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宮戸川でYOASOBIするA太郎師匠 by.落語芸術協会真打披露興行


久しぶりの浅草演芸ホール!もしかすると、訪れるのは小痴楽師匠の真打披露目のとき以来かもしれない。

平日だというのにお客さんは9割くらい埋まっていて、程良いソーシャルディスタンス感があり、安心安全、でも客席の温度感と一体感を損なわずに楽しめた良い回でした。

真打披露興行はおめでたいお祭りだから、いつも以上に高座の雰囲気も客席の雰囲気も賑わっている。

〝長時間の着席〟に耐えられない多動なわたしでも、真打披露興行はぜひ定席寄席に足を運びたいから嬉々として前売券をゲットしにゆく。

何が楽しいって、やっぱり〝口上〟。『真打になりましたよ』『真打おめでとう』というご挨拶が幕間にある。わたしはそれがお目当てで披露興行に行くのかもしれないな、とふと思う。


今回真打披露興行の主役は、春風亭昇也師匠・春風亭柳雀師匠である。

最後の成金メンバーだ。これで成金メンバー全員が真打に昇進された。成金は本当に奇跡的なユニットだったと思う。落語史にその名が残る。

ご本人たちはどう思っているかわからないけれど、外から見ていれば、このメンバーで組んでおいてよかったよねと思う。

こんなに大所帯のユニットでここまで人気が出るのはなかなか稀有なことだと思う。それはひとりひとりのキャラがきちんと確立しているからなんだろうな。

『技術』『知性』『品性』『ヘンタイ』『イケメン』『新作落語』『古典落語』『実力派』『893』などなど・・・様々な要素を網羅しているところがやはり秀逸のなのです。そして、個々人にもユニット自体にも華があります。


そりゃ、おきゃんでぃーずのファイナルライブでも質問されてしまうよね、「ライバルは『成金』って本当ですか?」って。笑

さて、『成金』をヨイショしておいたところで(←言い方!)成金のはなしをするわけでもなく、さらには今回の真打である昇也師匠・柳雀師匠のはなしをするわけでもなく(←しないのかよっ。笑)、今回の寄席で胸アツだった3つのことについて語りたい。





○宮戸川を聴けた!

2〜3ヶ月程前、むしょーに宮戸川を聴きたかった。なぜだろうか。やはり歳を重ねるとそこここに〝胸キュン〟題材が転がっているわけでもないので、若い頃のような〝キュンキュン〟が枯渇するのだろうなと思う。本能が身体的な危機を感じて、脳がドーパミンの大量分泌を促すための危険信号を出すのだろうな。きっと。←

わたしにとって一番スムーズに脳内をドーパミンでみちみちに満たすための方法が【宮戸川】を聴くことなんだろうな、うん。

そして、ついに今回【宮戸川】聴けたよーー!わーーーい!✨

今回高座に掛けていらしたのは春風亭昇市氏。やはり【宮戸川】は少年のような噺家さんに似合うよなと思う。色っぽい人が演るとね、いやらしくなりすぎちゃう。でも、なぜか自他ともに艶っぽい〝イイ男〟な噺家さんが演ることが多い。

実際にA太郎師匠の【宮戸川】も拝聴したことはあるけれど、ひとりで「きゃーーっ!きゃーーっ!きゃーーっ!///」ってドキドキしちゃって、恥ずかしくてしっかり聴けなかった//// ← 年甲斐無く恥じらうタイプ。

いや、もちろん当たり前に上手いんですよ、とてもカッコいいんですよ。だからこそ、そこに色っぽさが上乗せされるので、もうどうしよう///って思う。←

しかし、熱心なファンのおねーさま方はそれがたまらないのだろうな。うん。わかる気がスル。笑

原則イケメンな人は〝シュールなおじーちゃんネタ〟を演っていてほしい。そうするとカッコよさがまろやかになって直視できるから。(え)

(このあたりはわたしのひとりごとなので、みなさんあたたかい心で聞き流していただきだい)

昔昔亭A太郎氏の【ほれうそ】
春風亭昇々氏の【
待ちわびて


この二作、おじーちゃんが絶妙過ぎる。

絶妙過ぎて最高すぎる。

・・・はなしが逸れてしまった。

とにかく、思いがけぬ場所で【宮戸川】を聴けて嬉しかったということで♪




○東京ボーイズの〝YOASOBI〟

昭和の香り漂う寄席漫才が好きだ。寄席以外では、お正月特番と笑点くらいでしか拝見できないのでしっかりと堪能しておかなくてはならない。〝ボーイズ〟と言いながらもうボーイズ感は皆無なのだけれどそれが良い。わたしが20代くらいの時は、まだお二人とも快活に歌われていたが、最近は声の張りが弱くなってきたように思う。それでも寄席の舞台に現役で立たれているのがグッとくる。

そして、彼らの謎掛けネタに〝YOASOBI〟というワードが出てきたことに胸アツだった。

ちゃんと〝Ayase〟と〝ikura〟ってワードまで出してる。

古き良き時代の芸人さんが、ちゃんと世相を汲むというか、時代におもねっているネタというのはプロとして良いなと思う。

若い噺家さんは、ご自身が生まれる前より古いネタを敢えて突っ込んでくる時があるけれど、それもそれで良い意味でお客に迎合しているので偉いなぁと思う。

今後も東京ボーイズ先生のくちから意外なワードが飛び出してくることを期待して寄席に足を運びたいと思う。



○A太郎さんの写真撮影会

「わたしのときだけですからね!他のときはダメですよ」と言って、客席に写真タイムをくれるA太郎さん。この小ネタ(?)、茶番(?)、毎度ながら好きw なぜか笑っちゃうし、なぜか写真撮っちゃう。

二ツ目のときから、ずっとやってくれてる。

師匠になった今でもなお、気分が乗るとやってくれるのがイイ。笑

そしてやっぱりカッコいいから撮ってしまう。笑

しかし、最近は〝掛け声担当〟の親衛隊のMさん(知る人ぞ知る、A太郎さんのアイドルうちわを持参されるご年配マダム)の声援がないので寂しい。A太郎さんのゆーーったりの登場に、Mさんの「きゃーーーっ!A太郎さーーーん♪」の掛け声があって、A太郎さんの〝間〟とサゲのひとことで客席がドカンっ!みたいなのがすごく面白かった。

A太郎さんの登場に、あの掛け声が無いのは、とてつもない物足りなさを感じてしまう。・・・ときっとわたし以外のお客さんも思っているハズ。笑



真打披露興行なのに、以上3点に終始してしまった。笑




そして、このnoteのタイトルから唯一わかるのは「助詞の扱い方」って大事だよね、ってこと。←












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