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便利すぎるゼクシィについて思うこと

トップ画像に載せたキッチンタイマーを使い始めて、もう6年ほどになる。
「壊れていない」という理由だけで、ただ何となく使い続けている。
ボタンの下の「Happy Time」にも未だにピンとは来ていない。
どんなTimeにするかはこちらで考えてボタンで設定するのでHappyの押し付けも遠慮したい。

物にこだわらなければキッチンタイマーなど数百円程度で、いや、100円ショップでも買える時代だ。
新しいタイマーを買える「100円」を使って、せっせと交換用のボタン電池を購入し、カップに浸されたバーバ夫妻を何度も蘇生、延命させている。

この「バーバパパのキッチンタイマー」、自分達の結婚式に向けて買ったゼクシィ2018年11月号に付録として同梱されたもので、正式名称は『便利すぎる♡バーバパパのキッチンタイマー』である。


便利すぎるキッチンタイマー。


どのあたりが【便利すぎる】のかと問われると、正直困る。
至って普通なのだ。
もちろん不便ではなく、便利と言えば便利なのだが、ありふれたキッチンタイマーであり、ビームが出るわけでも、電子マネーとして使えるわけでも、タイムマシン代わりになることもない。
キッチンタイマー以上でもキッチンタイマー以下でもない。
決して、便利「すぎる」ことはない。


かつて「○○すぎる」という言い回しは、例えば「厳しすぎる」「大きすぎる」「入れすぎる」「高価すぎる」といったやや・・ネガティブな雰囲気を纏ったものが主流だったように思うが、言葉は生き物。
時代と共に意味合いや使われ方が変遷していくのは世の常だ。
「とても」「非常に」「かなり」といった、ポジティブなイメージの表現で使用されるようになって久しい。

よって、今さら「美人過ぎる」「美味しすぎる」「楽しすぎる」等の「○○すぎる」という表現を吊し上げて何かを言いたいわけではないのだが、上述のタイマーの名称に端を発し過去のゼクシィの付録のネーミングについて調べてみると、なかなか興味深いものであったので一部紹介したい。

※画像転載は控えるので、実物写真が気になる方はこちらを参照されたい。


●2024年8月号●
≪付録商品名≫
ハニーすぎる【くまのプーさん】2WAYハンディー扇風機
≪寸評(私見)≫
ただでさえ“ハニー”なプーさん扇風機が、度を超えて“ハニー”であるようだ。ハニーといえばハチミツ。ハチミツといえば甘い。結婚を目前にした2人を象徴するような甘い風が吹くこと間違いなし。

●2024年4月号●
≪付録商品名≫
スヌーピーすぎる♪洗濯ネット
≪寸評(私見)≫
一般的に販売されている洗濯ネットといえばスヌーピー要素など皆無だが、そこはゼクシィ付録。このネットの胴体部分には顔も耳も付いている。見たところ長い耳はブランブランしてそうだが、そこもまぁ何とか上手いことなってるんだろう。とってもスヌーピーだ。
「キャラクター名+すぎる」の例としては、ほかに「シナモロールすぎる!(2021年12月号 お掃除ハンディモップ)」、「ミニオンすぎる (2018年12月号 ドライバーセット)」などがある。

●2023年11月号●
≪付録商品名≫
ほっこりすぎる♪ミッフィー 鍋つかみ&鍋敷きSET
≪寸評(私見)≫
温かい鍋料理さえ作ってしまえばその時点でほっこりしそうなものだが、結婚を目前に控えた2人にとってその程度のほっこりでは物足りないのは周知の事実。それを補完する為に編集部が知恵を絞った結果が、この付録だろう。土鍋の永遠の相方と言って過言ではない鍋つかみ&鍋敷きに「ほっこりすぎる♪ミッフィー」を添加することで、鍋料理では補いきれないほっこり成分を補填できる。熱くなった鍋の取っ手や蓋を掴まされ、鍋の下敷きにされたとしても、ミッフィーにとっては本望というもの。考えただけでほっこりしてくる。
ちなみに前年の11月号にも同様のセットが付属しているが、こちらの品名はシンプルに「ミッフィー 鍋つかみ&鍋敷き2点SET」となっている。1年かけてほっこり成分の発見に成功した編集部の努力を讃えたい。

●2023年3月号●
≪付録商品名≫
LOVE溢れすぎる!SNOOPY もふもふマルチポーチ&印鑑ケースSET
≪寸評(私見)≫
こちらもスヌーピー。上述の洗濯ネットと異なるのは、「すぎる」がスヌーピーに係ってはいないという点。スヌーピー成分の含有量が平均的な範囲に収まっている分、LOVEの溢れ具合を多めにしてある。契約書や申込書といった形式ばった書類に使用されがちな印鑑の無機質さを、多量のLOVEでカバーできる逸品。

●2022年6月号●
≪付録商品名≫
にゃんともかわいすぎる!PAUL & JOE La Papeterieネコ柄エコバッグ&クリアケース2点SET
≪寸評(私見)≫
もはや「○○すぎる≒とても、非常に」の域を超えた超絶技巧。「かわいい」→「かわいすぎる」→「なんともかわいすぎる」→「にゃんともかわいすぎる!」と、進化していった結果である。付録のサンプルを見て、ネコ柄のあまりの可愛さに担当者が猫に変化してしまった可能性も否定は出来ない。


という具合に、ゼクシィの付録の商品名はバラエティに富んでいる。
いや、富みすぎて…否、にゃんともバラエティに富みすぎている。

重箱の隅をつつきすぎるように書きすぎると怒られすぎそうなので、「すぎる」ではない番外編で締めようと思う。

●2018年8月号●
≪付録商品名≫
式前の搬入物、スイカは3個!?、愛に至っては無限大入る!LOVEつめ放題 スヌーピー でかマルシェバッグ
≪寸評(私見)≫
「マルシェバッグ」というオシャレすぎる言い方を僕は知らなかったが、いわゆる「エコバッグ」的なバッグのようだ。結婚式の準備物というのは意外と多く、そういった搬入物はもちろん、この号の発売時期を考えればスイカの季節。結婚相手の実家に手土産としてスイカを持って行く際にも困らない。「3個!?」という表現は『小玉スイカなら8個半入ったんですけど?』『直売所で買った巨大なスイカは1個しか入りませんでしたけど?』といった、しょうもないクレーム除けの保険だろうか。しかし問題はそこではない。形が有るのか無いのか、サイズが大きいのか小さいのか我々人類が確認できていない「愛」に至っては無限大入る!のだ。ダメ押しするかのように、「LOVEつめ放題」とも。いくらLOVEを詰め込んだとしても、そうそうのことでは破れたりしない。これから新しい家庭を築いていく前途洋々の2人を祝福するかのような大風呂敷、いや、でかマルシェバッグ。これだからゼクシィは頼りになる。


この「すぎる」について、困った時に頼りになる有識者に意見を仰いだところ、「これから結婚式をしようとしている人は幸せに満ち溢れ、テンションも上がりきっている。普通の“かわいい”、“便利”程度の言葉では伝わるものも伝わらない。よって、“すぎる”を付けるくらいが丁度良いのだ」とのこと。

なるほど、たしかに僕も結婚式の準備をしている最中はギアが上がりすぎている感覚がありすぎた。

結婚して数年経ち、こんなどうしようもなすぎる記事を書いている現在の僕にとっては興味深すぎるネーミングの数々ではあるが、当時の熱量を思い出せる良すぎる機会にもなりすぎた。
これからも幸せすぎるカップル達に役に立ちすぎる情報を出しすぎ続けすぎて欲しすぎる。


遅ればせながら、ゼクシィさん、その節はお世話になりました。
役立ちすぎる誌面のみならず、「ゼクシィカウンター」で相談にも乗って頂き、おかげさまで良い式場も選ぶことが出来ました。
素晴らしいサービスに感謝しております。
結婚を控えた後輩にも紹介しました

…ので、今回の記事には目を瞑って頂けますと幸甚です。
ふざけた寸評を書いたこと、ひとつの記事に「すぎる/すぎて/すぎた」を合計49回も書いたことは反省しすぎています。
許してください。怒らないでやってください。


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