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お金はどうやって生まれるの?

よう、みんな。

前回はお金とは何かって話をしたんで、今回はお金はどうやって生まれるのかってあたりのことを書いていきたいと思う。

お金と借金

前にも話した通りお金は債権債務っていう約束事の記録だ。だから基本的にお互いの合意があれば原理的にはいつでも発行はできる。
ただし、この日本国内全域で使えるお金となると話は違ってくる。通貨発行できるのは誰かってのは法律とかでもう決まっているんだ。
 
1)日本政府-通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条、第5条で硬貨発行の権利

2)日銀-日本銀行券法第46条で紙幣発行の権利
 
3)銀行-準備預金制度などで定められた信用創造。日銀も信用創造が可能。
 

とまぁ、この3カ所でだけ新たにお金を作る権限を持っている。でなきゃ、誰もが日本円を発行したら価値がなくなってしまうからな。
硬貨や紙幣は物理的に鋳造したり刷ったりして作るからイメージしやすいだろう。じゃあ、信用創造はどんな風になされるのかな。
 

万年筆で信用創造

信用創造っていうのは、銀行が客にお金を貸し出す時に自分とこの客の預金口座に貸出額を書き込むことだ。流れとしてはまず客が銀行に融資をお願いしに行って、銀行が客の借り入れ目的やら担保やらを確認してOKならその銀行の客の口座に融資した分の残高を書き込むってとこだ。この時、銀行は客に貸すお金をどうやって用意するのかって話で大体こんな説明がされる。
 


ウサギさんから100万円の預金を預かるゴリラ銀行がキツネさんへ50万円貸出を行ったとします。
この時、通常ならこの50万円はBさんがゴリラ銀行にある預金口座に振り込まれます。
一方、ウサギさんから預けられた100万円が50万円分だけキツネさんへ移動したのですが、ゴリラ銀行の預金口座上では「ウサギさんの預金100万円」+「キツネさんの預金50万円」=150万円のお金が存在することになります。
これが「信用創造」の基本的な考え方となります。
キツネさんが「貸出」を返済する前には、ゴリラ銀行の手元で自由に使えるお金は50万円しか無いから、もしウサギさんから100万円を今すぐ下ろしたいと言われても対応できません。だからキツネさんにはお金をキッチリと返してもらわないといけないし、銀行もカスミを食って生きてるわけではないので利子もつけないといけません。 

 

こういう説明を又貸し説というんだけど、これだとある問題が出てくる。
 
🔥🔥🔥🔥🔥ウサギさんが口座から50万円持っていかれたことに気づいたら爆ギレするよね💢💢💢💢💢
 
そこに気づいたらもう分かるだろ。又貸し説が間違いだってことが。じゃあどうやってお金を用意するかって?用意する必要さえない。だって前回も言ったとおりお金は債権債務を記録した数字なんだもの。口座に貸し出す金額さえ書き込んだらその瞬間にお金は生まれるんだ。これがいわゆる『万年筆マネー』だよ。



そのお金はもう普通に他の口座に送ったり買い物に利用したりできる。つまり借金こそがお金を生み出す行為なんだよ。
より詳しい内容は望月慎さんのこの記事を参照

日銀の信用創造

日銀も中央銀行っていう一つの銀行だから同じように信用創造ができる。大抵国債という政府の借用証書を民間銀行から受け取ったときに日銀当座預金っていう政府と金融機関だけが持つ口座に書き込む流れだ。流れとしてはこんな感じだ。
①政府が国債を発行する
②民間銀行が買う
③民間銀行→日本政府の日銀当座預金口座に記帳
④日銀が国債を買い取る→民間銀行の日銀当座預金に記帳
 
と、こんな具合に政府の持つお金が増えてそれで金融緩和や財政出動をしているってわけだ。ただ、日銀当座預金って民間銀行と違って他の銀行口座と直接残高をやり取りできないから政府は小切手を出して公共事業とかを依頼する企業に支払うんだ。
図にしたらこんな感じだね。

三橋貴明氏作成お金の流れの図

図のように政府が出した小切手を企業が受け取り、それを銀行に持っていくとその分の額が口座に書かれる。これで日本国内のお金の量は増える。
ちなみに小切手はどうなるかっていうと最終的に銀行が日銀に持っていって日銀当座預金にその分の額を書いてもらうことになってる。国債も同じ形で日銀に買い取ってもらうことができる。
ここで一つ大切なことを言っておくとな、政府はこういう形の借金で首が締まることはないってことだ。だってそうだろ?さっきも書いたとおり硬貨という形で日本円を発行できる政府が日本円を借りるんだ。まず返済不能になるはずがない。
でもそうやってお金をどんどん世の中に流し過ぎたらインフレになるんじゃないかって?そのへんの話はまた次回。


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