![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50320837/rectangle_large_type_2_e2cf5b24f26a3f3b5311dcfcada34970.jpg?width=800)
花もみぢ 冷泉家と京都 冷泉貴実子
冷泉家の御文庫はこうして守られていく。
「ブラタモリ」で冷泉家の所蔵品が公開された時は、もうそういう時代なのだなぁ~と驚いたものです。
藤原定家の流れを汲む歌の家、家名のはじまりは平安京の13世紀中盤で、京都の冷泉家は1606年から同じ場所にあるそうです。
第二十五代為人夫人貴実子さんが書きとめた邸の解体修理という一大事業と京都の暮らしです。その家を、というよりも脈々と受け継がれてきた文化そのものを守る事業だったのですね。
これぞNoblesse oblige ノーブレス・オブリュージュ
ノーブレス・オブリュージュ、身分の高いものはそれにふさわしい社会的責任を果たす義務があると言われます。
冷泉家にとって受け継がれてきた所蔵品だけではなく、文化を形成してきた京都の行事や暮らしを受け継ぐこともまた果たすべき役割ととらえられます。
私たちの暮らしとは違う世界を知る。
私たちの日々の暮らしの源にあるものにふれる。
かつては篤志のある地方の素封家がそういったものを伝えてきたように思いますが、時代とともに難しくなっていますよね。
冷泉家ですらその難しさに直面したことに驚かされます。
なくしたら二度と戻らないものが簡単に切り捨てられてしまう風潮にあるなかで、貴重な文化を守られた努力に頭が下がります。
なんて辛勝に思うわけです。
書肆フローラは、オーストラリア国営放送のアナウンサーから出版業界に転じた遠藤知子さん(S19年生)が地元の秋田に戻って続けられている気になる出版社です。
そのフローラから平成二十三年に発行されました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?