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【1℃から70℃まで】野菜/魚/肉別の重要な変化による”温度別管理一覧表”

温度 (℃)用途・影響

食材別の細菌/タンパク質(肉、魚、野菜)脂肪酸/発酵、ペクチンなど様々な温度分布を纏めました。


0〜1℃

生肉や生魚は、微生物の成長を抑制し、鮮度を最長限保持するため、0℃から1℃の範囲でのチルド保存が推奨される。この温度範囲は、食品の安全を確保する上で最も効果的であり、食中毒のリスクを最小限に抑える。

ドライエイジング熟成として、室温0~3℃、湿度70%ほどの専用の貯蔵庫内で、空気を循環させて肉に風を当て、数週間から数か月程度の時間をかけて乾燥させ、熟成させるアメリカで確立された技法で使われる温度。

2〜4℃

低温保存が推奨されるその他の食品(例えば、デリケートな果物や野菜)に適しており、これらの食品の鮮度と品質を保つのに役立つ。

5℃

家庭用冷蔵庫での一般的な設定温度。この温度では、多くの食品が安全に保存できるが、生肉や生魚には最適ではない可能性がある。野菜室は3℃から7℃が適正な温度になり、野菜をフレッシュまま保存することができる温度になります。しかし野菜室に適していない野菜もあるので注意する必要があります。

6℃

ワインやビールなどのアルコール飲料の保管に適している。温度が低すぎると風味が損なわれ、高すぎると熟成が速く進みすぎる可能性がある。日本で主に流通している「ラガービール(ピルスナーなど)」は、6~8℃が飲み頃温度。

7℃〜10℃

チーズ類の熟成に適した温度。特にソフトチーズやリークチーズの風味を保つために推奨される。チーズの最適な熟成条件は低温度(8~12℃程度)、高湿度(85%以上)の恒温・ 恒湿度条件ならびに、チーズ表面の乾燥を防ぐため、風速が微風若しくは無風であるこ とが経験的に知られています。

野菜の貯蔵に最適。特にジャガイモや人参などの地下野菜の保存に適しており、発芽を防ぐ。

11℃

一部の白ワインやロゼワインの保存に適した温度。一般的に辛口なら10度前後、甘口やスパークリングワインなら6~8度程度が白ワインを美味しく飲める温度といわれています。

低温菌(好冷菌)は、10℃~20℃、あるいはこれ以下の低温で最もよく繁殖する。5℃でもよく繁殖するので冷蔵庫でも安心はできない

12℃

セラー内でのワイン保存に一般的に推奨される温度。ワインの風味と熟成過程を最適に保つ。

13〜15℃

オレイン酸が融解する温度。これは一価不飽和脂肪酸で、魚やオリーブオイルやアボカドオイルに豊富に含まれています。オレイン酸の融解温度は約13℃です。特に脂の多い魚にオレイン酸が含まれていますが、主要な脂肪酸は多価不飽和脂肪酸の方が多いです。

豚肉牛肉の動物性脂肪にもオレイン酸が含まれていますが、一般的に割合はかなり低めです。

カビの発生の最適温度は25~35℃で、15℃以下あるいは40℃以上になると増殖率は低下する。しかし、家庭用冷蔵庫(0~10℃)でも増殖の速度が小さいだけで、カビは繁殖する。

耐熱性は60℃までで、60℃では10分から15分程度で死滅する。ある種のカビは胞子を作り、耐熱性をもつようになるため、殺菌するのが非常に困難である。たとえば、通常の菌の胞子で100℃、5分間に耐えるものはざらにある。

16℃〜18℃

特定の乳製品や発酵食品の保存に適した温度。微生物の成長が活発化し始める低い温度、特にヨーグルトや乳酸発酵に利用

ヨーグルトの発酵温度は、種類によって異なります。中温性乳酸菌で、適正発酵温度は20~30℃とされています。同じく代表的なTGGヨーグルト(豆乳グルグルヨーグルト)の乳酸菌の適正醗酵温度は16~20℃とされています。また、IDEA Labelは、ヨーグルトや甘酒など8種類の発酵食品が作れる発酵器で、温度設定は65℃(カッテージチーズも作れる)までです。

種子発芽やいくつかの植物の成長に適した温度。

19℃〜22℃

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