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『図書館戦争』のきっかけとなった言葉

こんにちは。ラシン株式の鶴田です。
書いては下書き保存を繰り返して、下書きフォルダに12本くらいストックがあります。
保存原稿を仕上る前に他に書きたいことができて、この原稿をまた新たに書き始めています←

本日綴りたいなと思ったのは図書館について。

みなさん、図書館は好きですか?
私は図書室・図書館めちゃくちゃ好きです。(最近は行っていないけど)
だからと言って本を読みますかと言われたらそうでもないのですが、読みものが好きなんですよね。
小説よりも図録、雑誌、漫画、エッセイとか視覚的な要素が入ったものがより好きでして。
小さい頃から地元の図書館、学校の図書室、公民館の図書室に足繁く通っていました。
図書館で働くことに憧れて資格もとったほどです。
あとは図書館で言うと空間が好きです。建築物としても、魅力的なものが多いのです。本の並びを見ながらぶらりと館内を回るのが楽しい。

今回はそんな図書館にまつわる、有川浩さんの小説『図書館戦争』から。
この小説を創作するきっかけとなった言葉をみなさんはご存知でしょうか。

その言葉というのは『図書館の自由に関する宣言』です。

「図書館の自由に関する宣言」
 日本図書館協会 1954 採択 1979改訂
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。
この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る
(引用)https://www.toshokan-sensou.com/yougo.html 
 (参考)http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx

図書館の自由に関する宣言は実際に全国(※全てではない)の図書館に飾られていて、有川浩さんはこの宣言を目にしたことで『図書館戦争』の構想を作ったと言われています。
実際に『図書館戦争』は「知る権利」を守るために戦う図書館員の話で、小説のなかにも少々違えどこの宣言のような文言が登場してきています。

もともと図書館戦争は小説もアニメも映画も見ていたのですが、私は司書(図書館員)になる勉強をしていた時に、きちんとこの言葉を知りました。
ただ、実際の司書の業務は図書館戦争とは大幅に異なります。笑

この『図書館の自由に関する宣言』を初めて認識した時、本当に感動したというか。そして、改めて見ると、めちゃくちゃかっこいいんですよね。

個人的に好きなのは最後の一文。

「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」

ここに私たちの知る自由、表現の自由全てが詰まっている気がします。
表現の自由まで話が広がると少し壮大かつややこしくなっちゃうのですが、知りたいことを知ることができるって本当に素敵なことですよね。
焚書という政治的思想の弾圧によって書物を焼き捨てるということもあって、実際に戦前戦時中戦後の日本でも思想統一のために焚書は起こっています。

そんな時代を経て図書館の中立性、表現の自由を基盤に作られたのが「図書館の自由に関する宣言」。
もしも、表現や思想が統制された世界で生きていたならばどんなに面白味のない人生だったのでしょうか。
過去と今を知ることができる資料を提供し続け、アーカイブしてくれている存在があるから、今の自分や時代があるのだろうなと思えるほど。

結局何が言いたいのかというと、知ることができるありがたさ。

知ることのありがたみを感じられるのは図書館だけのおかげではありませんが、組織の姿勢として採択されていることがそもそもかっこいい。
この宣言は1954年に採択され・1979年に改正されていて、昭和という激動の時代のなかで宣言を採択したことに、言葉の重みと組織としての断固たる決意を感じられます。
背景を踏まえても「図書館の自由に関する宣言」はかっこいい。

最近は他国の戦争報道が頻繁に行われていますが、その度に思うのは現地でどんな情報が流れているのか、現地と外野の情報に格差がでていないのかということ。
交戦国に住む方々の表現する自由、知る自由が奪われないことを祈るばかりです。
また、自由に知って学べる日々がこれからも続いてほしいと思います。
私たちの知る権利を守る人たちのおかげで今があることを忘れてはならないし、当たり前のものと思ってはいけないとつくづく思います。

なんだかしんみりしましたが、『図書館の自由に関する宣言』はシビれる宣言なので、みなさまにもぜひ認知してもらえたら嬉しいです。
4月30日が図書館記念日だったので、書いたお話でした。

それではまた。

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