モーテル・クロニクルズ
あの頃のサム・シェパードのカッコよさったらどういえばよいのだろう。
あの頃のサム・シェパードは、ロックバンドのドラマーで、パティ・スミスにも信頼され、デュランのローリング・サンダー・レビューの記録者になり、戯曲でピュリツァー賞をとり、「パリ・テキサス」のシナリオを描き、俳優としても活躍し、ジェシカ・ラングと結婚して、ケンタッキーで暮らす、メインストリームから距離を取りながら存在感を示していました。
そのサムの原点ともいえるアメリカの原風景が浮かびあがる詩と短い散文を収録したのが「モーテル・クロニクルズ」。
「パリ・テキサス」のイメージはこの本から
ヴィム・ヴェンダースの「パリ・テキサス」はここからイメージを得たと言われています。
サム・シェパードはカウンターカルチャーのスターですが、(政治的にではなく)アメリカを愛する愛国者でした。
時代の最先端にいて古い時代と歴史に感傷的になる
1980年頃に書かれ、クロノジカルではなく無秩序に並んでいます。それが彼のアメリカに対するイメージをより膨らませます。
初版、帯に破損あり。
サム・シェパードの作品は戯曲も含めて復刊してほしい気もしますが…。
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