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夏越の祓〜「八坂神社」茅の輪くぐりと建仁寺塔頭「西来院」散策〜


散策のきっかけ

公私ともども、人生最高に忙しかった、今年の4、5月。
やっとひと段落ついたかな、と気の緩みもあったのか、6月に入り、コロナに感染してしまいました。
(そのときの意外な気づきについては、下記の記事にありますので、もしよろしければお読みください。)

実はその後、ずっと体調不良が続いていました。
病後だから仕方ない、ゆっくり療養していこう、と思っていたのですが、それにしては、毎日やけに、調子に波があります。
やっと元気になった!と思って喜んでいると、翌日、起き上がれないほどのしんどさに襲われたり。

そしてもう一つ。
夜になると、眠れません。
夜中、1時間おきくらいに目が覚めてしまい、ちっとも眠った気がしません。

そんなとき、あ!この不調は、もしかして、こころの病からきてる?
とようやく思い当たりました。
何十年も病歴があるのに、どうしてまぁ、いつもこんなに、気づけないものなのか。
自分でも呆れてしまうけれど、そこがこの病の怖いところなのかもしれません。

昨年秋から、いろんなことが重なりました。
体ばかりでなく、精神的にも、辛い出来事がたくさんありました。
わかってはいたけれど、立ち止まると、再び動き出せなくなりそうで、直視せずにいましたが、もうはぐらかすことができないくらい、疲弊しきってしまったようです。

八坂神社の茅の輪くぐり

主治医に薬の調整をしてもらったおかげで、なんとか夜中はまずまず眠れるようになりました。
やれやれ、良かった、とほっとして迎えた週末。
時はちょうど、6月末。
そうだ、茅の輪(ちのわ)をくぐって厄落とししよう!
と向かったのは、祇園にある八坂神社、通称八坂さんです。
境内の茅の輪をくぐることで、半年の厄を落とし、これから半年、無事過ごせるようお参りに行くことにしました。

まずは本殿にお参り

私にとって寺社仏閣は、気分を整えに行くところ、リフレッシュできる場所です。
でもこの半年、そういう余裕をぜんぜん持てずにいたなぁ、と今更ながら思います。
どこかお参りに行きたいな、と思う気持ちも、生活に余裕がなければ、生まれないものなのですね。

知らない方ですが…お参りの姿拝借させていただきました

こちらが、今日の本命、茅の輪くぐりの様子です。
お参りの仕方として、まず茅の輪をまたぎ、♾️を描くように、左回り。正面に戻ってきたら、軽く頭を下げ、次は右回り。また軽く頭を下げ、最後に茅の輪をまたいでまっすぐ進み、振り返って茅の輪に向かって頭を下げる、という具合です。
長い行列ができていましたが、みなきちんとお参りされていて、それぞれの夏越にかける思いを感じました。

建仁寺塔頭「西来院」へ

そして今回、もう一つ行きたかったのが、建仁寺の塔頭「西来院(せいらいいん)」です。
友人が仕事の関係で、よくそちらへお伺いしているそうで、たびたび写真を送ってくれていて、一度行ってみたいと思っていたのです。

八坂さんを後にして、四条花見小路を入り、建仁寺へ。
わかりやすい敷地地図があり、すぐ「西来院」は見つかりました。

明るい気を感じる開放的なお庭。下に見えているのはシランという蘭です

感じのいい受付の方から、室内も写真自由です、と言われ、そろそろと中に入ると、目に飛び込んできたのが、この景色です。
なんとまぁ、ほっこり落ち着く空間なのでしょう!

それぞれゆったりした時間を楽しみながら。住職はお庭に水撒きをされていました

窓枠もなく、お庭が開放されていて、部屋には小さな座卓と、いぐさで編んだ円座がいい感じに置かれています。
外を見ると、ブルーボトルコーヒーのキッチンカーがいて、そちらで飲み物を購入して、中でゆっくり飲めるようになっていたのです。

でもそれに全く気づかず、拝観受付をしてしまった私。
こんな素敵な縁側で飲むコーヒーは、さぞ美味しいだろうに、と思うものの、またコーヒーを買い求めに引き返すことが惜しいほど、目の前の景色にすっかり夢中になってしまっていました。
そのくらい、居心地の良いお庭だったのです。

一つだけ置かれていたロッキングチェア。日がな一日過ごせそう

もう一つ、奥にお部屋があり、そちらは本堂でした。
中へ進むと、こちらは白砂のお庭がありました。

秋になったら紅葉を見にまた訪れたいなぁ
白砂は水面ではなく、雲の流れだそう

私はてっきり、枯山水のお庭かと思ったのですが、ガイドさんの話では、奥に置かれている石は、中国のものだそうで、お庭は峨眉山を表しており、苔の部分は山の峰々、白砂は、峰の下に見える雲を表しているのだそう。
水の流れでなく、雲の流れとは、珍しいですよね。

お寺で達磨大師に出会えると、なんだか嬉しい
裏の小さな縁側。夏は涼しくて気持ち良さそう

こんなおしゃれな坪庭もありました。

鉢の水に蘭の花が。さすが通称「蘭の寺」です

どこをどう切り取っても、絵になるお庭やしつらえ、また写真もOKという姿勢に、新しいお寺のあり方を感じました。

陳漫さんという女性画家さん作。天井には龍の絵もありました

八坂さんで邪気を祓って、凛とした気持ちになり、西来院でこころもゆったり落ち着くことができました。

締めくくりは、水無月

そして、今回の散策の締めくくりは、やっぱりこれ。
水無月という、ういろうの上に小豆が乗っている和菓子です。
三角は、氷を表し、暑気払いや魔除けの意味が込められているそうです。

体もこころも満たされました。ごちそうさま

さて、明日から7月です。
猛暑突入、これから夏本番です。
苦手な季節だけれど、マイペースで、ぼちぼちと。
またこんな素敵な散策に出かけられるよう、楽しみに過ごそうと思います。


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