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フィリピン料理がまずい理由を考えた

フィリピン料理はまずい!脂っぽい。甘い。塩っぱい。炭水化物ばかり!フィリピンに初めて行ったときはほんとにビックリしました。

海外旅行で楽しみなのが食事です。タイやベトナムは食事がおいしい。だから、世界中でレストランを見かける。フィリピン料理屋って見かけることはほとんどない。それはフィリピンの食事はまずいから。日本でも地方のおいしいものは東京で手に入ります。おいしいものはほっとかれないんです。

食のニーズは経済力で変わる

なぜおいしくないのか?自分なりに考えてみました。

経済的な成熟度によって食のニーズは変わる。そして、お金があるほうが食のニーズは多様化して食文化は育つ。

最初は食べれたら幸せ。それが、満腹まで食べられたら幸せ。おいしいものが食べられたら幸せ。いろんなおいしいものが食べられたら幸せ。となっていく。

おいしいものが食べれるのが当たり前になると、おいしさ+栄養バランスや健康的な食事を求めるようになってきて、食べるモノの見た目、食べる空間の要素も含まってくる。さらに食を満たすだけじゃなくて娯楽の要素も入ってくる。

フィリピンでは満腹が幸せな層が多い

それでいうと、一般的なフィリピン人は満腹になったら幸せなことが多いように感じる。彼らにとって、米(炭水化物)は(満腹になるために)コスパのいい食べ物です。だから、味の濃いオカズで、米をたくさん食べます。米を食べるためにオカズがある。満腹になるのが幸せなんです。炭水化物が好きなんです。

フィリピンの都心では野菜が高いです。お腹いっぱいにならない野菜に高いお金を払う意味はフィリピン人にはわからないような気がします。

同じフェーズなら、トウモロコシが主食の国ではトルティーヤを食べて、小麦が主食の国ではパスタやパンを食べる。一番エネルギー効率がいい炭水化物を食べる。豊かになるとオカズの予算が増えていく。

だから、日本人がフィリピン人にオススメの料理を聞いてもダメなんです。栄養バランスやおいしさよりも、安さや満腹度のプライオリティが高いことが多いからです。安くて腹一杯になる料理をオススメされることが多いです。

あと、僕たちだって、日本中の郷土料理を全部解説するのは難しいですよね。フィリピンは島国でエリアごと違う言語を使い、食文化も違います。フィリピンの人は日本人ほど国内旅行をしていません。だから、セブの人はセブの料理しか知らないことが多いです。

じゃ、フィリピンに住んでいる日本人が詳しいかとそんなこともないです。お金を持ってる日本人は油っぽいフィリピン料理を食べてないし、お金を持ってない日本人は食を探求してない。つまり、日本人の口にあうフィリピン料理に詳しい人が少ない。

たまに、フィリピン料理がおいしい!という人がいます、だいたい若者です。男性です。唐揚げが大好き!みたいな方にはおいしい料理はいっぱいあります。シシグ、アドボ、そんな定番料理がだいたい紹介されています。

食文化が育ちにくかった歴史的背景

歴史的な側面もあります。もともとフィリピンは中国の影響を受けています。食生活にもその名残があります。パンシットという麺、ルンピアという春巻きが表しています。1571年にスペインに植民地化されてからはスペインの食文化の影響を受けています。その後、アメリカや日本にも占領されて、たえずどこかに支配されてきた国です。だから食文化もごちゃまぜです。

伝統料理とは身分の高い人たちが食べていたものが、時代と共に大衆化されたものが多いです。しかし、フィリピンの身分の高い人たちはいつも別の国でした。だから、食文化が育ちにくかったんだと思います。高級料理はスペイン料理、庶民料理は中華。お祭りやイベントのときには庶民化されたスペイン料理を目にする機会が増えます。

フィリピンに関わってもう10年以上経ちますが、フィリピンも豊かになってきています。食生活も変わってきています。日本と同じような価格帯のレストランもフィリピン人でいっぱい。健康を気にするフィリピン人も増えてきました。

持ち前の探究心でフィリピン料理を考えていたら、詳しくなってきて、面白い料理や食べてほしい料理もでてきました。そんな話をしていたら、セブのフリーペーパーでグルメライターとして連載を持たせていただくことになりました。しかし、紙面だと文字数が限られているし、写真も使えない。なので、noteにも残していきます。

フィリピン料理は店によって全然違う。1つの店で食べてその料理をわかった気になってはいけないですよ!

No. 1 ポンゴポンゴ

2024年4月号

No. 2 ビビンカ

2024年7月号

セブのフリーペーパー「ナビセブ」は3ヶ月ごとなので、次は10月号です。なんの料理について書こうかな?

おまけ 東京のフィリピン料理レストラン

東京でフィリピン料理を開拓していたときのメモです。


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