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将棋ウォーズ対局日誌 その5 ギリギリの終盤戦で1手勝ちすると最高!

 今回は、こんな1手勝ちの将棋が指せると気持ちが良い、最高という将棋の楽しさをお伝えしたいと思います。

□四間飛車相手に急戦棒銀からの終盤戦

 本局は、10秒将棋で、私が先手で画面下側です。いま後手が、△7七馬と7七にいた先手の桂馬を取った局面です。この手は、次に△7八金打ちまでの分かりやすい詰めろです。

 この局面までは、どちらもお互いに勝ちがある局面が何度かあったと思いますが、この局面になると、実はもう既に勝ち負けがはっきりしています。次は先手の私の手番です。

 さて、どちらかが勝ちでしょうか?

 実は、この局面の後手玉には良くある有名な詰み筋があって、▲7一角打ち以下の比較的簡単な詰みで、先手の勝ちです。

 実戦は、『▲7一角→△同金→▲同龍→△9二玉→▲9三銀→△同玉→▲8五桂→△9ニ玉→▲8ニ金まで9手詰み』となりました。以下の画面でどう応じても必ず詰むことをご確認ください。

 ご参考まで、仮に上図で、先手が自玉を受けようとすると、▲7ハ金打ちや▲2ハ竜引き(こちらは△3八歩で簡単に竜の利きが止められて駄目)のような手になりますが、手持ちの金が無くなる、2枚目の竜がいなくなると、今度はどちらも後手玉が詰まなくなり、先手の負けになります。
 具体的には、『▲7八金→△6七桂→▲8九玉→△7九金→▲9八玉→△7八金』で、今度こそ先手玉には受けは無くなり、手持ちの金も無くなったので、今度はそこから▲7一角打ちとしても、△9ニ玉→▲9三銀打ち→△同桂馬となり、最後に8ニに打つ金が無いため、後手玉は詰まずに後手の勝ちです。

 上記局面で、▲7一角に△9ニ玉と逃げるのは、▲9三銀→△同桂→8ニ金で詰みます。

上記の局面で、この▲9三銀打ちに△同桂馬は、▲8ニ金打ちで詰みです。

 上記の局面で、△8四玉と上に逃げても、持ち駒に金があるので、▲7五金で詰んでいます。

 持ち駒にどんな駒があると詰むのか、無いと詰まないのか、7六歩が無いと詰まない、7四歩が突いてあると詰まないなどの持ち駒と駒の配置の関係性や、流れるような詰み手順を感じて頂けると幸いです。

□中飛車相手に急戦の乱戦からの終盤

 本局は、10分切れ負けで、私が先手番で画面下側です。いま後手が、△8八角打ちと指してきた局面です。

 この△8八角打ちは、先手玉への詰めろになっています。次に『△9九角成り→▲9七玉→△8八馬引き→▲8六玉→△8四香車→▲8五金→△同香車→▲同玉→△8四歩→▲8六玉→△8五金まで11手詰み』の詰み筋があります。さすがの1手だなと思いました。

 さて、どちらかが勝ちでしょうか?

 実は、後手玉には、(私にとってはちょっと難しめの)詰み筋があり、後手玉は詰んでいます。そのため、先手の勝ちです。

 詰み筋は、『▲7三成銀横→△同桂馬→▲7三成銀→△8一玉→▲8ニ金打ち→△同銀→▲同成銀→△同玉→▲7四桂馬→△9ニ玉→▲8一銀打ち→△同玉→▲8三竜→△7一玉→▲8ニ竜までの15手詰み』です。

 実戦では、「ギリギリ詰んでそうか、ギリギリ詰まないかどちらかだな、詰んでるといいな」と思いつつ、とにかく詰ますなら入りはこれしかないと思い、『▲7三成銀横→△同桂馬→▲7三成銀→△8一玉』まで進めました。

 そしてこの局面でまた少し考えて、上記の詰み筋が見えて、「やったー、ラッキー、綺麗に詰んでそう」と喜んだのを覚えています。金をとどめに使わないと詰まなそうとか、最後に銀まで捨てないと詰まないとか、ちょっと意外な筋がありもし気が付かなかったら、「投了」してる所でした。

 以外で、詰みの流れをご確認ください。

 上図で△玉が9ニに逃げるのは、▲8三成銀で詰んでいるので、△同桂馬の1手。相手を詰ますならこの手からしかない所。本局は、このときに取った桂馬と竜のコンビで相手玉を詰ます事が出来ました。その後に金も打ち込んで、相手玉の守りをはがして以下の局面です。

 上図の局面で、△8一玉は▲8三竜から、△7一玉は▲7三竜から分かり易く詰みです。

 ▲8一銀が最後の決め手となりました。桂馬が8ニに利いているから逃げる場所は無く同玉の1手です。

 上図で、△8ニ合駒は、▲同龍でも▲同桂成りでも詰みです。△7一玉と逃げるのは、▲8ニ竜で玉が逃げる場所がなくなり綺麗に詰んでいます。実戦は、この局面で後手が「投了」されました。

 ピッタリ詰むと気持ち良い、捨て駒で詰むとかっこ良い、とどめの金銀打ちが無くても詰むなんて珍しいなどを感じて頂けると幸いです。

 当然ですが、毎回このように上手くいくわけはなく、読めなかったり、ヘボな手を指して負けることの方が多いです。

 あとは、たまたま読んでみたら詰んでるとかではなく、その前に、ちゃんと考えて、この手は詰めろ!、この局面は勝ち!と読んでから指せるような棋力、実力、強さがほしいです。成長したい。。

□今回のまとめ

 やはり、将棋は、終盤のどちらかが勝っているか分からないような白熱の終盤戦、ギリギリの1手争いが一番の醍醐味であり、見どころだと思います。特に『観る将』(対局をみて楽しむ人のこと)には。私も観るのが大好きなので、良く分かります。ちなみに、私は、最近は、この連載の『書く将(?)』にはまってます!

 しかし、自分が指してるときは、ハラハラ、ドキドキ、ビクビクで、悩みや混乱のパニックや正解の手が分からないもどかしさ、考える苦しさ、1手毎に勝った負けたの一喜一憂や心の葛藤があり、決して必ずしも楽しい時間だけでは無いのですが、その苦しい局面や時間帯を乗り切って、なんとか自らの力で1手勝ちをもぎ取った瞬間は、本当に最高の気分が味わえます!


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最後までお読み頂きありがとうございました。😊













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