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“日本橋の狐”に化かされた話。



わたし、昨年末に“日本橋の狐”に化かされたのですよ。

えぇ、ホントに。驚きました。

“狐につままれる”というのは、まさにこういうことなのですねぇ。


ところで、古典落語には【王子の狐】という演目がある。

【王子の狐】《あらすじ》
王子のお稲荷様に参拝したとある男が目にしたのは、偶然にも一匹の狐が美女に化ける様子だった。そこで男は、「騙されたフリをして、騙してやれ」と一計を案じる。まるで知人女性にそうするかのように狐が化けた美女に堂々と声を掛けたのだ。「お玉ちゃん、久しぶり!」「あら、熊さんぢゃないの、お久しぶり」とそれに乗じる化け狐。そのまま二人は連れ立って『扇屋』という小料理屋に入り、目一杯に料理を頼み、浴びるほどに酒を飲む。すると、酔ったお玉ちゃんよろしく化け狐はそのままそこで寝入ってしまい・・・


そう、狐と言えば、首都圏では“王子”の印象が強い。

そして、王子の狐に登場する『扇屋』というお店は今も老舗の玉子焼き屋さんとして存在している。

王子周辺についてより詳しくまとめられている素敵な記事はこちら☆

そして、わたしは参加したことはないのだけれど、今でも『王子の狐行列』たる装束で練り歩く風習が、この界隈の年末年始の風物詩として残っていたりもする。



しかし、この【王子の狐】の噺、元ネタは上方落語の【高倉狐】という演目なのだそう。

上方落語には、他にも狐が登場する噺として【七度狐】という、これまた長編の演目がある。

“人を化かす狐の噺”

稲荷信仰が身近にある商人の町、大阪・上方だからこそ、江戸よりも狐が登場する噺が多いのだろうなぁと思う。

とは言え、東京も銀座界隈には、もうスキあらば至るところにお稲荷様が鎮座されていらっしゃる。


お店とお店の間の細い路地にある
『豊岩稲荷神社』
銀座三越の屋上にある
『三囲神社』
ビルの外壁に埋まるように建つ
『朝日稲荷神社』


ほかにも10社以上が、狭い範囲にギュッとまとまって建立されている。

というのも、江戸幕府の統制下において、『銀座』は、まさに“銀”の“座”であり、銀の鋳造・銀貨の製造場でありました。

もちろん、そんな場所でしたので、銀座の周辺は商人や職人の町としても賑いを見せました。さらに、当時“稲荷”については、勧請しやすかったという宗教背景もあり、商人の町にお稲荷様は順調に増えていったものと思われます。



さて、そんな銀座のお隣が日本橋。

あの歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』でも有名な“日本橋”です。

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日本橋屋長兵衛さんの紙袋は、まさに広重の『東海道五十三次』が描かれているので、おもたせに使いたくなる♪ あんバターをお買い上げ⭐︎

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その日本橋という土地に『三越前』というメトロの駅があります。

その駅から程近いところにお江戸日本橋亭という、永谷グループが経営する穴場の寄席小屋があるので、落語を聴きにゆく際ときに利用しています。



昨年末、本業と心灯らくご会の準備に追われてあくせくしていた頃。

その合間を縫って方々の寺社に通っては、写真を度々Twitterにアップしていたときがありました。わたしは特定の宗教を信仰するタイプの人間ではないのですが、寺社巡りは趣味といえば趣味だし、仕事の一環と言えば仕事の一環でもありました。

「姐さんは人妻なのに、実は生娘だから巫女の仕事もしてるんだぞ♪」(←島田珠代風に)

という、どうしようもないウケ狙いをしたいというオオホラ吹きな自己顕示欲が、写真を撮ってはSNSにアップしてみせるという奇行を呼んだのかもしれません。←

それはそうと、寺社巡りは清々しい気持ちになるので好きです。




そんな年末のある日のこと。

いつもの駅の改札出口から出て、駅ビル内のカフェに入ろうと思い立ちました。

が、複数ある出口を間違えてしまったようで目的地になかなかつきません。カフェがあると思しき場所にはパン屋さんがありました。迷子の途中で道案内の看板を見つけたので、矢印に沿って駅ビルの中から地上に出てみると・・・カフェではなく、そこにあったのは、真っ赤な鳥居の神社でした!

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近代的で直線的な都会のオフィスビルの中に佇む朱色の鳥居は、ミスマッチどころか、意外にも風景に馴染んでいました。

『福徳神社』

と掲げられた鳥居をくぐると、そこに待っていらしたのはお稲荷様。

小綺麗に整えられた境内と本殿には清潔感が漂い、手水舎の龍神様の凝った飾りが神々しくありました。

なんとなく・・・“あぁ。呼ばれたかもな(笑)“、と。

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こういう仕事をしているせいか、「はは〜ん。土地に呼ばれたな」と思うことがある。何か特別な能力があるワケではないが、第六感だけはなんとなく良い方かもしれない。

お賽銭を入れて『二礼二拍手一礼』をして、本業のことと、心灯らくご会の成功を願う。

なんとなく、気持ちがスッキリとしたところで当たりをみわたすと、ライトアップが色っぽく映えて、ちょっとお洒落な夜景スポットとしてもアリだなぁと思いました。

(きっと、都会の上場企業のエリート会社員たちは、この辺りでデートとかしちゃうんだぜっ!? ちぇっ。← やめとけ。)



そんなところで、もう一度カフェを目指すと・・・すぐに見つかった!!!

てか、さっきのパン屋さんの裏にあるじゃんっ!!!おいっ。

なんなら、1周ぐるっとまわってきただけじゃんっw



え?

「“日本橋の狐に化かされた”んじゃなくて、ただのさや香の不注意じゃん!」

って、今言ったの誰!?


・・・しーーーっ☆(←人差し指を口元に当てて)



えぇ、そうですとも。

マヌケなわたしがパン屋の表から裏に移動する道すがらに、稲荷神社に参拝してきたってだけの話ですけど、何か。← うわぁ、ヤダ、開き直りとか///

でもおかげで、新たに素敵なスポットを知ることができて嬉しかったので、狐に化かされるのも悪くないかもなぁと思えた出来事でした♪ (← いや、だからアナタの不注意だからね?)







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