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Florestaのオモウツボ

今日はきぷく(娘・9ヶ月)と一緒に、いつもお世話になっているベビータッチの先生主催のお話会へ、電車に乗って出掛けてきた。

その街は小学校の新入生が定員オーバーで、本来とは違う校区の学校へ通わざるを得ないようなところだ。
つまりは未就学児をもつ若い年代が流入するような、わりと新しい住宅地で活気ある街。
平たく言うと、ちょっぴりオシャレでイケている。

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話はかわるが、まころ(息子・2歳11ヶ月)は食べるのが大好きな男である。
離乳食の初期こそまだまだおっぱい大好き!という感じだったが、あれよあれよと標準とされている量を平らげるようになり、気がつけば外食で取り分けをすると大人の分がほとんどないやん状態になっていた。
そして今となっては、そんじょそこらのOLさんのお弁当を凌ぐ量を、毎食おいしそうに食べてくれる。
きっと私の血を存分にひいているのに違いない。
食べる姿にはとてつもない生命力を感じるので、これは私にとってとても嬉しいことでもある。 

そして彼は最近、私をさらに喜ばせるものを手に入れてしまった。
まだ食べたことのない憧れのものや、自分の好きなものを食べたり、目の前にしたときにのみ繰り出される、キラーフレーズ。
「おかあちゃん、ありがっと!」
そこに最高の笑顔がつくのだから、母はイチコロである。

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そんな彼の少し早い誕生日会を昨日、祖父母(私の両親)と共に催した。

夜にお腹がはちきれそうになるのもなあ、と思い、おやつの時間にケーキでお祝いをした。
ケーキは、彼のリクエストで苺と生クリームのスタンダードなやつ。
ロウソクをたてたりケーキを切り分けたりしている間も、待ち切れないとばかりにソワソワしていた彼だから、それを口にした時の目はキラキラで、もう夢中で貪っていた。
そして食べ終わってから
「おかあちゃん、ありがっと!」
と、例によって母のハートを射抜いてくれた。

そして夕食は、まころの大好物の海老フライ。
その他唐揚げやらサラダやらスープやら、まころが好んで食べてくれそうなメニューと共に、いそいそと準備をしていた。
のだが、、、
夕方にまころが腹痛を訴え、下痢をしてしまった
私はその現場に居合わせなかったのだが
「ちょっとたべすぎたなあ」
とつぶやいていたらしい。

金曜・土曜とお出掛けが続き、外食で食べ慣れないものだったり食べ過ぎていたり、移動や普段と違う場所に出向く疲れが出てしまったところに、生クリームのケーキをドカンがまずかったようだ。
ああ、こんなハードスケジュールにしてしまってごめんよ、楽しい誕生日会に水をさすようになってしまってごめんよ、と心の中で反省の言葉たちが駆け巡る。

結局、夕食の頃には腹痛も治まり、いつものテンションを取り戻していた。
疲れた胃腸に揚げ物は…と思ったけれど、本人は食べたがるし、主役としての気持ちを想像するとあげずにはいられなかった。
いつもの量の半分くらいを、お子様プレートに盛り付けると、それは平らげてくれた。
が、普段ならおかわり要求をするところ、海老の尻尾をいじらしく舐めている彼がいた
その後また腹痛の波がきたりしたので、それ以上は身体がストップをかけていたのだろう。

幸い昨夜しっかり寝て体調を崩すことなく、今日は軽めの朝食を食べて保育所に行ってくれた。

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お話会が終わって会場を出ると、駅前の通りでFlorestaの看板が目に入る。
Florestaと言えば素材にこだわり、添加物などをなるべく使わない、優しいドーナツのお店。
さすがイケている街である。
食べ物に少し気を遣う母親達のアンテナには、引っかかりやすいお店に違いない。

心の中でフッと、大好きな海老フライをおかわり出来ずに、尻尾を舐めていたまころの姿が蘇る。

いやあ、なんかこんなタイミングにふっと現れられたらねえ。
Florestaのオモウツボじゃない?と思いながら、ドーナツを買う。

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実際のところはFlorestaのオモウツボではなくて、まころのオモウツボ。
母は息子の笑顔に弱すぎる。

お腹の調子が治ってたら、特別に明日の朝食にしてあげよう。
明日はまころの誕生日。

ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。