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【再編集・加筆版】クリスマスについて思うこと2021

この記事は元々2021年12月24日に投稿したもの(原文はこちら)。
当時はフォロワーさんの数も少なく、ほとんど日の目を浴びることもなく地下に潜っていた記事だ。
(こんな地下noterだった当時の記事にまでコメントを寄せてくれている なちこさん、恐るべし)
現在、2022年版のクリスマスに関する記事を書いているのだが、その前日譚としてお読み頂ければ幸甚だ。
文章を書き慣れていない頃の作品のため、当記事では少々修正を加え、次回投稿に続くエピローグを加筆した。
宜しければどうぞ。


クリスマス。

僕にとってのクリスマスとは、概ね以下のような日と認識している。

幼少期:
・プレゼントをもらえる日
・美味しいものを食べられる日
・ワクワクする日
・サンタクロースの正体を暴いて白日の元に晒そうと本気で考える日

学生時代~:
(交際相手がいる場合)
・何を渡すべきか、何を食べるべきか悩みつつも自分の財力と向き合い、理想と現実の狭間で自身を見つめ直す日

(独り身の場合)
・夕食に牛丼や弁当を買ったりするときに「あ、彼女(本当は存在しない)の都合でスケジュール的に後ろ倒しでパーティーするんで今日はまぁ、普通の日みたいな扱いなのよ」という顔をしながら会計を済ませ、涙で塩分濃度が高くなった弁当を1人で食べる、年を追うごとに役者として成長する日

父親1~2年目:(今ここ)
・とりあえずアンパンマンのおもちゃやぬいぐるみを買いつつも、今後大きくなるにつれてこの時期は出費がかさんでいくんだろうなー、と考えながら多少の節約生活ならば別にいいか、子どもが喜ぶならば。と思う日
・友達と飲むのも楽しかったなー、と少し思い返す日


日本人の大半はキリスト教徒ではないし、そもそもキリスト教圏ではニワトリじゃなくて七面鳥で、恋人じゃなくて家族と過ごす日で、24日はあくまでイブなのに日本人はこれだから…という能書きを垂れる日本人が少なからず出てくるのが、古来から続く伝統的な日本のクリスマスだ。

僕の記事を日常的に読んでくださっている方からすれば、「多分お前そういうことを言う、ねじ曲がったタイプの人間だろ」と思われていそうだが、案外そうでもない。

僕も時期によってはそんなことを思ったり、「男同士の方が楽しいし!」と強がりつつ男だけの酒席を無理矢理設けたりしたこともあったが、今となってはどんなスタイルであれクリスマスを楽しむのは良い事なんじゃないか、と思う。

本場の七面鳥とは違うだろうが、ケンタッキーもモスチキンもファミチキもLチキに代表されるニワトリ達だって充分に美味い。

どちらかというと七面鳥の丸焼きは何か見た目が怖いので苦手だ。

スーパーで売っている唐揚げやチキン南蛮、さらには刺身や煮物のパックにまで『 メリークリスマス!』シールが貼ってあるのを見た時には強い憤りを通り越して虚しさを感じたものだが、恵方巻きの横に売られている節分デザインのロールケーキに比べれば可愛いものである。

恵方ロールってなんだよ、無理があるだろ。
「ロール」の部分を和訳したら結局恵方巻じゃないか。
と毎年思っている。
ひねくれていることを理由に嫌われたくないので声に出しはしないのだが。


多くの日本人は生まれた数ヶ月後からお宮参りやら七五三で神社に連行され、クリスマスに偉い外国人の誕生日を祝った数日後には再び神社に行き初詣、不幸があれば寺から和尚を引っ張り出し、難解だが有り難そうな念仏を聞きながら合掌し、結婚式は教会に行って誰かしらに何かしらを誓い、最期には寺の敷地内のピカピカした石の下に埋められるのだ。

いったい何股かければ気が済むのか。

特定の宗教を大切にする何かしらの敬虔な信者から見れば、とんだ浮気野郎である。
しかも相手はもれなく神や仏クラス。
芸能人の不倫報道を見て「浮気も不倫も許せない!」などと、よくTwitterに投稿できたものだ。
クリスマスに苦言を呈する以前の話である。

一生のお願いや何かの合格発表などの際には、キリストや神や仏、墓の下の親戚、誰に対して祈りを捧げているのかもよく分からず手を合わせたりもしている。

良い所や楽しい部分を吸収する、都合良くも寛容な国民性なのだから、今さら毒づいたところで説得力はない。

ハロウィンもクリスマスもイースターも、楽しめばそれで良い。
僕はそう思っている。


この寒さの中、それなりに健康に生きていられていることを神的な誰か(もしくは仏、先祖、宇宙や大地など)に感謝しつつ、ヨドバシで買ったアンパンマンのぬいぐるみをバッグにしまい帰路に着く。
ラスト1体のアンパンマン人形をギリギリ手に入れられたので、ヨドバシの発注担当にも感謝をしておこう。

僕が今クリスマスについて一番知りたいことは、「アンパンマン代として」の但し書き入りのヨドバシの領収書は誰に提出すればいいのかということだ。

本来娘へのプレゼントを僕が買う必要はないと認識していたのだが、疫病禍による入国制限と多忙を理由に、赤い服を着て白ヒゲをたくわえた、怪しい外国人高齢者から代理購入と代理配達を委託されたのだ。

「一般社団法人サンタクロース組合 日本支部」みたいな所をGoogleマップで探し当てて郵送すればいいのだろうか。
振込手数料は組合で負担してもらえるのだろうか。
天下り先団体のような気配を若干感じるが。
ご存知の方がいればご一報頂きたい。

領収書の発送時には『れい疫病えきびょう最近さいきんはじまったことではないので、隔離期間かくりきかん配送はいそうスケジュールを計算けいさんに入れて業務ぎょうむにあたってしかったです。』
というサンタクロースへのメッセージを、振込先の口座番号を書いたメモに付け足すことも忘れないようにしなければ。

皆様、良いクリスマスを。


と、ここまでが昨年のクリスマス記事だ。

こんな理屈っぽい記事を投稿した数時間後、僕は娘の枕元にアンパンマンのぬいぐるみが入った包みをそっと置いた。

翌朝には酷い寝相の娘に位置をずらされてはいたものの、「おー?!なんだー?!」の大声と共に、中から出てきたアンパンマンに対して人見知りならぬ、ぬいぐるみ見知り・・・・・・・・を発動していた。

ここ最近のアンパンマンはと言えば、人形用の椅子に座らされ、木製のケーキやら空っぽのティーカップでもてなされている。
娘の手厚いもてなしに対しても張り付いた笑顔で物言わぬアンパンマンの姿は中々にシュールなものではあるが、その遊びはいま現在も継続中だ。

昨年のクリスマスから一年。

また今年もクリスマスがやってくる。
娘の興味はアンパンマンから別の物にシフトしつつあるし、好みも随分とハッキリしてきた。
今年もアンパンマングッズというわけにはいかないだろう。
娘の様子を観察しつつ、喜びそうなものを選定しよう。
今年は赤服の高齢者は渡航できるのだろうか。

そんな事を考えていた2022年12月のある日、ぼくは娘から謎のフレーズを聞かされる。

「はーときあおっちがほしいよ!」


は?何を言っている?


謎の言葉「はーときあおっち」については、次回の記事で綴ることにする。

今年のクリスマスまで、あと2週間と少し。


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