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ノベルゲームを作ろうと思ったら15年かかった話【第7話】制作編③Illustratorと和解せよ! 〜アカイロマンション・ロゴ制作〜

これは、サウンドノベルの持つ魅力に取り憑かれ、「自分でもノベルゲームを作ってみたい」という思いを抱き、終わりのないゲーム制作に足を踏み入れた1人の個人ゲーム制作者の物語である。


なんとかNscripterでのノベルゲームの企画がまとまった落柿(らくし)。
さあ、いよいよ制作開始だ!


そうだ、肝心のタイトルはどうしようか? うん、舞台はマンションだから当然「マンション」は入れよう。あとは……他に何か……そうだ!


あの貴志祐介先生の名作ホラー「黒い家」のように色の名前を入れたらカッコよくなるんじゃないか? 「黒い家」のような追いかけ回されるドキドキ要素も入れたいわけだし。展開によっては血飛沫がブシャーってなるわけで色はかな。赤いマンション、うーん。赤色のマンション?


あ、カタカナにしたら馴染むかもしれない。
アカイロマンション」お、何かしっくりきたぞ。


それにをタイトルに入れるのであれば群像劇要素とも関連づけられるじゃないか? 虹の七色のイメージってことで住民数は主人公も入れて7人にして、個性豊かな住民たちを色に例えよう。赤色の惨劇と、それを彩る七色の住民たちの物語。ってことで、サブタイトルは「seven color apartment house」

「アカイロマンション seven color apartment house
これで決まりだーーーーーーーーー!!

その英語合ってるか? はGoogle翻訳くんにお世話になったので彼に聞いてください。英語で「マンション」は豪邸の意味になっちゃうから「アパートメント」か「コンドミニアム」になるってことだけは調べて付けたよ!

さて、タイトルは決まったし次にやることはもちろん……。
ロゴを作らないとな?

落柿はいそいそと昔使っていたIllustratorを開き始めた。ロゴの収まり感も見たいし、タイトル画面のデザインを考えながら作ろう。

いや先にシナリオ書けよ!」と今ならツッコむと言いたいところだが、実は今も落柿は新作のゲームを作るときはタイトルとロゴ制作から始めている。なぜならタイトルとロゴさえ出来てしまえばもう完成したも同然だなと脳が誤認して楽しくなってくるからである(悪習)。

落柿は頭をひねった。そして早速取りかかった。
「住んでるマンションのエントランスの写真撮って〜。ちょっと加工入れてそこに文字乗っけて〜。なんかちょっと古畑任三郎っぽくしてみて〜」

実際に当時作っていた画像。やっつけ感がヤバい。


「いやダセぇな!?? で文字の視認性最悪か???」
以前にも言ったが落柿はただの文字書きである。絵も描けなければデザインも素人だ。

そもそも落柿が少しばかりIllustratorPhotoshopが使えるのは、若かりし頃、短期間だが編集プロダクションでバイトをしていたからである。特別デザインセンスがあるわけじゃない。


その編集プロダクションの社長は営業とライターしかいない事務所なのにデザインの案件をバンバン受けてくる「取れる仕事は何でも受けろ」精神の人だったのである。おかげで落柿ともう1人のライター仲間はヒーヒー言いながら上記のソフトの使い方を覚えざるを得なかったのだ。

その後落柿は「必要になるかもしれない」と思ってIllustratorPhotoshopのスクールに通った。Illustratorコースは楽しく通ったが、Photoshopコースになるとやる気がなくなって途中で行かなくなったのは以前も書いた通りである。

「うーん、もうちょっと頑張ってみるか……」
背景のせいで文字の視認性が悪いならいっそマンションの壁っぽいテクスチャにしてっと。あと文字が太すぎるフォントも変えよう。


ちょっとずつ今の形に近づいてきた?

「うーん、なんか間延びしてるし何より怖くないんだよなぁ……」
落柿はまたも黙考する。デザイン、デザイン。ライター経験のある落柿は、かつてデザイナーさんとも組んで仕事をしていたことがある。思い出せ、そのときのデザイナーさんの仕事っぷりを……!


「次の商品だけどさー、こんな感じにしたいんだよねー」
回想シーンに浮かびあがるデザイナーさんとその手に握り締められていたブツ。それは……。

「そうだ! デザイナーさんはいつだってパクり元参照元を見ながらデザインしていたじゃないか! プロですらそうなのになぜ素人の自分が一から作れると錯覚していた?」


そう気づけば話は早い。パクり元参照元を探すまで。もちろん合法のやつをな……! 出でよAmazon!!


ジャン! 「パパッと手早く、プロの味!」なんて素敵なコピーだろうか?
その味、参考にさせていただきますぅーーーーーーー!!


本当にパパッと手早くできたよ!(業者の回し者感ありますがステマじゃないです)

ってことで完成したのが今のロゴである。
ちなみにフォント何使ってるか忘れたのと解像度の問題で後日トレースして作り直さなきゃいけなくなる日が来るというのはまた別の物語である。
今のロゴもダセぇよという苦情は受け付けていない。

「これでロゴはとりあえずOKかな。後はこれをNscripterで表示すればいいんだろ? 楽勝!」


そして落柿は再びNscripterのマニュアルへと戻っていった。
「タイトル画面にロゴを表示する」それが落柿にとってどれだけ難しいかも知らずに……。



そんな落柿が15年かけて完成させたゲームはこちら。
steam版6月14日(金)リリース決定!

明日です! 
今日の深夜12時前にPC前で待機して、14日になった瞬間に手動でポチッと発売作業しますのでよろしくお願いします笑

windows/Macどちらでも遊べます。

6/28までセール中!


DLsiteとBOOTHでは先行販売中です。


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