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ある作文に感動して書いた小説③

 

 だっこ③

  「それはね、しっと、っていうらしいよ。わたしもいもうとに、しっと、してたからわかるんだよね」

 さすがにけいけんしゃの言うことにはせっとくりょくがあり、ふむふむと、はなしをきいてしまう。

 「カナエは、パパと、ママに、してほしいことってないの?たとえば、いちにち、ママとずっとあそびたいとかさ、パパと、ゆうえんちにいって、のりものに、のりまくる、とかさ」

 「う、うーん…」

 いきなりそんなふうにきかれても、どうようしてしまう。

 「まずはそれをさがして。みつかったら、すなおに、あまえてみたらいいんじゃないの?」

 ユウナのママがよういしてくれたビスケットをかじりながらユウナがおとなっぽいかおで言った。わたしもいつかユウナのように、なれるだろうか。ならないといけないのだろうか。


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