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『山と食欲と私』(11)レビュー

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山と食欲と私(11)

信濃川日出雄(著)

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新刊が出るたびに買っているコミックスがいくつかあるのですが、その中でもお気に入りの一つがこの『山と食欲と私』です。

もうタイトルで出オチ感満載。タイトルそのまんまの内容だし、11巻まで出ているので皆さんきっとすでにご存じだと思いますw

もしまだ知らない、読んだことないという方がおられましたら、

↑こちらで試し読みできちゃいますのでどーぞ~♪

むむ、いまWeb見てみたらかなりたくさん読めちゃうんですね!! 単行本買ってるのに!(ぉぃw)

で、さらによくよく見てみたら、単行本の中の話数とWebの話数の番号がずれていることを発見してしまいました。

11巻の目次を見ると、

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↑あ、この右下にいる、何か大切なものを下界に忘れてきたような表情の娘がヒロインで主人公の日々野鮎美(ひびの・あゆみ)27才会社員さんです。余談ですけど、こういう何気ない絵がすごく良いんですよ。このマンガw。

さてさて、話数ずれの話です。
コミックスの目次では115話が軽井沢・浅間山編①となっていますが、Web版を見ると、

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となっていて、一話ずれてしまっています。
あれれ? 何かの数え間違いでしょうかねぇ。
と、過去のコミックスを引っ張り出し、Web版と突き合わせてチェックしていってみましたら、コミックスには収録されていないお話をさっくり見つけてしまいました。
コミックス派は読んだことのない話がWebにだけ乗っているのです!
むむむ、鮎美ファンとしてはこれはしっかり読まなくては! とヨロコビつつWeb版を読んで見て……。ああ、まあ、うーん。これはきっとミスではなくて何か事情があって収録できなかったんでしょうねえ。おそらくわざとですねぇ。と、思い至ってしまいました。ですので、ここでは抜けている話数をはっきりとは書かずそっとしておきます。気になる方は探してみてくださいw

さてさて、閑話休題。
今回、11巻目でピックアップして紹介したくなったのは、(コミックスでは)122話目『かわいいこやでむすちまき』です。

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このページから、一話分10ページ、まったくセリフがなく進み、それでも情報・情感たっぷり、無駄なコマは一切なく、コマの行間というか絵の外側の風景や時間にも思いを馳せさせてくれ、最期のコマでさわやかに感動させてくれます。すっごく良いのです。
鮎美さんのキャラクターが本当に良いですね。かわいくて素敵です。男性読者ならきっとまいっちゃいますよw
(これでモテてないところがこのマンガの不思議なところかも?w)

この著者さん、たまにけっこう挑戦的というか実験的なマンガの描き方されるんですよね。
今回のこのセリフなし回のようなパターンの他、視点のアングルがとても凝っていたり、広角レンズを通したような背景を使ってみたり。また、シナリオ的にも、現実にある山を登山して、現実にある食品を調理して食べるというある意味リアルなマンガなのに、幽霊話やタイムスリップネタとかだしてきちゃう。(でも、もちろんお話としてちゃんとまとまっているのがさすが)

絵柄も丁寧で描写も細かいし、このクオリティの高さ。お話はもちろん面白く、その上……って、これを言っちゃうと、もうほんとそのまんまなんですけど、「山」と「食欲」と「私(鮎美さん)」という、人類の三大欲求(え?)が詰まっている漫画なわけです。
ちょっと言い過ぎかしら?w でもまあ、少なくとも、誰特(誰が得するの?)かと問われたら、迷わず私特! と元気よく答えられる、そんなちょー好みの漫画なのでしたw

私のように、食べ物に目がなくて、山が好きな人には間違いなくおすすめのコミックです。

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Kindle版は今なら5巻までUnlimitedで読み放題OKのようです。

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今回紹介したのは11巻

あー。お山いきたーい。そいでもってお腹減ったー!!

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