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フランス料理の始め方~特徴・揃えるべき道具・簡単なレシピ解説~初心者向き

#おうち時間を工夫で楽しく

はじめに

私は、普段フランス料理をプロ向けに動画配信しています。しかし今回はもっとフランス料理を知ってもらいたく思い、初心者向けの記事を書くことにしました。

難しいからこそ、奥深いからこそ、極めるのが楽しいフランス料理。プロになりたい人や、凝った趣味が欲しい人向けです♪

基礎的なところから知りたい方にむけて解説していきましょう。


どこからがフランス料理なの?

エスコフィエが築いた技法の多くは、19世紀フランス料理の創始者として知られるシェフ、アントナン・カレームの技法を基礎としている

こんな文章を読んでもよく分からない!という方に向けて分かりやすくかみ砕いていきます。大まかに分類するとフランス料理は、このような傾向に分類されます

フランス料理の特徴

フランスという土地柄によって、様々な料理が発達しました。フランスでは食材を保存するという調理法に長けており、その延長で出汁やソースの文化も発達したともいわれています。

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・長期保存が可能な料理が発達した

・出汁をとったり、ソースを作る文化が発達した

・コース料理が発達した

・ビストロが日本では流行している

出汁をとったり、ソースを使う文化は日本でも馴染みがあるものも多く存在していますよね。お肉のソースによく使われる『赤ワインソース』や野菜をすり潰してた状態にする『ピュレ』、ほかにも出汁として使われる『コンソメ』などなじみ深い料理が多くあります。

地域によって違うフランス料理の数々

こんなにも、地域によってのフランス料理が存在しており、皆さんも聞き覚えのある料理が多いのではないでしょうか?

アキテーヌ料理 
鴨を使った料理(フォワグラ、コンフィ、マグレ・ド・カナール、)ピプラッド、バスク鶏、エスペレットの赤トウガラシ、カヌレ(ボルドーの郷土菓子)、ボルドーワイン
オーベルニュ料理
ピュイ・アン・ブレーの緑レンズ豆、トリュファード
ブルゴーニュ料理 
エスカルゴ、ブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)、パセリ入りハム、 ディジョン産マスタード、クロッタン・ド・シャヴィニョール、ブルゴーニュワイン
ブルターニュ料理
小麦粉のクレープ、そば粉のガレット、魚介類、プルーン入りフラン、 クイニー・アマン、シードル、
シャンパーニュ・アルデンヌ地方の料理
白ブーダン、シャンパン、ハムなどの加工品、シヴェ(イノシシや鹿の赤ワイン煮込み)、ブロッチ(羊乳チーズ)
フランシュ・コンテの料理
チーズ(コンテ、モルビエ)、アミガサタケ添え雌鶏料理、モルトー・ソーセージ、黄ワイン、キルシュ
ラングドック・ルシォンの料理 
カスレ、ブランダード、ガルディアーヌ(肉の蒸し煮)
リムーザン Limousin 
そば粉のクレープ、テット・ド・ヴォー(子牛の頭肉)、りんご
ロレーヌ Lorraine
キッシュ・ロレーヌ、ビール、白ワイン、果実酒
カスレ、フォワ・グラ、ハムやソーセージ、フランドル風牛肉のビール煮
ノルマンディー Normandie
カマンベールチーズ、子牛肉のソテー)
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール Provence Alpes Côte d'Azur 
ブイヤベース(魚のスープ), アンショアイアッド、アイオリ(ニンニク入りマヨネーズソース)、ピウトゥ、、フガース(オレンジ風味のブリオッシュパン)
リヴィエラ Riviera  ニース風サラダ(トマト、インゲン、ゆで卵、ツナ、アンチョビ入りのサラダ、ラタトゥイユ
ローヌ・アルプ Rhône-Alpes 
サヴォワ地方のチーズ・フォンデュ、クネル、サラミやハム
海外領土 Outre-mer
サモサ、カリ(肉や魚を野菜と煮込んだ料理)

大まかに必要な道具

勘違いされがちですが、フランス料理だからといって、変わった調理器具を使うということはありません。

しかしあったらいい物も沢山あるのも事実です。私がお勧めする調理器具を解説つきで紹介していきましょう。


・鍋・フライパン

ティファール フライパン 鍋 9点 セット IH対応 「 インジニオ・ネオ IHステンレス・エクセレンス セット9 」 チタン エクセレンス 6層コーティング L93989 取っ手のとれる

フランス料理の命ともとれる鍋シリーズ。基本的にはソースの色の変化が識別しやすいステンレス色がお勧めです。

さらに、サイズも種類が多いほうが後々便利になるでしょう。小さめの鍋でソースを温めたり、フランス料理によくある煮込み料理では大きいサイズが重宝します。一つ一つ買いそろえるより、セットで買ったほうがすぐに始められます。


お金に余裕がある場合はプロの製品もお勧め

・銅鍋シリーズ 最高峰の調理器具

Mauviel 6801.20 M'Heritage 2.5 mm 3.5l 20 cm Saucepan, Copper 


MAUVIEL 1830 M'heritage 150 コパー ロンド 24cm フタ付 613025 613025 


MAUVIEL 1830 M'heritage 150 コパー シチューパン 16cm フタ付 613117 613117 


・おすすめの包丁とその長さ

プロが使用する包丁のサイズは、最大で27センチ~30センチの牛刀です。そこから用途によって小さい物や中ぐらいのものと使い分けます。

藤次郎プロ 牛刀27cm  

日本の包丁メーカーが手掛ける、洋包丁シリーズ。私がお勧めする包丁でデザインも性能も取り回しもすべてにおいて素晴らしいです。この包丁シリーズは研ぐところから始めなければならないので砥石を忘れずに。

家庭であれば、24センチをチョイスしましょう!

藤次郎プロ 出刃12cm 

日本の包丁メーカーが手掛ける、洋包丁シリーズ。私がお勧めする包丁でデザインも性能も取り回しもすべてにおいて素晴らしいです

普通サイズの魚をさばく場合は15~21センチ前後のものを購入しましょう。この包丁シリーズは研ぐところから始めなければならないので砥石を忘れずに。

藤次郎プロ 柳刃24cm 

日本の包丁メーカーが手掛ける、洋包丁シリーズ。私がお勧めする包丁でデザインも性能も取り回しもすべてにおいて素晴らしいです。

刺身用の包丁ですので、魚の身を切らない方は必要ありません。片刃の包丁は切れ味が抜群にいいので、持っておいても損はないでしょう。

堺一文字光秀 筋引き24cm ステンレス 

こちらは超一流の堺一文字のブランド。切れ味も取り回しも抜群でプロでもよく使われる包丁。

多くの包丁をあまり持ちたくない方や、一本だけでいい場合はこの一本で十分です。まずはこの包丁からチョイスするべきです、

両面型 砥石 

その他の必需品

柳宗理 日本製 ステンレス ボール 5点セット フルサイズ (13.16.19.23.27cm) 

ボウルはホームセンター等で実際に見て購入したほうが、質感もわかるのでお勧めです。底がしっかりと凹凸の無い物を選びましょう

バット セット ステンレス 樹脂蓋付き 

バットは必需品です。特にフランス料理では細かい作業が多いため、いくつあっても足りません。網で底上げできるタイプのものも必須です

キッチンツールセット シリコン 23点セット フライス返し おたま ポテトマッシャー ブラシ スパチュラ スプン トング 泡たて器 計量スプン2種類 ハサミ 多機能おろし器 缶切り 栓抜き ピザーカッター ピーラー 

分からない方はとにかくセットで購入すれば何とかなります。いらないものがあってもいざというときに役に立ちますよ。その中でもトングとハサミ、スライサーやすりおろし器などは欲しいところ

コンベクションオーブン トースター ノンフライヤー グリル機能 15L PFC-D15A-W ホワイト

低温にもしっかり対応しているものを選ぼう。さらにこのオーブンはファンがついているので、オーブン内部の温度差を小さくしてくれる。上火や下火にも対応しているのでお勧めです

・特殊な調理器具

低温調理器 真空調理器 スロークッカー IPX7防水 低温調理器具 防水機能搭載

フランス料理の特有ともいえる、低温調理ができる特殊な調理器具。最近では低温調理が流行しているので余裕があるならぜひ持っておきたいアイテム。本格的になればなるほど使用頻度が増え、必需品になるだろう

FoodSaver 【公式】 真空パック機 フードセーバーV4880 ジッパーバッグ S18枚+L12枚付

言わずと知れた、真空包装用の器具。食材を保存するために使えば長期保存が可能になり鮮度の維持も抜群。お肉を真空して保存したり、魚を真空して保存することが出来る。それだけではなく、そのまま低温調理する際にも便利。低温料理器具と合わせて持っておけば、フランス料理のほとんどは作ることが出来るといっても過言ではない。安価なものを買うと、真空度合い、吸引力が弱いので、ここは惜しみなくいい物を買おう

スモークガン(燻製機) 


まずはこの料理から作ってみよう(レシピ付き)

①キッシュ・ロレーヌ

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キッシュ(仏: Quiche)は、卵と生クリームを使って作るフランス、アルザス=ロレーヌ地方の郷土料理

<パート・ブリゼ>
小麦粉 100g

無塩バター 60g

卵黄 1個

塩 少量

全ての分量をミキサーで回すか、ボウルに入れて混ぜるだけです。

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パート・ブリゼとは、キッシュの土台の名前のことを指します。この土台に関しては【冷凍のパイ生地】で代用しても大丈夫!うまくできます。覚えておくと、ほかのフランス料理にも役立つので、時間がある場合はぜひ作ってみてください。

・型が無い場合は?

専用の型が無くても大丈夫です。耐熱性がある器であれば作ることが出来ます。

・耐熱容器でも作れます

・テリーヌ型でも作れます


そこに生地を敷いてあげて、次にでてくるアパレイユを流し込むだけです。


<アパレイユ>
①全卵 1個分

①卵黄 1個分

①牛乳 125ml

①生クリーム 125ml

②ベーコン 3枚


あると尚良い物:ナツメグのパウダー

をすべてボウルに合わせる。しっかり混ぜて置き、コンソメ顆粒や塩などで味の調整をしておく。好みの味にしておこう

炒めたベーコンを先ほどの①の中に入れる。ほうれん草を入れても美味しくできす。

あとは、アパレイユを流し込んで180度のオーブンで焼き上げるだけ!卵が固まっていき、写真のように膨らんで美味しいキッシュができます。


今すぐ始めてみる場合のお勧めセット

貝印 KAI タルト型 COOKPAD 底取式 15㎝ レシピ付 日本製 DL8013


フランス料理の代表的な調理方法

フランス料理の特徴は何といっても、料理の名前を調理技法で呼ぶところですね。その中でもとても代表的な調理方法を10つ紹介します。

難しい解説や説明は抜きにして、分かりやすく説明します。

・ポワレ

基本的にはフライパンで焼き上げることを【ポワレ】と呼びます。様々な解釈がありますが、結局フライパンで焼く作業のことを指します

・ロティ

英語名のローストをフランス語にすると【ロティ】になります。オーブン等で仕上げる方法を指しています

・コンフィー

油の中で食材を調理する技法のことを言います。長期保存する場合などによく用いられていた技法です。よく間違えられるのが低温調理とコンフィーを一緒に解釈していること。コンフィーは保存性を高める為の技法であるということを覚えておこう

・ブレゼ

日本でいえば【ふくませ煮】のようなものです。よく醤油と味醂と酒で食材を煮るような技法をフランス料理ではブレゼと言います。厳密には蒸しながら煮るですがややこしいので説明はやめておきましょう。

・ブランシール

簡単に説明すれば、ボイルすることをフランス語でブランシールと言います。

・ヴァプール

蒸し上げることを言います。ブランシールと発音が似ているので何となくよく間違えてしまいます。

・ポシェ

ポシェはフランス料理にだけある独特な調理法です。分かりやすく説明すると【塩水で臭みを消すために、湯通し】することがありますよね。この感覚い近く、フランスでは白ワインやレモン汁などをよく使います。

・ファルス

何かで詰めるときに使う技法です。ロールキャベツをフランス語になおしたらキャベツファルスです。このように覚えると分かりやすいでしょう。

・マリネ

素材を酢や塩、油やワインなど、様々な調味料で漬けて味や香りをつけることを言います。

・ミキュイ

簡単に言うと、半生の状態のことを指します

お世話になった参考書

私が実際に、料理を始めた初期のころに賄いや、レシピの構成を参考にした本です。正直なところ本で見るととても難しく感じます。



・いちばんやさしいフランス料理

私が一番初めに手にした本です。正直に言いますが【いちばんやさしい】と書いてある割に、始めたてのころからすれば難しく感じました。しかしレシピを参考にしたのは事実で、使えない食材などは他の食材で代用できないか試行錯誤した記憶があります。いちばんやさしいと謳っている割にオマール海老等を平気で登場させるような本です。


・料理に使える付け合わせバリエーション

フランス料理らしい料理が作りたい方はピッタリです。バリエーションが多く、さらに食材も簡単なものが多いです。茄子の使い方のバリエーションやトマトの使い方のバリエーションが豊富で、初期のころは一番お勧めできます。いちばんやさしいフランス料理と合わせて購入した記憶があります。なかなかいい本だっと記憶しています。


・一流シェフが手ほどきする 人気のビストロフレンチ

この本はレシピとしては、かなりしっかりと作られており付け合わせのバリエーションも豊富です。さらにフランス料理に関する食材の背景や歴史までおまけで掲載されています。レシピの信ぴょう性は高く、これ一冊でビストロフレンチはマスターできるでしょう。レシピ量と見やすさが桁違いです


・料理の科学大図鑑

値段としては高価ですが、非常に分かりやすく名前の通り図鑑です。化学的に料理を考察したい人向きで写真もきれいです。なにか困ったときに持っていれば大抵の謎は解けるかもしれません。もちろんフランス料理に欠かせない知識は多く乗っています



お勧めの映画・ドキュメンタリー番組

私がお世話になってきた映画やドキュメンタリー番組を紹介します。フランス料理を始めるきっかけになるかもしれません。

・二つ星の料理人

正直この映画に影響をかなり受けました。もう10回くらい見ているでしょうか。そのくらいお勧めです。


・シェフのテーブル

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この番組はネットフリックスで公開されている、ドキュメンタリー番組です。スーパーシェフが一人一人紹介されており、料理シーンも多いのが特徴的です。生い立ちから、志したきっかけや、なぜその料理を作ったのか、また厨房内部の様子まで見ることが出来ます。一人ひとりのシェフを覚えて、好きなシェフを作るきっかけになること間違いありません。

・ファイナルテーブル

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こちらもネットフリックスのドキュメンタリーです。並べられた食材から課題の料理をつくりあげていきます。二人一組でコンビネーションや即興性・スピード、とんでもなくレベルが高いです。フランス料理だけではなく、メキシコやアメリカン等、様々な料理の神髄が見られます。


まとめ


なんとなくフランス料理について理解が深まったのではないでしょうか?

まだまだ詳しく知りたい!!という方がいたら、ほかの記事も沢山公開しているのでチェックしてみてくださいね。

レシピや細かな工程はこちらから


これから始めたいと思った方は、ぜひ挑戦してみてください

ではまた次回の記事で会いましょう!


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