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将棋ウォーズ対局日誌 全編

 趣味の将棋のコラムです。自身の対局や好きなプロ棋士のご紹介など、将棋に対することを書いて行こうと思っています。

□はじめに

 主に、将棋の自分自身のオンラインでの対局を振り返ります。将棋が全く分からない方にも、文字を読んで面白いと思って頂けるようにと思って書いて行きたいと思っています。

 以前より、趣味の将棋についても、将棋コラムを書いてみたいと思っていたのですが、プロ棋士でも元奨励会員でも将棋道場に通ったこともないような普通のアマの将棋愛好家の私が何を書くのが良いのか、どんなのだと一般的に読んで貰えるものなのかと迷っていて、結局、まずは将棋ゲームでの自戦記のような形にしてみました。

 世の中で全く需要は無いような気がしますが、自分の対局を記録に残せるし、書きたいから書くという感じで、別で書いている歴史コラムのように自分の歴史解釈をまとめたから、他の歴史好きな方にも読んでほしいから書くのとは、またちょっと違う気がしています。藤井聡太先生の将棋ブームにあやかって少しでも読んで頂けたら嬉しいなという他力本願な感じです。

 この将棋コラムのタイトルは、昔々、私が大好きだった「河口 俊彦八段(追贈、故人)」が、過去に『将棋世界』という将棋の専門誌に書かれていた連載コーナーの「対局日誌、新・対局日誌」をリスペクトして付けてみました。

 将棋アプリの『将棋ウォーズ』は、私が普段オンライン対局している将棋ゲームのソフトです。ソフトが自動で同じくらいの棋力の相手と対局をマッチングしてくれるので助かります。日本将棋連盟公認の将棋アプリのゲームソフトです。

 この連載は、将棋の専門用語は、そのままどんどん使い、しかも、将棋の駒を動かす棋譜の符号も途中途中に書きますが、それでも将棋の初心者でも、そんな棋譜の記号は無視して読んで頂くと、楽しく読める、将棋を好きになる、という連載を目指しています。将棋の存在感、臨場感を失わないため、あえて、将棋用語や将棋の格言を沢山使っています。果たして、そんな凄い事が本当に実現出来ているのかは、極めて怪しいです。でも、そんな挑戦です。

 (以下に将棋の専門用語の説明も追加しています。1つ1つの専門用語の意味を正確に伝えるというよりも、類似した言葉をまとめて、イメージ、雰囲気を伝えることを意識した解説にしています。)

□本編 対局日誌

その1 将棋はメンタルのゲーム

その2 たまに凄く楽しいときも

その3 せっかく逆転したのに・・・

その4 早い段階での投了の美学 負け方の選択

その5 ギリギリの終盤戦で1手勝ちすると最高!

その6 序盤で簡単にやられる

その7 終盤は詰めろの見極めこそが大切!

その8 会心の一局ってあるんです

その9 会社の大先輩とのメモリアル対局

その10 第123回職団戦の将棋大会での対局

その11 プロ棋士の先生に誉めて頂いた思い出の1手

その12 第124回職団戦の将棋大会での対局

その13 第125回職団戦の将棋大会での対局


□将棋の専門用語の説明https://note.com/ram3838/n/n7140c9bc01a1

・詰み、詰ます、詰んだ

 王様が逃げ場所が無くなり、次に必ず王様が取られてしまう状態。将棋は王様を詰ますゲームのため、自玉が先に詰んだら負け、相手玉を先に詰ましたら、勝ちとなる。(王と玉は同意。通常、一枚づつあり、格上の方が王将を使う。)

・詰めろ、詰めろをかける、詰めよ

 次に手番になれば、王様が詰むような厳しい指し手、局面のこと。詰めろをかけられたら、その詰みを受けて詰めろを解除するか、あるいは、相手に王手をしないと負けになる。

 詰めろ逃れの詰めろは、自分の王様への詰めろを防ぎ、相手の王様へ詰めろをかける攻防の1手で、将棋の中でも、もっともかっこ良い憧れの指し手の1つ。

・必死

 次に手番になると、王様が絶対に詰む状態のこと。詰みに対する受けが無いこと。必死をかけられた場合に勝つ方法は、相手の王様に王手の連続でそのまま詰ますしかない。

・投了、先日手、持将棋

 投了は、負けたことの意思表示。将棋は、どちらかが投了するか、どちらかの王様が詰んだら終了する。

 他にも、引き分けに相当する先日手や持将棋というのもある。先日手は、先手と後手が同一手順の繰り返しになり同じ局面が繰り返し表れ、千日戦っても勝負がつかない形、持将棋は、双方の玉が敵陣に深く入り込み、相入玉の形で、どちらの王様も絶対に詰まない形になり、いくら指しても勝負がつかない状態になること。

・攻め駒がさばける、駒がさばける

 攻め駒が相手の受け駒と交換になる。相手の駒と自分の駒が交換になり持ち駒になる。攻め駒が相手の陣地に成り込む。飛車や角が画面中央で自由に働いているなど、駒が働いた状態のこと。

・駒が働く、駒が良く利いていてる

 駒が活躍していること。駒の利きが盤面上に良く利いていること。駒が活躍していること。

・仕掛ける、攻める

 相手に対して攻めていくこと。歩の交換をしたり、歩を突き捨てたりして、相手の方へ攻撃していくこと。戦いをはじめること。局面を動かしにいくこと。

・序盤、中盤、終盤

 将棋の一局を、大きく3つの段階に分類したこと。序盤は、守りや攻めの形を作り、中盤は、戦いを起こして相手の陣形を崩しに行き、終盤は、相手の王様を逃げ場所が無くなるように仕留めにいくこと。

・局面、手番

 将棋を指している盤上の駒の配置の全体を指して、局面という。駒を並べた最初の初形の局面から、先手と後手を決めて、順番に交互に指して行く。手番とは次に指す側のこと。将棋は、駒の配置は先手も後手も同じのため、唯一の違いは、この先に指せる先手と、後から指す後手の違いだけとなる。

・歩切れ

 手持ちの駒に歩があるかどうかで、持ち駒には1枚も歩が無い時に、歩切れという。持ち駒に歩があるときは、持ち歩という。持ち駒とは、相手から取った駒のこと。自分だけ歩切れで相手に持ち歩がある場合には、歩切れの方が少し不利と判断される。

・形勢判断、どちらが優勢か不利か

 通常、駒の損得、玉の硬さ、駒の働き、手番がどちらか、のこの4つの指標を用いて評価して、総合的に判断する。これらの他にも、次に分かり易い攻めや厳しい攻めがあるかどうかや、歩切れかどうかや持ち歩の数や、バランスの良い形かどうか、王様が捕まりにくい形や広さかどうか、持ち時間が多いか少ないかとかも形勢判断に影響する。

 将棋の場合、取った駒を自分の駒として自由に使えるため、例えば、銀をただで相手に取られた場合、自分は銀が1枚、相手には銀が3枚あることになり、差し引き、銀2枚の戦力差になります。銀1枚取られたから、戦力がマイナス1ではなく、マイナス2の差になることに注意が必要。

 そして、将棋の場合、最後に先に王様を1手でも早く詰ました方が勝ちとなる。そのため、終盤は駒の損得よりも、王様を早く詰ます事が出来るかどうかのスピードが最重要になる。

・戦型、戦法、玉形、玉の囲い、定跡、手筋

 将棋には、ある程度、決まっている形、指し手や玉の囲い方などの色々な形がある。戦い方や守り方の形や、攻め方の形などをこのように呼ぶ。将棋の知識、技術、技、分類、テクニックのこと。長い歴史をかけて色々な人が考えてきた、そして、現在のプロ棋士、奨励会員、女流棋士、アマチュア強豪、AIの将棋ソフト等が生み出し続けていて、変化や進化や多様化してきている。

・粘る、耐える、決め手を与えない、しぶとく指す、我慢する、しのぐ

 少し悪いや苦しい局面でも、受けの手や攻防の手を指しながら、簡単には負けないように、逆転のチャンスを待ちながら指すこと。指したい手を我慢してでも、相手の指し手に合わせ、長期戦に持ち込むこと。負けがはっきりするような自爆するような指し方はしないこと。

・最善手、悪手、好手、疑問手勝負手、決め手

 その局面で最も良い手が最善手。局面が悪くなるような明らかに悪い手が悪手。逆に良かった手は好手。疑問手は、悪手まではいかないもののあまり良くなかった手で、他に変わる良い手があった手。

 勝負手は、局面が悪いときに、このまま普通に自然に指していてもこのままでは負けてしまうと思って、勝負に持ち込むためや、逆転を狙って指す手。相手にプレッシャーをかけたり、相手が読まなさそうな手を選んだり、局面をより複雑化させて相手に間違いやすくするために指す手。狙いをもって、勝負をかけた手。

 決め手は、勝負の決着が着いた、勝ちがはっきりした手。とどめの1手。

・手抜き

 相手に駒をぶつけられたとき、仕掛けられたり、攻められたりしたときに、その相手の指し手には直接対応せずに無視して、関係のない別の自分が指したい手を指すこと。

・居飛車、振り飛車、対抗形

 将棋の戦い方の大きな分類。居飛車は、序盤は飛車を最初の駒の配置のまま指す戦法で、振り飛車は、飛車を序盤の内に角がいる方向にスライドして動かして指す指し方。だいたいは、どちらかが得意に分かれる。両方指す人もいる。対抗形は、一方が居飛車で一方が振り飛車の戦いのこと。相手が居飛車なら振り飛車に、相手が振り飛車なら居飛車にする対抗形を主戦場としている人もまれにいる。

・手拍子、ノータイム

 手拍子とは、指し手の流れにつられて、つい深く考えずにそのまますぐ指してしまうこと。主に良くなかっ手を指したときに用いる。ノータイムは、持ち時間を使わずに相手の指し手の後にすぐに指すこと。この1手しかないからノータイムで指す。なお、時間をかけて考えずに指しているので、悪手を指してしまう可能性もある。あえて、気合いが入っているときにノータイムで勢い良く指すとか、局面が悪く相手に考えさせないため、時間攻めでノータイムとかもある。

・駒を外す、筋を防ぐ、筋を消す

 駒を外すは、攻め駒を受ける側が取り、盤面から駒を消すこと。駒を交換する形で取っても良い。

 筋を防ぐ、筋を消すは、相手からの有力な攻め筋(攻め方)、厳しい攻め筋を、事前に受けて、その攻め筋を無くす、攻めを成立しなくすること。

・じっと

 色々な指し手が考えられる局面で、のんびり、ゆっくりとした手や、相手から動いて貰うように手番を渡たすような手を指したり、じっと待つような手をあえて選んで指した手のこと。歩をつく手に対して呼ばれる事が多い。間合いを図ったことで後から良くなったり、ゆっくりとしたようで次にもう1手指したら厳しい手になったりしてで、好手になることも多い。じっとした手が好手だった場合は、すごくかっこ良く、とても気分が良い。

・駒を切る、大駒を切る

 自分の価値の高い攻め駒で、その駒よりは価値の低い相手の受け駒を取って交換すること。飛車や角は価値の高い大駒と呼ばれていて、飛車や角で、相手の金や銀や桂馬や香車と刺し違えて、駒を交換すること。

・攻めが切れる、切れ負け、足りない、駒が不足、攻めを切らす、攻めが繋がる、細い攻めを繋げる

 攻めが切れるとは、攻め駒が足りなくなり、相手の王様を捕まえる事が出来なくなる事。将棋では、一方的に気分良く攻めてみたものの、結局攻めが切れて負ける負け方は情けない負け方の1つとされる文化がある。逆に相手の攻めを切らして勝つことは、かなりかっこ良い勝ち方の1つとされている。現代将棋では、攻める技術が上がっており、なかなか受けて勝つことは難しいとされている。

 攻めが繋がるは攻めが成立したことを表す。特に細い攻めを繋げるは、一見攻めが仕掛けが成立しなさそうな局面からギリギリの攻めを上手く繰り出して攻撃を繋げていき、攻めを成功させた事を表す。一瞬のチャンスを見逃さず、唯一無二の攻め筋を繰り出し、見事に正確な攻めを繰り出したようなときに使う表現。細い攻めを繋げるは、攻めの技術に長けていること、攻めが鋭いことの証でもあり、かっこ良い勝ち方の1つとされる。攻めの技術が高まった結果、細い攻めを繋げて勝つのは、現代将棋の特徴の1つとされる。

・1手勝ち

 終盤に1手先に詰ますして勝つこと。際どい差で勝つこと。形勢にそんなに差がついてなくてギリギリの勝利だったこと。

・形作り

 負けたことがはっきりしたので、せめて最後の投了した局面の図を1手違いにみせたり、差がついて無いように見える形を選んだりして、最後の負けたときの投了図の局面を形作ること。

一手一手、寄り、寄り形

 受けても、次に相手から攻められて、受けになっておらず、もはや受けが無くなるのが目に見えている状態。もう王様が逃げらない、助からない状態。受けが無い形。詰みがある形。

・模様が良い、形が良い、形が美しい、駒の配置がきれい

 人の目からみて、陣形が良い形をしていること。相手よりも勝っているように見えること。駒の配置が良くある定番の配置、きれいな形になっていること。

・力戦形、力将棋、手将棋、定跡形、乱戦、急戦、持久戦

 力戦形、力将棋、手将棋は、同じ意味合いで、序盤が、定番の定跡形、良くある形ではない独自でユニークな珍しい将棋。

 急戦、乱戦は、序盤から積極的に激しい戦いに持ち込んだ戦い。早くから、駒の交換や、駒の飛び交うようなごちゃごちゃした戦い。持久戦は、序盤、中盤は、ゆっくりと駒組みをするような長い戦い。

・手を稼ぐ

 自玉を受ける、駒を打つ、玉が逃げ出すなど、受けの手を指すことで、詰まされるまでの自玉の手数の延命を図ること。1手でも2手でも詰まされるまでの手数を稼ぐこと。その手数を稼いだ間に、相手玉を先に詰まそうとする。相手との詰みまでの手数を逆転させようとする。

・切り返し、返し技、対抗手、対抗手段
 
 
相手の指し手に対して対抗する指し手。対抗出来る手段。相手が上手い手や手順を指してきて、それに対する上手い対応のこと。

・読み筋、想定手順、想定局面

 自分が対局中に考えていた指し手。手順。局面。相手がどう指すかを考えた手。自分が読んでいた手。こうなるかなと考えていた局面。

・遊び駒、駒が遊んでいる、駒が働いてない

 その局面では、駒がいてもいなくても、戦局に関係ない状態になってしまっている状態。その駒が受けにも攻めにも関係がなくなってしまっている状態。

・要の駒

 攻めや守りに一番働いている駒。盤上で一番大事な駒。盤上を制圧してる駒。

・暴れる

 何もしないとどんどん悪くなる局面のため、多少無理やりにでも、何か勝負を仕掛けること。この局面で何かしないと相手に攻め駒を取られて攻めが無くなったり、相手にと金を作られてじわじわ確実に攻められたり、相手にちょうど良い受ける手があり、相手玉を攻略出来なくなるため、何とかして攻めること。

・無理攻め

 相手に正確に受けられたら、攻めが失敗している攻めのこと。多少強引な攻めのこと。

・自然な手、自然な指し手

 無理のない差し手。誰もが思いつくような一般的な指し手。リスクの少ない手。


□さいごに

 後日に更新予定


□前提の説明

 自分の対局の振り返り記事は、実際の自分の対局の棋譜を用いています。この連載用に作った局面や、書きたい内容に合わせて探した他の人の棋譜ではありません。また、先手、後手に限らず、必ず画面下側が自分になるようにしています。将棋ウォーズは、自分と同じくらいか少し強いくらいの棋力の相手の設定にして戦っています。このため、ほぼ同程度の実力の人との戦いです。

 棋譜は、ここでは先手を▲で、後手を△で表現しています。本来は、三角形ではなく、五角形の記号です。

 局面の形勢判断や指し手に関しては、将棋ソフトによる分析などは、一切使用していません。あくまでも私の考えによりますので、形勢判断や指し手が間違っていることや、最善では無いことは多々あると思います。将棋ソフトを使用しないのは、コラムを書く際にそのように将棋ソフトで分析する手間や時間をかけるのが面倒くさいからです。あと、AIは基本的に強すぎでして、時にはあまりにも難しすぎて普通のアマには参考にはならないからです。

 私の棋力は、アマ有段者レベルでして、駒の動かし方を知っている程度の人に比べるとすごく強いですが、本当に強い人に比べるとすごく弱い、そんな棋力です。

 気楽に対局で思ったことをサクサクとコラムに書いて臨場感を出して行きたい、将棋の技術面ではなく、より将棋を指す対局者としての心理面にフォーカスしたいため、局面の分析や手順の確かさなどの確認のため、将棋ソフト使用していません。このため、最善かどうかすら定かではない指し手の記載にはあまり囚われず、文面内容より、将棋コラムを楽しんで頂けたら、幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました。😊


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