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鳥かごの鍵 15

彼は私の家に来た。

「何か映画でも見よう。
古い映画でも見る?」

彼が私の家のテレビで映画を探している。

私はコーヒーを入れて、
彼から少し離れたところに座る。

彼が少し前に流行った映画を再生し始めた。
「なんで離れて座ってるの?こっち来なよ。」と、

私を自分の隣に座らせた。

映画はつまらなかった。

私は時計ばかり気にしていた。

18時半…

もしかしたら月からメールが来ているかもしれない。

「あんまりおもしろくないね、この映画」
と言って私の方を見ると、
キスして私の洋服の中に手を入れて来た。

「お風呂入ってないし」と彼の手を止めようとしたけど無駄だった。
ただ欲望を満たすだけのセックス。

彼はシャワーを浴びに行った。

私はスマホを開く、
月からメールが来ていた。

「こんばんは、たまには自炊しようと思って、
肉買って来た!
俺のカレーめっちゃうまいから、
星にも食べさせたいよ。」

………

月に会いたい。

こんな生活もう嫌だ。

私は彼の愚痴を聞いて、性欲を満たすだけの道具ではない。

彼は泊まって行くのかと思っていたら、
明日の朝早くに用事があると帰った行った。

私はもやもやした気持ちを誰かに話したくて。

冬子に連絡した。

つづく

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