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鳥かごの鍵 17

私は冬子の家から帰る電車の中でスマホを見た。

月からメールが来ていた、
まだ17時なのに、こんな時間にめずらしい。

「こんにちは、今日は日曜日だからお休みなのかな?
俺は今日は早く仕事が終わって暇してます。」

「こんにちは、私はお休みだったから、
友達の家に遊びに行ってた。今は帰りの電車の中。」

「友達と夜ごはん食べて来なかったの?」

「彼氏が来るからって追い出された。笑」

「それは残念、じゃ今から夜ごはん?」

「うん、家に帰って冷蔵庫と相談して何か作る。」

「今から一緒にごはん食べない?」

えっ??

えっ?え!えええ!!


私は何度もメールの文字を確認した。

一緒にごはん!!

私は返事に困った。

彼からの誘いは嬉しかった、

でも今日の格好は…おしゃれじゃない…

私は迷って返信した。

「びっくり!会うってこと?いいの?私見て逃げない?」

と返信すると、

「えっ!逃げるかも!なんてうそ。逃げないよ。」

と返信が来た。

「でもごめんね。今日は突然過ぎて無理!」と返信すると、

「そーだよねごめん。今度のお休みはいつ?」

「今度の休みは水曜日だよ。」

「俺も水曜日お休み!じゃ一緒にランチしない?」

今日の月は積極的だった。
断る理由も無いし、
冬子も会ったらって言ってたし…

「うん、いいよ!」

と私は返信した。

「なんか会うのすごくドキドキする。」

「私もドキドキする。」

私は電車の中でにやにやしながらメールをしていた。

そしてフッと我に返った。

私は月のことを知っている、
このことを話すべきなのか?

近くの病院で働いてること、
カフェに行ったこと、
月になんて話すの?

私は急に不安になった。

つづく


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