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老後の「見えない敵」との向き合い方:丹羽宇一郎氏の体験から学ぶ

人生の佳境を迎えた今、元伊藤忠商事会長であり、民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎氏が、歳を重ねたことで見えてきた新たな視点を語る著書『老いた今だから』。その中で彼が直面したのは、予想もしなかったリウマチ性多発筋痛症という病気でした。常に健康に気を使い、毎朝の散歩を欠かさなかった丹羽氏にとって、突然歩けなくなるという現実は驚愕の出来事でした。

入院生活を経て、少しずつ仕事に復帰したものの、再び体調を崩し、長期間の自宅療養を余儀なくされた丹羽氏。彼が語る病気との闘いは、身体の不調だけでなく、心の葛藤や薬との向き合い方にも及びます。現在は薬まみれの生活を送り、7種類もの薬を服用している丹羽氏ですが、それでも症状の改善が見られない日々に、苛立ちや不安を感じることもあります。

彼が痛感したのは、どんなに慎重に治療を進めても、病気の治癒は一筋縄ではいかないという現実です。医師との相談の末、薬の量を減らしてみたものの、さらなる改善が期待できるかどうかは未知数。時には、薬を減らすことで逆に症状が悪化することもあるため、治療方針の決定には慎重さが求められます。

丹羽氏の経験から学べるのは、老後における健康問題や病気との向き合い方の難しさです。薬がすべての解決策ではないこと、そして時には医者でも答えが見つからないこともあるという現実。老後を成功させるためには、健康管理や医師との信頼関係だけでなく、自分自身の心の持ち方も重要だと丹羽氏は語ります。

丹羽氏の経験を通じて、私たちもまた、老後の生活における「見えない敵」とどう向き合うべきかを考える必要があります。病気や薬との関係は、単なる治療だけではなく、老後をどのように充実させるかを問うものでもあるのです。

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