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ほぼほぼ日刊パルプ冊子

パルプスリンガー、遊行剣禅のパルプ小説個人誌です。 ほぼ一日一回、1200字程度の小説かコラムが届きます。 気分に寄っておやすみするので、大体月間10回~20回程度の投稿になりま…
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2021年8月の記事一覧

全裸の呼び声 -32- #ppslgr

「裸ーッ!」  玉虫色の光彩まとったシャボン玉が、汚濁極まる処分場に吹き出した。一瞬速く…

アオハル杯シナリオ所感

数回まわってざっくり感じたことを。細かい数値とかは攻略サイトのほうでよろしく。 全体的に…

全裸の呼び声 -31- #ppslgr

 銘のない刀は、二人が説明を受けている間もドブヶ丘でもっとも低く、汚れた場所にあった。何…

全裸の呼び声 -30- #ppslgr

「うるさいよ」  壁と思われた一角に光の切れ目が走り、軋み音と共に開かれた。どうやら、居…

新スーサイド・スクワッド観たりして夏が終わりそう

まあ最近の夏は9月くらいまでロスタイム引っ張るけど、やっぱ8月が終わると夏も終わりって気が…

全裸の呼び声 -29- #ppslgr

(世界を元に戻した後、死人も生き返ると思うか?) (思わないね、一都市程度ならなんらかの形で…

全裸の呼び声 -28- #ppslgr

 目当ての蟻地獄めいた瓦礫穴が近づいてくると、それは遠目で見るよりもより一層に醜悪であることがいやでもわかる。いまや嗅覚などというものは、あまりにも入り混じった匂いに完全に麻痺していた。絵の具が種別問わず混ぜ込まれるとどす黒く濁るように、匂いもまた多数入り混じった果てには判別のつかない不快きわまる感覚になるのだった。  二人が縁にたったすり鉢状の地形には、単なる廃鉄のみならず、割れたコンクリ、多様なビルの瓦礫、それどころか雑に放り込まれた死体やら、中身を改めたくもない昭和期

全裸の呼び声 -27- #ppslgr

「最後に一つ」 「まだあんのか!?まあいい言ってみな」 「ここ一週間出没するようになった、…

全裸の呼び声 -26- #ppslgr

「ここらドブヶ丘にゃー、住人にとって厄介きわまりない害獣どもがごまんとおる。住人も慣れち…

絶叫杯、優勝しました。

だいしょうり。 え、なに?何のことだかわからない? えーnoteでは昨今私設賞がぽこじゃか設…

全裸の呼び声 -25- #ppslgr

「ほぅほぅほぅ、ほーおぅ?」  二人を煽った老人はアゴをさすりながら、一切の容赦が無い駆…

全裸の呼び声 -24- #ppslgr

「予想はしてた!してたがネズミからしてアレか!」 「ますます典型的な異界化異常現象だねぇ…

全裸の呼び声 -23- #ppslgr

 従来の広範な概念としてもっとも近いのは、寺社仏閣へつながる商店街めいた参拝道と、ごっち…

いまだあせぬ、神威の痕 #風景画杯

 暑い、じゃなくて熱い。死だ、今ここには死が大気に充満してる。 赤茶けた死の土地の、起伏に富んだ地形を見るにつけて、私は自分が言い出したレポートのお題に後悔してる。  今私がいるのはカルフォルニアの、デスバレー。デスバレーですよ奥さん?名前に死ってついているし、由来もホントに死人が出たせいだし、私なんでこんなトコに来たんだろう?次に見に行くところは、おじさんにお願いしてせめてもっと涼しいところにしてもらおう。 「フー……マジであっちーなここ。名前にDeathって付くだけあ