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コラボしようぜで始まったけどまだ中身も決まっていない本の連載

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突然の「コラボしようぜ」というツイートから、いきなり始まってしまった本の企画を連載していくマガジンです。 https://scrapbox.io/kuratakabooks/
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2018年4月の記事一覧

第二十三回:売上げグラフに電気ショックを

第二十三回:売上げグラフに電気ショックを

私は、二十代という多感な時期をコンビニで働いて過ごしてきたので、販売データには目がありません。特に、前回鷹野さんが公開してくださったような単品の販売データは大好物です。ご飯三杯はいけます。

たとえば、あのデータも「販売数では3倍以上も離れているのに、金額ベースだと1.5倍程度しか離れていない。トータルの金額では値段を変える方に軍配が上がったが、変えない戦略もそれはそれでありだな」なんてことを考え

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第二十二回:最初は無料、あとから有料、そして値上げという価格戦略

第二十二回:最初は無料、あとから有料、そして値上げという価格戦略

連載の間隔が少し空いてしまいました。ここしばらく、ちょっと予定を詰め込みすぎて、あっぷあっぷになっていました。溺死するかと思ったほどです。続きをお待ちいただいていた方々、申し訳ありません。

とはいえ、もしこの連載が、誰かから原稿料をいただける形であれば、あるいは、ちょっと美味しいもの食べられるくらいの投げ銭が毎回いただけるような状態であれば、優先順位を跳ね上げ多少無理をしてでも原稿を仕上げていた

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第二十一回:新しい値付けへ向けて

第二十一回:新しい値付けへ向けて

前々回で「セルパブではほとんど参考になりません」とばっさりと書いたのには、もちろん理由があります。セルフパブリッシャーに勇気を持ってもらいたかったのです。

◇ ◇ ◇

前回鷹野さんは、以下のように書かれました。

小説ならどうか? こちらももちろん、同ジャンルの商業出版の値付けを意識せざるを得ません。たとえばライトノベルなら、商業出版で一定以上の品質である(はず)の文庫本が、600円~700円

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第二十回:定価? そんなものはない

第二十回:定価? そんなものはない

前々回、原稿を書きながら「ここから先を説明すると、ちょっと長くなりすぎるな……」と思った私は、そこでぶった切って倉下さんへぶん投げるという荒技を仕掛けました。往復書簡的連載ならではの強引さ。今回ばかりは、素直に打ち返していただきました。ふふふ。

とはいうものの、冒頭のこの一節で、私は盛大に笑ってしまいました。

まず、前回鷹野さんが丁寧に解説してくださった商業出版での本の値付けは、セルパブではほ

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第十九回:「物の経済学」と「情報の経済学」

第十九回:「物の経済学」と「情報の経済学」

前々回、気軽な気持ちでボールを投げたら、剛速球が返ってきました。

では、我々が小さな出版社(者)としてセルフパブリッシング、もしくはセルブズパブリッシング、あるいはチームパブリッシングを行うときは、どのように価格付けを行えばいいか?

ここまで真っ直ぐな球ならば、いさぎよく打ち返すしかありません。セルパブにおける値付けについて考えてみましょう。

◇ ◇ ◇

まず、前回鷹野さんが丁寧に解説して

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第十八回:商業出版ではどうやって価格を決めているのか?

第十八回:商業出版ではどうやって価格を決めているのか?

私は前回、マーケティング・フレームワーク4Pのうち「Promotion(販売促進)」と「Product(製品)」の2つに関することを書いた時点で、倉下さんへバトンを渡しました。普通の天邪鬼なら、残り2つを放置して別のことを書くでしょう。その場合、次の私のターンで残り2つを書けばいいだけの話です。

「あ、やはりそう来たか」と思った私は、思わずこれに反応してしまいました。あとから考えてみたら、こんな

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