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言いたいことがうまく伝えられない高校生を応援📣スピーチはこの順番で考える

18歳の女子高生とお話しする機会がありました。フレッシュで素晴らしい。娘ぐらいの(それも高齢出産にあたる部類)年の方のコーチングは、こちらも元気をいただきます。

こんなご相談でした。

受験に備えてた準備としてはもちろん、人に話をすること、自分のことをお伝えするという場面が多くなってきました。これまでに生徒会や部活などで少しは経験があるのですが、正直、得意とは言えません。
言いたいことは頭に浮かんでくるのですが、話している間に、あちこちに飛んでしまって、結局、「何が言いたいのかよくわからなかったよ」と友だちから指摘されることもあります。自分でも「そうだろうなあ」と思ってしまうような出来栄えです。どうやったら、何が言いたいのか分かりやすく、まとまりのある話ができるのでしょうか💦

わかります。その気持ち。

何か質問を受けて、それに答えていくと、良かれと思って一生懸命話しているうちに、話が蛇行してしまって、自分でも「あれ?何の話でしたっけ?」となることってありますよね。大人も同じです。

今回は、テレビ番組制作を25年やってきたプロデューサーの目線で整理してみました。

話すということについては、「出役(でやく)」であるアナウンサーやタレントさんの方がスキルがあると思いますが、構成したり、伝える内容の整理については、制作者として試行錯誤を繰り返してきたので、そんな経験からお伝えできることをまとめています。

ライン黄緑

【伝わる話にするコツ】

実は、正解はありません。その人の「持ち味」もありますし、流暢に話せるから「伝わる」ということでもありません。朴訥とした話し方のトップセールスマンもいますし、アナウンサーが全て昔から話が上手ということでもありません。

要は「場数」であり、聞いてくれた人からのフィードバックをもらって素直に受け止め、改善していく。この繰り返しによって鍛えられるものでもあります。「筋トレ」と同じですね。正しい努力をすれば、誰もがうまくなります。

と言ってしまうと、、、
人前で話す期日が迫っている人にとっては、救いがない💦かもしれませんね。いくつか「コツ」というか、留意点のようなもの、また考える順番のようなものがありますので、お伝えします。

話す

1、捨てる

話が蛇行してしまうときは、大抵の場合、不要なところが多くなっています。自分にとっては全てカットしたくない大事なことかもしれませんが、「聞く人」の立場になって、考えましょう。

手短に!と言っても、面接などの「対話」の際に、一問一答では「対話」になりません。アンケートに答えているわけじゃないですからね。笑

例えば、「大切にしている言葉はありますか?」

と聞かれて、「はい、あります」「いいえ、とくにありません」だけで回答を終わってしまっては、対話としてかなりしょぼい。

さすがに一言回答でいいと思っている人はいないでしょうが、「XXXXXです」という言葉を伝えた後、「はい、答えましたよ」という感じで、黙ってしまう人がいらっしゃいます。

これは、聴き手(質問してくれた人)にとっては、おもしろくない。
もうちょっとサービスしてほしい気持ちになります。

質問者が聞きたいのは、

✔️ どんな言葉なのか(質問に対するズバリの回答部分)
でもこれだけではなく、質問の真意を想像してみてください。
質問者は、
✔️ それはなぜなのか
✔️ その言葉を大切にしている背景にはどんな経験があるのか

というようなことを聞こうとして、この質問を投げかけているのです。

要するに、あなたのことを知りたいわけです。

「どんな考え方や、どんな感情を持った人間なのか」に迫りたくて、たまたま「大切にしている言葉は?」と聞いただけなのです。

だから、「XXXX」という1つの言葉について話している時に、
「あ、別のあの言葉も大事にしているな」と閃いたとしても、
それは余計な情報になってしまう可能性が高いですね。

1つの言葉を伝えたら、その言葉にまつわる話をしていく。
詳しく聞きたいのは、その背景です。たくさん言葉を挙げる必要は全くありません。

どんなことを経験して、どんなことを感じたから、その言葉をあげたのか。

そこが伝わればOK。それ以外の部分は、一旦、捨てましょう。

2、話す順番

話す順番にも「正解」はありませんが、”よい話”にしやすいコツがあります。
あくまでも1つの手法にすぎません。
こうでなくてはならない、こうであるべき、と思い込み過ぎないでくださいね。話すのが、超苦手で、何から考えたらいいかすら分からない、こんがらがっているという人のために、1つのヒントとしてお伝えします。

話の順番を、

未来→過去→現在

で構成すると、整理しやすいです。

ライン黄緑

先程の例で解説をしてみますね。

「大切にしている言葉はありますか?」
「はい、XXXXです」。

ここまでは大丈夫ですね。

その後、「未来」から始めます。

「未来」とは明日のこと、数ヶ月後のこと、大学生になった時のこと、社会人になって生きていく人生など、そのスパンは色々です。

今から先に、自分がこうなっていきたいと願っていること、目指している方向、憧れている「未来」のあり方について、最初に触れます。

※具体的な例があった方が伝えやすいので、ここでは「為せばなる」という言葉を大切にしているという回答を仮定して解説します。

「為せばなる」を大切に生きているの未来の自分の姿は、どんな人なのかを伝えるのです。
例えば、「初めてのことこそ、恐れずにやってみる人間でありたいと思っています」とか。

この言葉によって、どうなりたいかという部分です。
「為せばなる」という言葉の意味は、誰しも大まかには同じイメージをもちますが、その言葉に対する評価や印象は、実は人それぞれです。

昔、あまり好きになれなかった先生の口癖だったら?
悪い印象を持つ言葉だという人もいるかもしれませんよね。

あなたがその言葉で目指している”ゴール”を、相手に伝えることが大切です。

そして次に、「過去」にいきます。

「実は、中学生の時に、こんな経験がありました…」という、あなた自身の経験を話しましょう。自分がリアルに体験したことです。その場にいなかった人が、そのときの場面を、ありありと映像としてイメージできるように、工夫して、伝えてみましょう。

そして、その時の自分の感情、感覚のようなものもとても盛り込んでください。

「へえ、君は、そんな経験をして、そんなふうに感じたんだね」、と分かってもらうことが大事です。聞いてほしいというまっすぐな気持ちを持って、話しましょう。

仕上げに「現在」です。

だからいま、何を始めているか、を話しましょう。「為せばなる」を実践しようと、こんなことを意識していて、実際にこんな行動をしています、という具合です。

思っているだけではなく、今、既に始めている具体的な行動が伝えられると、とても良いと思います。

聞いている人は、あなたのことを、主体的だなあ、積極的だなあ、自分で自分の道を進める人だなあ、、、と感じやすいです。

まとめると…

まず、未来。
どんな姿をイメージしているのか、やってみたいことや自分自身の理想の姿。
そして過去。
どんな体験があって、どのように感じ、考えたから、その言葉を大切にしているのかという部分。
ここに、オリジナリティがめちゃくちゃでます。経験が日常の些細なことでも、全く問題ありません。自分自身のリアリティを大切に、話せればOKです。
最後に現在。
過去の経験と学びがあって、未来へ向けて努力している、進んでいる、成長している「現在」を証明する、行動を伝えられると完璧です。

何を考え、どのように並べれば良いか、伝わりましたでしょうか。

3つ目は「時間」の感覚です。

3、時間内にゴールする

質問してくれた人(=聴き手)が負担にならない時間、ものたりなさを感じてしまわない時間、ちょうど心地よくて、「対話」を楽しいと感じられる時間の感覚を身につけましょう。

どうすれば、それが身につくか。

ゴール

これは、「やってみること」で掴めるようになります。
1人で作文して、「いい文章だ」と思っているだけでは永遠に伝わりません。推敲して整えた文章をもとにして、一旦、それを手放して、誰か他者に話すことです。

聞いてもらって、感じたことをたくさん言ってもらいましょう。
「え?そこ分からないの?」
「ああ、そこは退屈だったか、、、」
など、自分1人では気がつかなかったことを言ってもらえるでしょう。

それを素直に受け入れて、ブラッシュアップしていくことが、最も良い方法です。

何の準備もせずに、2で設定した”未来→過去→現在”を、いきなり話してみると、きっと、やたらと長くなります。無駄が多いからです。

それを、録音したり、文字起こししてみてみてください。客観的に見ることができます。改めて、いらないところをカットしてみましょう。

この作業を何回かやると、ある程度、いい長さに整ってきます。
ここで、仲の良い友達や家族に話して、聞いてもらってください。

できれば、「過去」の出来事を知らない人、その場にいなかった人が良いです。

聞いてもらったら、

✔️ 分かりにくいところあった?
✔️ 質問したくなるようなところはなかった?
✔️ 長いって感じたところある?逆にもうちょっと聞きたいと思ったところはある?

など質問をして、率直に答えてもらいましょう。これを行うと、適度な時間内に、話のゴール=結論まで、話しきることが出来るようになってきますよ。

プロの話し手がなぜ上手いか分かりますか?

この作業をたくさんやっているからです。
アナウンサーは自分が出演した番組の録画を必ず見直しています。
新人時代は、先輩にもみてもらって、違和感のあるところ、改善した方がいいところについて、忌憚のないフィードバックをもらっています。

いろんな人に聞いてもらって、フィードバックをもらいましょう。
何度も話しているうちに、話がこなれて、相手のリアクションが来やすいところ、ウケの悪いところなどが、必ず見えてきます。

最後に一つだけ!
絶対にやらないでほしいことがあります。

それは、書いたものを暗記して話すことです。

これはもう「対話」ではありません。

言葉が死んで、せっかくのオリジナリティある体験談も色褪せてしまいます。これはもったいないので、やめましょう!

ライン黄緑

さあ、ノウハウの骨格は大して重要ではありません。
自分の話力を磨くのは、場数、人からのフィードバックです。

そして「対話」であることをくれぐれも忘れないでください。
自分の話を聞いてもらえることに、素直に喜びや楽しさを感じて話すことが大切です。ワクワクしている気持ち、感謝している気持ちは、本当に思っていれば、必ず相手に伝わります。

そうなると、自然と、緊張し過ぎて頭が真っ白になるというようなこともなくなり、元来の”あがり症です”という方も、気づいたら克服できていたというようなこともあります。

人との接触が減っているコロナ禍で、オンラインや直接の面接などを受ける高校生は、本当に大変だと思います。ぜひ、自分らしく準備をして、楽しみな気持ちで本番に臨めることを、心から応援📣しています!

ライン黄緑

大澤 弘子 
日テレHR代表/企業の人材育成を支援しています。
サラリーマン応援📣ライフコーチ

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なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。