五体バラバラに分割、各パーツが外部装甲として可変すれば、それらのユニットは忍者の脚に!胴部に!肩から前腕!背部!そして兜となって全身を覆う!装甲から放たれる黄金の輝きは天をつらぬき、東京湾を、関東を照らした!
そして姿を現したるは、忍び装束の上に金色の鎧をまとった武者である。
だがその身の至るところに見え隠れする暗器、忍び武器は紛れもない忍者でもあり、そしてマウントされた近現代兵器はただの忍者にとどまらない存在であることを示していた。
「征くぜスカム野郎」
「ようくその眼に灼きつけろ!」
「オレたちが……」
『チャンピオンだ!』
【魂の灯 -81-:終わり|-82-へと続く|第一話リンク|マガジンリンク】
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