見出し画像

ファイブクエスチョンズ!

スゴい事を思いつきました。思考力を身につけるトレーニングです。

「疑問文を5つ書く」

それだけ。

簡単!

哲学対話をやりながら、思考とは何らかの問いの答を模索することなのだ、と思い至りました。問いがなければ思考は生まれない。問いがあって初めて思考が生まれる。問いが思考の源泉なのです。

ということは、考える力を身につけるためには、まず自分の中で問いを作る力をつけなければならないということ。

よく講演や授業の終わりに「何か質問はありませんか」と言われることがあります。誰からも反応がないと私は少し寂しい気持ちになります。実際に質問しなくても、とっさに3~4つくらいは質問は浮かぶようになりたいものです。

概ね、誰かに答えをもらうことに慣れてしまっていたり、人の言うことをそのまま受け取ることが普通になっていたり、逆に誰の意見も聞こうとしなかったりすると質問は出ません。思考停止しているのですから。

それはある意味、考え方のクセでもあるわけです。ではそこを抜け出すにはどうすれば良いか。

私の提案は、自分の中に問いを作るトレーニングをするということです。

簡単なことです。小さい紙に問いを5つ書けばいいのです。勉強や仕事の始めや、ちょっとしたスキマ時間に気が向いたらちょこちょこと書いてみましょう。

取るに足りない普通の何気ない問いでかまいません。その場で思いついたものを書きます。5W1Hどれを使ってもかまわなかし、単なる疑問文でもかまわない。何せ問いであればいいのです。

5つも書けば1つや2つは良い問いが出てくるかもしれません。何度か繰り返す内に同じ問いばかり出てきたりして、自分の思考のクセに気づくかもしれませんし、一歩進んで新たな問いも生まれてくるかもしれません。

集団でやるのも面白いでしょう。時間を区切って一斉に問いを書きます。2分くらいが適当でしょう。事前に周知した上でグループでお互いの問いを回覧して見せ合うといろいろな発見があり、大いに刺激を受けると思います。

この場合、書き出した問いに答を出す必要はありません。もちろん答が出るのは別にかまわないですが、答なんかわからなくっていいのです。大切なのはたゆまず問いを出すこと、思考の芽を育てること、ですから。それが思考の源泉になります。

「なぜ?を5回繰り返していく」という手法があることはもちろん知っています。なぜ?を繰り返すことで問題解決や思考を深めるのは、確かにとても効果的です。深い思考で目に見える現象の奥にある真実に到達することはとても大切な力だと思います。

ただ、ここで私が述べようとしていることとはコンセプトがまったく違います。私が提案しようとしているのは、問いを創作する言わば瞬発力のトレーニングなのです。問いがひらめく頭を作るためのトレーニングです。

これを思いついてさっそく自分でやってみました。2枚目をやった時に、なぜか頭の中を風が通っていったような気がしました。停滞していた思考が動き出したのかもしれません。とても面白い感覚でした。

別に紙がなくてもできるので、夜中にふと目が覚めてしまった時にもやってみました。しかし問いは出ませんでした。3つくらいまでは出てきてしばらく布団の中でやってみましたが、ダメでした。そのうち眠ってしまいました。やってみるとわかりますが、意外と難しい。やはり考える力がないと出てこないのです。

今や世界は答にあふれています。ちょっとした疑問ならネットで検索すれば答はすぐに見つかります。本屋さんに行けばほとんどの問題についての答があります。

しかし、それらの大量の答はただそこにあるだけです。私たちが問うまで私たちの目の前に答は現れません。誰かが問わない限り、それは答でさえありません。検索窓に何かを打ち込まない限り答へのアクセスは行われません。問いがなければ答はないのです。No Question, No Answer.

今、問う力が求められています。良い問いを見つけた人がノーベル賞を取るのです。誰かに答を教えてもらう習慣が身についてしまった人、無批判に周囲の意見に流されるだけの人、自分の意見に固執してしまう人、そういう人には特効薬になる可能性があると思います。ぼーっとしてる状態からアクティブに思考する頭に切り替えるための簡単なワーク。単純ですが何度か繰り返す内に大きな発見があると思います。ぜひ一度お試しください。
                           (2022/07/16)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?