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帝京ちばリウマチ科Bulletin

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リウマチ科医が読んでためになる週刊note.
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記事一覧

研修医向け 朝回診時のプレゼン

前口上:
昔々作成した「口頭でのプレゼンテーション資料」です。勢いだけで15分ほどで作ったものですので、以下の「はぎのせんせい」部分を適切な上級医に読み替えてください。
上級医から適切な応答を引き出すためのプロンプトの書き方(言い方)と思っていただければ幸いです。

Key point

・ はぎのせんせいは忙しい
・ はぎのせんせいは忘れっぽい
・ 忙しいはぎのせんせいが過誤なく臨床判断できるよ

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帝京ちばリウマチ科Bulletin 増刊号 「膠原病の新規治療(下)」

帝京ちばリウマチ科Bulletin 増刊号 「膠原病の新規治療(下)」

こちらの記事(寄稿)の続きです。

3)全身性強皮症

指導医「続いて全身性強皮症だ。この疾患にはどのような特徴があるかな?」
研修医「手足の指から始まる皮膚硬化と血流障害が特徴の自己免疫疾患だと習いました」
指導医「そうだね、皮膚が硬化することと、血液の流れが障害されることは2大特徴で、特に寒冷刺激によって血管が痙攣を起こして可逆的に血流が悪くなることをレイノー現象と呼ぶね。レイノー現象は全身性

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帝京ちばリウマチ科Bulletin 増刊号 「膠原病の新規治療(上)」

帝京ちばリウマチ科Bulletin 増刊号 「膠原病の新規治療(上)」

患者さん向け広報誌に寄稿した内容を一部改変しました。
わかりにくいところ、明らかな誤りなどございましたらご指摘いただけますと幸いです。

非実在指導医と非実在研修医の対話篇

(金曜夕方の某大学病院、リウマチ科のスタッフ待機室〔医局〕にて)

研修医「今週もご指導ありがとうございました。膠原病って学生時代に学んだ知識と、実際に患者さんを診療させていただいたときの印象が大きく違いますね」
指導医「例

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帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.06.06-06.10

帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.06.06-06.10

ドタバタの一週間でした。今回はEULAR2022での話題に関連したシングルトピックです。

乾癬性関節炎

皮膚科の先生方を対象とした乾癬性関節炎(関節症性乾癬)のレクチャーを行いました。

特に、EULAR2022で話題になっていたのが「体軸性乾癬性関節炎(Axial PsA)」についてですが

古典的な「強直性脊椎炎」と、「乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う関節炎による脊椎病変」の

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帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.05.30-06.03

帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.05.30-06.03

2022.05.30(月)

サル痘(monkeypox)の話

UKからMonkerypox(サル痘)についての7例報告。
臨床症状:発熱、皮疹、頭痛、リンパ節腫脹、肝機能検査異常
合併症:肺炎、脳炎、角膜炎(keratitis)、細菌感染症のoverlap
"one patient had a monkeypox virus PCR-positive deep tissue abscess"

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帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.05.23-28

帝京ちばリウマチ科Bulletin 2022.05.23-28

日々学ぶべきこと・感じること・考えたことは多く、しかもそのほとんどは指の隙間から流れ去ってしまう。過去1週間の出来事も脳内、各種SNS(Twitter, Facebook)、メッセンジャーアプリ(Slack)などに散逸してしまい、視界は絶えず妨げられる。

かつてはそれでも問題なかった。記銘力にそれなりの自信があることに加えて、ほんとうに必要なら何度も繰り返し学ぶだろうというスタンスで、敢えてどこ

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