【器のはなし】最近買った明治期小皿の自慢をする。そのあと傷を見せる。

先日、めちゃくちゃ可愛い小皿を手に入れた。ということで、今日はそれの自慢大会です。

白磁陽刻梅図角小皿。これ系は瀬戸焼の型物が多いらしい。型物は、名前そのまま型を使って量産されたもののこと。調べたら、伊万里焼のもあるらしい。伊万里の方が薄手とのこと。結構見かけるから、今度ちゃんと見比べてみよう。

白磁陽刻梅図角小皿:白磁→真っ白の/陽刻→浮き彫りのような模様がつけられている。彫っているわけではなく型で凸凹を付けている。/梅図→中央の模様が梅/角小皿→四角い小皿

ところで、先日手に入れたこれは切込焼(きりごめ-やき)とお店の人に聞いた。切込焼は宮城県仙台市の焼き物で、染付よりも印判が多く出る。両方ある。印判は手描きじゃなく転写での絵付方法のこと。今度その辺も書く予定。

切込焼の特徴は、表面の目跡だそうだ。目跡というのは重ね焼きをした時の跡です。

で、私のお気に入りポイントは、顔料がめちゃくちゃ飛んでること。この青のまだらな飛び散り。本当は真っ白になるのが正解なんだけど、どういうわけか模様ができている。

ここからは勝手な想像なのだが、他の器に絵付けをする時、顔料を置いている場所から非常に近いところに放置して、そのまま作業をしたら顔料が飛び散っちゃったのかなって。だとしたら管理がおおらかすぎる。良い〜。白磁に顔料飛んじゃダメだろ。

吹き墨という技法があって、これは霧吹きみたいな感じで顔料をシュワーってやるんだけど、それのめっちゃ過疎バーションみたいになっているのが良い。吹き墨ちょうど欲しかったの。違うけど、似てるからカウントしちゃう。


さて、傷があるのに気がついただろうか。見慣れている人だとぱっと見で分かるくらい欠けている。骨董屋さんだと傷があるのとないのとで値段を変えないこともあり、これも一律だった。こういう場合、交渉すれば安くなることもある。けど、交渉するほど高値ではなかったので大人しく支払う。実は一緒にもうひとつ買ったんだけど、そっちはラスト一点で傷が大きかったためかなり安かったから、いいかなって。

小ホツ
高ホツ



ここからは傷の名称の話を。頻出のものだけピックアップする。

ホツ=欠け
多分ほつれに由来。大きさが小さい順にノミホツ、小ホツ、ホツ、大ホツとなる。具体的に何ミリから〇〇みたいに決まっているわけではなく、なんとなく使い分けている。ノミホツのノミは、ノミくらい小さいという意味。
高台ホツは高ホツと略される。

ムシクイ=縁部分の釉薬剥げ。
虫が食ったような釉剥げ。窯傷の一種。

ニュウ=ヒビ
多分「貫入」のニュウ。小ニュウ、ニュウ、大ニュウ。

トリアシ=高台内のニュウ
鳥の足から。高台内に入るニュウは、鳥の足のように三叉に分かれる事が多いため。

アタリ=あたり傷
層状にヒビが入っている事が多い。これが進行すると欠けてホツになりがち。

これくらいかなあ……ちなみに今回自慢していた角小皿は、小ホツと高ホツがありました。高台のホツが大きめでガタついている。まあこれくらい小さいと、頻繁に箸を運ぶ食べ物のせないし、気にならんだろ。



前に買った似ている小皿もついでに自慢大会。

陽刻染付人物図角小皿

染付が入っているものもある。これは人が対談しているっぽい図柄。なんなんだろう。中国故事とかかな。左は側面のモチーフが白抜きなのに、右は染付で塗られている。

上のはさっき自慢した白磁のやつ

よく見たら全部高台の造りが違った。ということは、全部産地が違うね?長方形のが一番造りがいい。一番最近買ったやつのお店で、平清水でも造ってた的なことを言ってたから、それかなあ。わからん〜〜。有識者〜〜〜。きて〜〜〜〜。


ニュウがある


次回更新 11/21:器の話をする予定。今回の流れで東北の焼き物をやりたい気分。
※だいたいリサーチ不足ですので、変なこと言ってたら教えてください。気になったらちゃんと調べることをお勧めします。


めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。