流行りの異世界転生文脈で読む『永久帰還装置』
20年前の作品なのにはやりを先取りしすぎぃ!
『永久帰還装置』とは
神林長平氏の長編SF小説。
あらすじを現代風に言い換えると、
チート能力付き異世界転生生活でウハウハしていた悪役だったが、その生活を阻止すべく永久追跡刑事なる処罰者が追ってきていた。悪役は処罰者を破滅させるべく最高の処刑舞台を整えて待ち受けるのだが、事態は双方の思惑を超えた展開に発展していき……
とまあ、SFであり舞台も未来の火星(を模した人為創造世界)なのだが、やってることは異世界転生チート付きなやつだ。もっともチート使う方が悪役で、主人公達がチートをいかに攻略するか、というところがポイントだ。
作中では、上位存在である主人公と悪役が人為創造世界である登場人物達を如何に扱うべきか、チート能力はどこまで有効なのか、何が虚で何が実であるのか……といった要素を絡めて描いており、やや抽象的きらいがあるもののめちゃくちゃ面白いSF小説だ。
というか、20年前にここまで先を越されているともう先人はスゴイと諦めて自分なりに書いていく他ないとさえ思ってしまうのだった。
今のはやりの文脈を踏まえた過去の名作、あなたもいかがだろうか。読んでくれる人が出て欲しいので、細かいネタバレとかは伏せておこう。気になった方は上のリンクからどうぞ。
戦場へ
過去の作品でも、現在の流行りや倫理性、文化の変遷などを踏まえて読むとまた違った見え方がしておもしろい、かもしれない。年齢の変化とかもあるしな。
今回はここまで、またな。
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