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セルフマネジメント事始め 7

<オリジナルリフィル>

学校生活にフィットするよう、リフィルは本校独自のものを考案したり少しずつ改良したりして運用している。例えば高校では6時間の区切りが日常なのだが、学生用のマンスリーは市販品にはない。

最初は「超」整理手帳にならって見開き8週間で作ったのだが、一般にはカレンダー型がなじみやすいという要望から月曜始まりのカレンダー型にした。一日の枠を左右に分割し左側を8段(6コマの授業+放課後2段)に区切ってある。

オリジナルマンスリー


活用を進めるために、各分掌とも連携し様々な取組を試みた。新一年生のガイダンス資料もリフィル化して配布するようにした。

平成19年度は新たに遅刻届や入室許可証をリフィル化することで常にNAVIノートを携帯をする状況を作った。

合わせて身分証明書をカード化、生徒心得などもNAVIノートに収納するようにすることで生徒手帳も全廃。学級通信や月間予定表をリフィルにして配布しているクラスもでてきた。
 

<校外への広がり>

このような取組は全国的にも珍しいようで、初年度の実践が進路情報誌『キャリアガイダンス・プラス』(リクルート発行)で全国に紹介された。県内外から複数の問い合わせがあり、我が校は大いに励まされた。

初めての購入の際も、日本能率協会から「高校での大量購入は例がない」と問い合わせがあったほどである。その際、本校でセルフマネジメントについての講演を頼んでみたが、企業対象でもかなり高額らしく断念した。

平成19年2月、リクルート社キャリアガイダンス主催のセミナーに参加した際、奈良の高校の先生が声をかけてくださった。本校の記事を見て共鳴してくださり、独自の手帳を作成してクラスで配布しておられるというのだ。うれしかった。手探りでやっていることに自信を与えてもらえたように思えた。

そこに居合わせたもう一人の福岡の先生も、話をじっくり聞いて下さった後、自分の学校でも取り組んでみたいとおっしゃって下さった。

その言葉通り、その高校では本校の様式を活用してNAVIノートを平成19年度から学年進行で使っていく取組を始められており、非常に高い活用率をあげている。


<生徒の反応>

学校生活に定着するに従って、定期考査の範囲を板書すると急いでリフィルに書き込む生徒の姿も珍しくなくなった。また、少数ではあるがどの学年にもNAVIノートをしっかり活用している生徒がいる。連絡事項を書き込みスケジュール管理をして学校生活に大いに役立ててくれているヘビーユーザだ。

そのような姿を周囲の生徒はどう見ているか?

聞こえてくるのは「カッコイイ」「すごい」という声。非常に肯定的だ。

では、そのようにして取り組んできたことにより校内での定着は進んでいるのか?

否である。

一つには、高校生はシステム手帳を使うほど忙しくないということ。また、アンケートでは、大きすぎる等、システム手帳の持つ様々なデメリットばかりが大きく表面化することになった。プロが使えるものをという考え方なのだが、生徒には大げさに感じられるのだろう。

もう一つ、デザインの問題がある。真っ黒の塩ビのカバーは、高校生たちが持ち歩くには魅力に欠ける。

例えば金具さえしっかりしていれば透明なカバーをつけることで好きな色の紙をはさんで自分らしさを演出できる。安価かつ高校生のセンスに耐えるもの、高校生が持ちたいと思わせるものを供給したいのだが。(続く)

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