らせんの本棚

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『息吹』レビュー
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『息吹』レビュー

『息吹』テッド・チャン (著) / 大森望 (翻訳) ◇ 現代最高のSF作家は誰かと聞かれたら、なかなか答え辛いところですけれど、すくなくともベストテンの中には絶対はいっていると思うのがこのテッド・チャンさま。 驚くべくことに、この長編流行りの時代に、ほぼ短編だけで勝負されていて、しかもとっても寡作な方。この『息吹』は第二短編集なんですが、第一短編集の『あなたの人生の物語』から17年でようやく二冊目。という超寡作。 だのに、出す短編が常にSFの世界的な賞を軒並み受賞し

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【SFは絵だねぇ】『デューン 砂の惑星』の巻
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【SFは絵だねぇ】『デューン 砂の惑星』の巻

もうじき新作の映画が公開されるという『デューン 砂の惑星』。 ご存じフランク・ハーバートの名作です。私も過去何度かレビューしてきましたが、今回取り上げるのはこちらっ! 昭和47年12月31日発行(って大晦日だ!)の旧ハヤカワ文庫版。の、表紙&挿絵についてです。 ご覧の通り、表紙の絵が石ノ森章太郎さん(当時は「ノ」が入っていない石森章太郎)です。もちろん挿絵も石ノ森先生画です。これが素晴らしいんですよー☆ このころのSF小説本って、こんな風に表紙に漫画家さんを起用してい

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『人間の手がまだ触れない』レビュー
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『人間の手がまだ触れない』レビュー

『人間の手がまだ触れない』ロバート・シェクリィ(著)/稲葉明雄・他(訳)📚 古典SF(といってもいいかな?)の短編集です。 1950年代に一世を風靡したSFの原点! 特に日本の第一世代のSF作家の皆様に多大な影響を与えたというロバート・シェクリィの短編集第一弾です。 シェクリィの作風としては、一言で言えば不条理ユーモアSF。当時売り出し中だった筒井康隆氏のことを指して「和製シェクリィ」などと言われていたといえば、だいたい通じるでしょうか。 不条理であって、ユーモアもあり

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『翼よ、あれがパリの灯だ』レビュー
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『翼よ、あれがパリの灯だ』レビュー

『翼よ、あれがパリの灯だ』チャールズ・リンドバーグ(著) 佐藤亮一(訳) 《現代世界ノンフィクション全集22》より 🛩 タイトルの『翼よ、あれがパリの灯だ』という言葉と、ニューヨーク~パリ無着陸飛行についてはよく知られていますが、その言葉を発するに至った物語のほうはあまり知られていない気がします。(映画にもなったらしいけれど、私は知りませんでした><) 本書を読むと、当時の、今から考えたらまるでおもちゃのような飛行機で成し遂げられた快挙は、本当に文字通り命がけの「

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大森望(編)『ベストSF2020』レビュー
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大森望(編)『ベストSF2020』レビュー

『ベストSF2020』 大森望(編)――― いきなり別出版社の本の話ですがw 創元SF文庫で2008年から2019年まで12年間出されてきた『年間SF傑作選』の精神的(?)後継者として、あの(?)竹書房から刊行されたのが本書。2020年の年間ベストSF傑作集です。 編者はご存じ大森望さん。創元版は日下三蔵さんとペアで編纂されていたので、今度は大森望氏単独セレクションの〈ベスト日本SF〉集というカタチです。 2020年と言えば、コロナ禍が始まったばかりのころ。集められた作

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『火星へ』レビュー
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『火星へ』レビュー

『火星へ』上・下 メアリ・ロビネット・コワル (著) / 酒井昭伸 (翻訳) ――― ↑で『宇宙へ』向かった初の女性宇宙飛行士〈レディ・アストロノート〉シリーズの続編です。 ――― 1960年代初頭。前作、『宇宙へ』で地球に衝突し未曾有の大被害を引き起こした〈巨大隕石〉の影響は、いったんは落ち着いてくれたものの、大氣中に広まった塵による温室効果で遠からず地球は死の星になってしまうことは確実視されていました。 人類存続のためには速やかに宇宙へ、そして他の惑星へ移住し

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『反☆進化論講座 : 空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書』レビュー
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『反☆進化論講座 : 空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書』レビュー

『反☆進化論講座 : 空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書』 ボビー・ヘンダーソン (著)/片岡 夏実(訳) ◇ 宇宙の創造者にして全能の空飛ぶスパゲッティ・モンスターの預言者、ボビー・ヘンダーソンによる福音の書です。 空飛ぶスパゲッティ・モンスター(Flying Spaghetti Monster、以後FSMと略)様は、約5000年前にこの宇宙を創造されました。 その後、FSM様自身が創造した宇宙に対して、その宇宙が数十億年前に生まれたように見せかける偽装工作

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『せきらんうんのいっしょう』レビュー
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『せきらんうんのいっしょう』レビュー

『せきらんうんのいっしょう』 荒木 健太郎(作) / 小沢 かな(絵) ☁ 夏の空の風物詩、積乱雲の一生を描いた絵本です。 『ある夏の日、あたたかく しめった空気の「だんきくん」が ひまを もてあましていました』 からはじまる驚きの感動ストーリーです。いや、ほんとにw 積乱雲、つまりは入道雲ですね。 夏の空といえば巨大な入道雲がぬぬぬぬどーんとうかんでいる姿が思い出されます。(今年はあんまり外に出かけられなくて見られませんでしたが~) 雲は風にのってどこからかや

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『蜂の物語』レビュー

『蜂の物語』レビュー

『蜂の物語』ラリーン・ポール(著) / 川野靖子(翻訳) 🐝 果樹園にある蜂の巣で、フローラ族の蜂として生を受けたフローラ七一七が主人公。サルビアであったりサクラであったり、普通は花の種類で属名が決まる中、フローラ族というのは花の名も持てない最下層の種族名です。 最上位の女王を崇め奉り、決して覆ることのないカースト。 種族と役割で厳重に管理される蜂社会は、労働を称える教理で完全に支配されています。 ”怠惰は罪” ”不和は罪、強欲は罪” ”受け入れ、したがい、仕

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『まちカドまぞく』レビュー

『まちカドまぞく』レビュー

『まちカドまぞく』伊藤いづも (著) ♡ もうさいっこう! めちゃくちゃ面白い。だいすきです。 お話としては、主人公の15歳の女の子、吉田優子がある朝、突然封印されしまぞくの力に覚醒しちゃったのです。で、彼女は『シャドウミストレス優子』というまぞく名で活動して「魔法少女」を倒すという使命を帯びるのです。が、なにしろツノとしっぽが生えてきた以外はとっても普通の(ポンコツぎみな)女の子。はたして物理少女もとい魔法少女をぶちころがせる日はくるのでしょうか? というかんじ

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