根にすごい生命力を感じて恋をしてしまう【胡蝶蘭その2】
さて、勢いあまって胡蝶蘭の株をうちに連れ帰ってはみたものの、ズブの素人の私。
育て方が分かりません。
職場では最低限の水やりをして、いわば「花を長くもたせていた」だけです。育てていたとはいえません。
植物は子供の頃から好きでした。
常に観葉植物がある部屋で暮らしてきたし、緑の中を歩くのも好きです。
でも、所詮はその程度。
胡蝶蘭を育てるレベルではないことは自分でよく分かっています。
生き物を家に連れてきたのだからなんとか育ててみたい。育て方を知りたい。
今はインターネットでかなりのことが調べられる便利な時代。
胡蝶蘭の育て方を検索し始めて数日過ぎたころ、YouTubeにおすすめ表示された1本の動画にふと目がとまりました。
胡蝶蘭の根がむき出しになったサムネイル…。
■ O. Crooij 主に蘭やアクアリウムを紹介してくれてます
衝撃でした。
そこには初めて見る胡蝶蘭の姿がありました。
胡蝶蘭は一般的に水苔かバークというものに植わっています。私達が普段目にするものは大体がそれです。
しかしその動画で紹介されている胡蝶蘭達は違いました。
根がむき出しのままガラスの器に入っていて、花茎は重さを支える程度にだけ固定され、枯れはじめた葉はそのままにしてありました。
その自然な姿に一瞬で心を奪われてしまいました。
根はとくに生き生きとして見えました。
その形状はなかなかのキモさとコワさもあります。エイリアンの足みたいです。
調べて知った事ですが、胡蝶蘭は着生植物。
主に熱帯地域に生息し、木の上や岩場にくっついてガシッと根を張り生きる植物なのです。
そもそもがしぶとくて、生命力の強い植物だったのです。
私は胡蝶蘭の根に「しぶとい生命力」の象徴のようなものを感じて、目が離せなくなりました。
普段は礼儀正しくて抜け目ない社会人。
そんな人が変な趣味に興じてとんでもない姿になっているところを見てしまった。
なんか凄い輝いてた。
みたいな感じ…!
この日から暫くの間、私は熱にうかされたようになります。
恋に落ちた人のような日々を過ごすことになるのです。
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