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いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -26- #ppslgr

自機周辺のポップコーン破裂衝撃が観測されなくなったのを機に、微動だにしない剣闘士を鎖で巻き込んで白い菓子の海より飛び出る。

赤茶けた荒野はもはやコーン菓子で地平線まで埋め尽くされ、コーン・モンスターも例外なくコーン粒をポップコーンにされて白い海に浮かぶばかりだ。だが、一体だけ恐るべきコーン女神の洗礼を受けてなお動くモノがいる。全身にポップコーンを張り付けたままもがくヤマタノモロコシだ。

ケツァル・コーン・アトルの方はというと、大勢が決したがゆえか超然とポップコーンの海の真っただ中に屹立して微動だにしない。ある種の神話伝承存在めいた荘厳ささえ漂わせているが白い海はポップコーンでこの女神はコーンの神である。

「A・K、しっかりしろ!まだ終わっちゃいないぞ!」
「エッ、ここどこ!?俺生きてる?」
「生きてるぞ」

どうやら失神していたらしいA・Kに喝を入れ、鎖で牽引したままにヤマタノモロコシ・ポップコーン形態へと迫る!

「頼むぜ、皆!」

彼の呼びかけに応えて三者のヒーロー達が再び姿を現した!エルフの王子は手にした長弓よりファランクス掃射の如く矢の豪雨を放てばヤマタノモロコシのポップコーン部をことごとくそぎ落とす!

「そろそろ諦めて帰りたまえ、トウモロコシ君!」
「おっと、アタシは生かして帰す気はないけどね!」

レディ・ドゥームの機体はヤマタノモロコシ上空に位置すると、自身の周囲に謎めいたルーン魔法陣の輝きを幾つも投影すれば一斉にビームのイカズチを放つ!こんがりを通り越して炭屑となるまで全身を焼き焦がされていく!

「中々興味深い体験だった、だがもう結構だ」

炭化の進む巨大トウモロコシの真正面へ踏み込むのは漆黒のマッスルマン!彼は今なおあがき抵抗するコーン龍の長首を掻い潜ると、トウモロコシの先頭部へと掌底を突き出す!彼の掌底突きがヒットすると同時に宇宙コロニーほどもあるトウモロコシが蠢動し内部からの衝撃で張り裂けた!

「やるぞA・K!」
「おうとも!このブルシットなコーン野郎に引導くれてやる!」

牽引していたグラディエーターを振り子の様に勢いをつけて打ち出すと、剣闘士は手にした剣を突き出しヤマタノモロコシの中核へ機体ごと突貫!半死半生のコーン・モンスターをドリルの様に貫通した!

続けて俺は自機の飛行速度を音速を超える域に引き上げて、太刀を振るい死神の鎌めいた機動でヤマタノモロコシ本体前方から一瞬で行き過ぎる!

機体その物を刃物として放った一撃は巨大トウモロコシをあやまたず中央で両断!二つに割れたコーンは剣闘士の一撃によって中核を完全に破壊されていた様を晒した。

「アバヨ、コーンドラゴン!もう二度と来るなよ!」
「コーンは当面見たくもないな、まったく」

俺達の一撃がトドメとなり、恐るべき耐久性を誇ったヤマタノモロコシもついには枯死し、茶褐色に枯れ落ちていく。だがポップコーンと化したこの白い海は既に死んでいるという事なのか、本体の死に追従して変化を起こす事はなかった。

「どうしたもんかね、これ……」

【いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -26-終わり:その-27-へ続く

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