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オンライン時代こそ”安心安全の場”をつくろう。

心理的安全性が重要だと言われます。

職場でも学校でも何か新しいものを生み出したり
メンバーが協力してより成果を上げるための重要な要素とされています。

心理的安全性の定義は、いろいろありますが、
組織やチームのメンバーが、
『互いに意見や疑問、感じた違和感などをあれこれ気兼ねすることなく率直に言い合える状態』であると捉えています。

これが出来ると、1人では気づかない穴に気づくことができたり、
さまざまな視点を持った異なる脳みそを合わせて考えることによって、思わぬナイスアイディアに到達したりすることもありますよね。

さて、これを実現するためにはどうすればいいのでしょうか。

組織の中には、感じたことをすぐに言葉に出すのが得意な人もいれば、
なかなか言葉にできない人もいます。

得意であっても、それをすぐに口にすることを「良いこと」とする価値観の人と、熟考して言葉にすることを「良いこと」とする価値観の人がいます。

感じたことをすぐに言葉にできる or  できない。
できるけどすぐに発信することを良いと思っている or  良いとは思っていない。

こんな違いによって、なんでも気づいたり感じたりしたことは言葉にして言い合おうと呼びかけても、すぐに心理的安全性が高まるわけではないのが難しいところです。

すぐに言葉にすることが得意&良いと思っている人はたくさん反応してアウトプットします。それに対して、すぐに言葉にするのが苦手な人は、考えている間に、「ねえ、どう思ってるか言ってよ」と急かされて困るかもしれません。急かしている方も悪気はなくて、「何か言ってくれないとわからないよ。話してみて」と水をむけているだけだったりします。

急かされて「圧」に感じる人もいるし、
水をむけられたことで話しやすくなる人もいるかもしれません。

つまり、なんでも言い合おう、と言っても、
言葉との付き合い方、普段のコミュニケーションの特性によって、そのスピードや量が、人によって異なるし、リズムも違う。言葉を発することに慎重な人もいれば、言わなくちゃわからないから不完全な表現になっても言う努力をするべきだ、と考える人もいるでしょう。

これを解決するにはどうしたら良い??

まず土台になるのは、どちらかがどちらかに合わせるということではなく、
感覚が違う、言葉を発するスピードやリズムも違う、
という事実を受け入れ合うことです。

同じリズム、同じ価値観ではないので、
ひとりひとりが当たり前に異なる。そのちがいをお互いに受け入れる前提が大切です。

その上で、『仕組み』があると、
初動がうまくいくように思います。

仕組み=みんなが合意できるラフなルールのようなもので十分です。

1人ずつ会議の最中に一度は話すことを約束ごとにする。
自分が話した後に、誰かに水を向ける。
会議後に、少人数のグループで雑談する時間をつくる。
誰かの意見に対して、絵文字で反応を提示する。

学級会のルールのように感じますか?笑

対面で一同に介して会議をしているときに比べ、オンラインになると、「会話」はできても「対話」が発生しづらくなる傾向があります。

会話は、Aさんが話す、それを受けてBさんが話す。そしてCさんが意見をいう、またAさんが話すなどのような、整理されたキャッチボール。

それに対して対話は、Aさんが話したことに、Bさんが反応する、明確な意見になっていなくても感じたことをいう、それから刺激を受けたCさんがさらに感じたことを乗っけてくる。Aさんがそこに加わる。クロストークのような感じです。

相手が話し終わるのを待って「言いたいことは全部、言えました?終わりですか?」では。。。と話し始めるというよりも、もう少し無秩序でラフな感じです。

オンラインでは音声がクロスしづらいので、順番に話すことはできても、クロストークが発生しづらい傾向があります。

安心安全の場でそれぞれが率直に感じたことを伝え合うには、順番が整っている会話よりも、反応が反応を呼び起こす対話の形式の方が向いています。

”ルール”化されると、堅苦しく感じてしまう人もいるかもしれませんが、最初はルールを機会的に守る行動を実行してみることで、徐々に話しやすい場の空気が生まれることも多々あります。

チームで試してみる中で、自分たちのチームの最良の方法にたどり着くものかもしれませんね。

「●●さんは、どう思う?」
「さっきから考えているようだけど、どうかな?」
「いまの意見について、どう?」

会議の司会者のような意識を、メンバーの中で1人だけでなく複数の人が持つと、メンバー全員を抱き込んだ「対話」が生まれやすくなります。

オンラインでのコミュニケーションが多くなってきた時こそ、対話を意識して率直に感じたことを出し合える場づくりが、より重要になるのかもしれません。


なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。